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「野辺の花」少女はいつしか恋をして 愛を知る

全てのものは始まりが有り終わりが来ます
そして又始まりの時が訪れます
繰り返される営みの中で私達は生きています
巡り来る季節の中で感じた事を
アクリル画と立体作品で表現しています
これからも変わりゆく時代の表現者として
その時その場で感じる事を
作品に込め創作し発表し続けて行きたいと思います


めぐり来る春の喜び
うなじをくすぐる春の風
少女はいつしか恋をして
愛を知る

花のにおい 鳥の声
川のせせらぎ 
あの人の影

朝露あさつゆにぬれる 野辺の花
私を手折たおっていだいて下さい

誰も知らない遠くの町へ
連れ去って欲しいのです


野辺の花  F20号(72.7×60.6)㎝  アクリル画


去年の春 進学の為に 
この村を離れて遠くの町へ
行ってしまった人が居ます

いつも草の上に寝ころんで 
空を行く雲と山の彼方をながめ 
思いにふける物静かな人でした

私はその横顔がとても好きでした
言葉をかわすことも 
目を合わすことも出来ないまま
ただ遠くから見ているだけの
片思いの恋でした

その人が居なくなり 
時間が経つとともに 
恋しい想いは次第に強くなり 
息苦しい程の切ない毎日です

どうかもう一度私の目の前に
姿を現わし 
黙ったままそっと手を引いて 
この場から連れ去り 
二人だけの時間の部屋の片隅に 
朝露にぬれるこの花を
飾ってほしいと願う
花の気持ちを描きました


描き方

木製パネルに寒冷紗をジェッソで貼り
シェルマチエールで絵肌を創り
グレイッシュなアクリル絵の具を使用し
描画彩色しました

 



「作品をご覧頂きありがとうございました。気に入って頂けましたら、
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