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冷たくなった手足や体を温めてくれるあったかい甘味処も 旅の楽しみのひとつです

生徒さんが作品に取りかかる前に何を描くのかを
話し合う時間を設けています。
・こんなに素敵な風景を、こんなにかわいいペットを絵にしたい。
・こんなに哀しかった思いを、絵に残しておきたい。
・こんなに嬉しい事を、みんなに伝える為に絵にしたい。
それぞれの想いや感動や想像があって、モチーフは決まって来ます。
そんな想いのこもった生徒さんの作品を、
ご紹介していきたいと思います。                若林 薫


母との思い出の旅   P20号(72.7×53.0)㎝  アクリル画   FOさん
2022年 第44回平塚市展 奨励賞受賞


雪深い里の
てつく様な川に架かる吊橋を渡る
観光客の列の中に
作者とお母さんが一緒に居ます 

その列は 誰もが寒さに耐えて
黙って歩いている様な気がします

吊橋には雪が積もり
足元が不安定で 緊張感も漂って来ます

橋を渡り切った先には
屋根に重く雪をかぶった古民家や土産店が
かすかに見えます

冷たくなった手足や体を温めてくれる
あったかい甘味処も旅の楽しみのひとつです

作者はお母さんと向かい合って
一杯のおしる粉を食べながら暖を取り
今日の旅の話しや昔話しなどを
したのかもしれません

アクリル絵の具で描かれたこの作品は
日本画を想わせる落ち着きのある色使いと
スパッタリング技法を利用して
遠方が雪でかすむ様子を巧みに表現し
静寂感せいじゃくかんをも
かもし出していると思います

                   絵画講師 若林薫 評




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