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ホテルのアフタヌーンティを自宅で再現してみた


これはホテルアフタヌーンティ好きの4人組が、試行錯誤をしてホテルに行かずにアフタヌーンティを作り続けてしまったという、ふざけたようで真剣な4年間の活動記録である。


アフタヌーンティが好き

ホテルのアフタヌーンティが好きで、社会人になってからは度々訪れていた。

それなりの値段がするけれど、日常では確実に手に入れることのできないリュクスな雰囲気を満喫できるので、自分へのご褒美として投資していた。

とりわけ学生時代から仲の良い先輩3人とは、季節に1回は必ず集まって、アフタヌーンティを楽しむことを長く続けてきた。

それぞれが、美食家・食を仕事にしている・料理が好き、と美味しいものには目がない人たちで、一緒に行くと毎回あーだこーだと講評して、それはそれで楽しかった。


行くのが面倒だから作ってしまうだと?

活動も1年以上経過した頃だったかと思う。

「ホテルに行くの面倒くさくない?自分たちで作っちゃおうよ」

は?何言ってるのって感じだろう。

なんでそんなことになったのか、今となっては思い出せないけど、いたってマジメに話をしていた私たち。

かくして自宅でホテルアフタヌーンティを再現する活動は始まったのだった。

初めての回はこんな感じで、アフタヌーンティというよりは、ホームパーティのような感じだった。

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本物志向をめざして、投資が止まらない


だんだんと「なんか、これじゃつまらないよね」となり、
「やっぱりカトラリーでしょ」とまさかのケーキスタンドを先輩が導入。

ちなみにケーキスタンドは人気メーカー、ナハトマンのクリスタルのスタンド。9,900円也。

・・・値段!! 

遊びにしては本気すぎる、と心底引いた自分もいた。(今だから言えるけど)

回を繰り返すごとに、「いやー小さいカップとか欲しいよね」だの、
「素敵なトレーが欲しい」だの言い出し、各々パーティ用カトラリーに投資を始め、順調に装備が揃っていった。心底引いていたくせに、私もしっかり購入…。

そんなんどこに売ってるんだ、と言われそうだけど、ピンチョスピンやアミューズカップは業務用ショップで買った。浅草のかっぱ橋道具街でも売っている。

こういうのとか

こういうのとか


結果、装備はふんだんに揃い、今ではこんな有様である。

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仲間がいるからこそ気軽にできる

一人で作るととてつもなく手間がかかる。
1日かかりでは済まない。実際私が15人向けのケータリングメニューを作った時には、仕込み含めて2日かかった。

でもこの自作アフタヌーンティのいいところは、4人グループであること。

4人でメニューを分担して作っているので、気が遠くなるほど手間がかからないのが大きなポイントだ。

メニューはスコーン、デザート、セイボリー(塩気のある食べ物)を2種類と4つのパートに分けて、それぞれが作る。

事前にメニューを決めることも楽しい。
レシピサイトや、ホテルアフタヌーンティのホームページの中から、再現可能そうなメニューをピックアップして、同じように作ってみる。
この活動を始めてから、アフタヌーンティのレシピブックがあることも知って、購入した。


一時期、私はピンチョスメニュー担当をしていたのだけど、研究のためにこんな本も参考にした。

ピンチョスは、色合いと味の塩梅を揃えるのが難しい。色合いだけを重視した食材の組み合わせにすると、口に入れた時の味のハーモニーが微妙だったりする。
それに重ね合わせて高さを出しすぎると、重みで倒壊する。
味と見た目と自立とのバランスをとるのに苦戦したことは、いい思い出…。


自分たちで作ったからこそ分かったこと

ホテルには到底及ばないし、何よりホテルはロケーションがあるからこそ、あのアフタヌーンティセットが生きる。

でも4年間活動してきた中で、気づきもあった。

・シェフのかけている手間や技術の精巧さを実感できた
・何気なく食べていたメニューを観察するようになった
・季節を意識するようになった
・メニューを考えるのは楽しい
・1人でできなければ、仲間がいればやれる

ただ、ホテルに行ってその場で楽しむこともよいけれど、実際に自分たちで作るようになってみて、いかに手間をかけ、彩りも季節の食材もバランスよく取り入れられているか実感できた。

そしていただく時に、「これはどうやってできているのかな?」と一歩引いて観察する楽しみもできた。

自分たちで作る活動をしていると、「たまにはやっぱりホテルにも行きたいなあ」という気持ちになるが、あれよあれよと気軽に外出もままならない世の中になってしまった。

そういう時期だからこそ「出かけなくてもプチリッチ」を楽しめる、自作アフタヌーンティ活動をもっともっと楽しんで行けたらいいなと思っている。




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