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【読書】 7月に読んだ本 7冊

今日から8月です。
毎回このまとめが遅くなってしまうので、今月は早めにやります。

今月は湊かなえさんの本をよく読んでいます。
というか、今年は全体的に湊かなえさんの本が多い。
つまりそれは、どういうわけかこれまであまり読んでいなかったということなんですが、なんで読んでいなかったのかを考えてみたら、おそらくドラマや映画で先に見てしまったからかな、と。

映像でしか表現できないこともあれば、文字だからこそ表現できることがあります。
それはもう好みの話ですが、わたしはやっぱり文字から入れる方が好きだなあ。

あと、今月は長距離移動が2回あったので、それぞれ行き帰りで新幹線の中で4冊本を読みました。
移動中がいちばん読書が進む。できるだけ長く乗り物に乗っていたいタイプです。




おいしい旅 初めて編 / アミの会

長距離移動の行きで読んだ1冊。
今回のアミの会によるアンソロジーのテーマは旅とグルメ。それだけじゃなく、きっとコロナ禍というのもテーマだったのだろう。窮屈な生活を強いられている中で、どうにか羽を伸ばして旅とグルメを楽しむ様子がどの作家の短編にも描かれていた。
坂木司さんの下田行き観光列車の話、近藤史恵さんのオランダの話が好きだった。サフィール踊り子に乗ってみたくなったし、オランダで自動販売機で売られているコロッケを食べてみたくなった。


おいしい旅 思い出編 / アミの会

長距離移動の帰りに読んだ1冊。
こちらも旅と食にまつわるアンソロジー。
友人と巡る思い出の場所、古い記憶の街、家族の想いなどなど、ほっこり和むお話が詰まっていた。こちらもコロナ禍の描写がリアルだったが、今だからこそはっきり想像できるそれらの描写が、近い将来どんな感じで受け入れられるのだろうと思う。
好きだったのはそう来たか!という結末の「ゲストハウス」と、女子2人の食べ歩き「下戸の街赤羽」。


リバース / 湊かなえ

ドラマを見ていたのでずっと原作を読まずに来たが、さすが湊かなえ、ぐいぐい読ませてくれてあっという間に読了。
この話は、言葉に出して気持ちを伝えない人間の集まりがつくった悲劇なのかなと思う一方で、誰かに自分のことを全て知ってもらうなんてことは生きていく上であり得ないとも思わせる。
広沢という人間の、すべてを飲み込んで受け止めてしまう「人たらし感」というのはなかなかの罪ではないか。
そう思うと、あの衝撃のラストを胸に、これから深瀬がどんな人生を送るのか、想像するだけで苦しい。


ユートピア / 湊かなえ

移動中の新幹線で読もうと持参。
冒頭は話が入ってこなくて読みづらいなーと思っていたけれど、途中から展開が面白くなり一気読み。
人口7千人の小さな港町で仏具屋の嫁菜々子、陶芸家のすみれ、夫の転勤で社宅住まいをしている光稀、菜々子と光稀の娘が出会う。町の人、よその人、一旗あげたい人、町を出たい人の思いが交錯して絡む。湊かなえさんらしい、主観が変われば物語が変わるという手法が今回も冴えてるし、最後の最後まで読ませてくれた。


殺した夫が帰ってきました / 桜井美奈

帰りの新幹線で読もうと出先の本屋で買った本。
DVで悩まされた挙句殺してしまった夫がまるきり性格が変わって帰ってくる。生きていたのか?と思っていたら白骨化された遺体が発見されたと連絡が。この人は誰…?という展開。
たくさん謎が散りばめられていてエンタメ性の高い1冊ではあったけど、最後はこじつけ感がなかったとは言えない。


カケラ / 湊かなえ

美人整形外科医でコメンテーターとしてマスコミにも引っ張りだこの久乃が、とある女の子の自死について関係者に話を聞いていく。
主人公でありながら彼女視点はエピローグ以外になく、関係者が一方的に久乃に喋り続けるスタイルで物語は進む。
浮かび上がる真実の多面性は湊かなえの真骨頂。自分の正義感や善意、普通という物差しがいかに危うく暴力的であるかを問うストーリーだった。
彼女の本を読むといつも、他人の全てを知りたいなんて思うこと自体傲慢なことなのだと気付かされる。 


俺ではない炎上 / 朝倉秋成

ある日突然女子大生殺害犯の濡れ衣を着せられ、ネットで炎上してしまう主人公の逃亡劇。逃真犯人は誰?その目的は?
物語は数人の視点で綴られており、テンポも良くて一気読み。
自分が思う自分象と他人の評価に雲泥の差があることって現実にもあるよな。自分の評価なんてできることなら知らずにいたいよ。伏線回収が始まる本当のところは読んでて気持ちがいいけど、動機がイマイチ納得がいかなかったけれど。
こちらの作家「6人の嘘つきな大学生」がメガヒットしてますよね。こっちはまだ読んでいなくて。今「教室がひとりになるまで」が積読状態です。


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