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kaori
2020年11月4日 11:11
その日、近所に住むみんなでご飯を食べて合宿みたいな朝を迎えた。小学生の避難所生活は少しワクワクしていた。大雨が続き裏山が土砂崩れしていたため、みんなで公民館に避難していたのだ。ひとつ年下のゆうちゃんは色黒のショートヘアで活発な女の子だった。でも、その日少し体調を崩していたのか嘔吐した。「おばちゃん!ゆうちゃんが吐いちゃった。」私が伝えるとおばちゃんの顔色が変わった。血相を抱
2020年11月2日 11:02
目が覚めて、自分が呼吸をしていることを確認する。「あ、まだ生きてるんだ」なぜか生きるということへの実感が湧かずにいた。ただ私は息をするために生きている。意思なんてもってはいけない。当たり障りなく生きていくのがいちばん楽なんだ。幼少期からずっと「自分」という存在の意味がわからず、死んだらどうなるのかなっていうことばかり考えていた。普通の家庭で生まれ育った。両親とも真面目でよく働き幸せ