夏休みが終わって

お父さんが命の代わりに残してくれたもののおかげで、私は大学を辞めずに済み、
また勉強を続けることができました。
小さくなった車は、家に置いていても定期的に動かすことができないので、
私が乗ることとなり、一緒に実家から一人暮らしの家に持って帰ってきました。
大学のキャンパスが田舎にあったので、原付で通ってくる人が多く、
入学前に父はなぜだか原付を買うことを強く勧めていて、それまで原付で通っていました。

そして3年生になると車通学が認められていたので、ちょうど3年生だった私は、
通学は車、バイトへは原付、そしてたまに自転車、という一見今考えても
めちゃくちゃ裕福な環境に育った人みたいに見えるよな、
親が亡くなってるのに、そんな平気な顔していられるよななんて
勝手に人の目を気にしてばかりで、とても苦しかったのを覚えています。

相変わらず夜や寝る前はものすごい虚無感や孤独に襲われて、
でも母もとても忙しくて、むしろ母の方が大変だろうと思うと
電話することもなかなかできず、結局いつも泣きながら寝る日々でした。

どうしても辛くて吐き出したくて、1人だけとても信頼していた先輩に話したら、
静かに話を聞いてくれて、

「心が空っぽになるまで泣きたいだけ泣いていいと思う
でもね、最後はちゃんと前を向かないといけないんだよ」

と言われました。
言われた当時はちょっと冷たいこと言われてない?って思いましたが、
今思えば、先輩からの心からのアドバイスであり、エールだったんだな、と大人になってからようやく気づくことができました。

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