浅間香織

計算機を携え北に爆走する現代詩人です。 花鳥風月と錬金術と古典と科学技術が調和した湖…

浅間香織

計算機を携え北に爆走する現代詩人です。 花鳥風月と錬金術と古典と科学技術が調和した湖を探しています。 文学作品『願望と献花』『薄暗い鍵盤組曲』をpixivさんで連載してます。 https://www.pixiv.net/novel/series/9902072

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  • 【小説】カラマーゾフの姪(雑編)

    文学作品『願望と献花』の一部分。

  • 【小説】カラマーゾフの姪:ガチョウたち

    長編小説『願望と献花』に組み込まれる小説群です。 『願望と献花』はこちらで公開されています。 https://www.pixiv.net/novel/series/9902072

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【小説】カラマーゾフの姪:ガチョウたち(1)

○舞台:コロナ禍で自粛ムードの2020年 ○キャラ 彩田守裕:大学院で数学を研究する修士2年生。 曲丘珠玖:コンピュータに詳しいフリーランスの女性。彩田の最近の友達。同い年。 弥生恵:彩田の従弟。大学2年生。二人を呼んだ。  八月の終旬であった。気候も日射と水分に注意すれば過ごせる暑感であり、水稲も人間が手心をかければ育つことができた。稲の海原が波立って見えるほどの強い風は吹いていなかった。彩田青年は曲丘珠玖の運転する車で湖の町から田園風景を過ぎて、大学をはじめとする研究

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    • 東大きらら同好会活動レポ ~『ぼざろ』の映画鑑賞会から「カラカラ」カラオケ行ってきた~

       『劇場総集編ぼっち・ざ・ろっく! Re:(前編)』を東京大学きらら同好会で鑑賞してきた日のレポートを書いてみました! 入場まで集合時間  鑑賞会は同好会会長の完璧な采配で実施された。  日程は一番希望者が多かった休日に決まり、10人集まることになった。   東大きらら同好会(以下きら同)はオンラインでの交流が多く、対面活動が少ないこともあり、顔を知らないメンバーも半分くらいいる。 (当日までは楽しみと不安が半々だったというのが正直なところ。書き言葉と話し言葉の印象差は

      • 町でマイホーム販売系不動産のお兄さんに「お姉さん」と声をかけられた。 「(ごめんよ……、国立大学が独立行政法人化していなければ話を聞く世界線もあったかもしれない)」と思って会釈だけして立ち去った。 二行詩「学費値上がる組織の院生」

        • 【小説】カラマーゾフの姪:ガチョウたち(10)

          ○2020年の喫茶店。 ○人物 ・弥生恵:社会学系の大学2年生。 ・小芳勝市:情報学系の大学2年生。弥生恵のサークル仲間。人間のデジタル化についての思想を話した。 ・曲丘珠玖:ITフリーランスの女性。小芳とは初対面だったが、彼の思想を窘めた後、勝手に弟子入りされた。 ・彩田守裕:大学院で数学を研究する院生。弥生の従兄で、弥生のPCの不調をチェックするために、知人の曲丘を紹介したのが事の発端。小芳とは初対面。 ・ナルキ:小芳の先輩の女性で、PCのティーチングアシスタントをして

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        【小説】カラマーゾフの姪:ガチョウたち(1)

        • 東大きらら同好会活動レポ ~『ぼざろ』の映画鑑賞会から「カラカラ」カラオケ行ってきた~

        • 町でマイホーム販売系不動産のお兄さんに「お姉さん」と声をかけられた。 「(ごめんよ……、国立大学が独立行政法人化していなければ話を聞く世界線もあったかもしれない)」と思って会釈だけして立ち去った。 二行詩「学費値上がる組織の院生」

        • 【小説】カラマーゾフの姪:ガチョウたち(10)

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        • 【小説】カラマーゾフの姪(雑編)
          4本
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          詩が書けない詩人による史的死観詩

           21世紀の先進国では「人生の終わり」に焦がれる人は少なくない。  しかし20世紀以前は、「終わり」は焦がれるまでもなく寄って来て、望んでも生きられないことがあまりに多かった。  病気、災害、戦争、飢饉が人間を襲い続けた。  それを以て「終わり」に焦がれるべきではないということにはならない、時間が離れた出来事はそれぞれが一回限りの事象だ。  「終わり」を想うのが贅沢だという考えは、現代に特権意識を覚えすぎている。  しかしながら「終わり」との距離を考え比較することは、現在を

          詩が書けない詩人による史的死観詩

          国立国会図書館に納本しました

           文学フリマで頒布した『カラマーゾフの姪:ガチョウたち』を、国会図書館に納本してきました。  西口から入館、案内された場所にある納本受付でベルを鳴らし、職員さんと会話しながら小さい書類を書くこと3分くらいで手続き完了。退館までの体感は6分でした。 (印刷/頒布部数や価格などを聞かれなかったので、受け付けてはもらえたけど裏で破棄されるんじゃ……と、半分冗談の不安を感じていますが)大学院の学友たちが大丈夫だろうと言っているので大丈夫だと思っておきます。 (職員さんも忙しそうだっ

          国立国会図書館に納本しました

          「触れる」という比喩

           なんだか物々しいけれどよく分からない台詞です。予想外なほど伸びていたこちらの記事のタイトルでした。記事の内容は物語作品の台詞集です。  記事タイトルの台詞は、記事内で最初に挙げている台詞と同じ文脈のものです。  台詞の抜き書きなので文脈が分からない台詞ですが、実は抜き書きでなく、文章が完備されていても文脈は分かりません。  『願望と献花』という物語の最終版の下書きの中の台詞ですが、主人公(彩田君)は「秋山君」なんて知りません。(ここは市民のネガティブ・ケイパビリティを試

          「触れる」という比喩

          【小説】カラマーゾフの姪:ガチョウたち(9)

          ○場面:2020年の喫茶店。 ○人物 ・彩田守裕:大学院で数学を研究する院生。小芳とは初対面。 ・弥生恵:彩田の従弟。大学2年生。 ・小芳:弥生恵のサークル仲間。人間のデジタル化についての思想を展開した。 ・曲丘珠玖:ITフリーランスの女性。彩田の最近の友達。同い年。小芳と論争中。 前回はこちら (小芳) 「ならあなた自身は、他の人間はどうであれ、少なくともあなた自身は、愛されて悲劇に苦しむよりは、永遠の孤立を選ぶというのですか」 (曲丘珠玖) 「………永遠なものなどあ

          【小説】カラマーゾフの姪:ガチョウたち(9)

          【文学フリマ東京38】人間が人間に触れるのには、全く以て道徳の限界があるのよ。

           5月19日の文学フリマに出店します。浅間香織です。  【ブース:D-24】です!  そこで読める小説のセリフを紹介します。 「 …… 彼の手が、……秋山君の手が触れたのは、手だった。……この手が触れたのは、意思だった」 「…………まだ、……まだ、……現在の国際秩序に辿り着いて、人類は一世紀も経ていない。一国の豊かさも平衡しないまま、他国を含めた平衡に至れなくても仕方がない。それでも世界は改善している。……みんながとは言わない、でも多くの人はそれを信じて、世界がよくな

          【文学フリマ東京38】人間が人間に触れるのには、全く以て道徳の限界があるのよ。

          『願望と献花』「メリステムの観察」を更新しました。 コロナ禍でオンライン授業が通達された当時の学生のメッセージのやり取りを模したものです。 https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=22084568

          『願望と献花』「メリステムの観察」を更新しました。 コロナ禍でオンライン授業が通達された当時の学生のメッセージのやり取りを模したものです。 https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=22084568

          【小説】カラマーゾフの姪:ガチョウたち(8)

          ○舞台:2020年夏の喫茶店。四人席。 ○人物 ・小芳:弥生恵の友達。デジタルアーカイブに興味がある。独特な農業観と生命思想を展開した。 ・彩田守裕:大学院で数学を研究する院生。小芳とは初対面。 ・弥生恵:彩田の従弟。大学2年生。小芳と同じサークル。小芳の農業観に反意を示す。 ・曲丘珠玖:ITフリーランスの女性。彩田と同い年の友達。小芳の前で弥生をなだめ始める。 前回はこちら 「恵さん、……私は決して彼に賛同するわけではありませんが、全く一理もないわけではないので

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          【小説】カラマーゾフの姪:ガチョウたち(8)

          非市民的人間のポエム

          市民であることに疲れて、「あの日から後の人生は全て悪夢なんじゃないか」と思えてきた。 「しかし」、そもそも世に生まれ落ちた瞬間から全ては夢であって「あの日から」という認識は間違っている。 夢から覚めれば我々が自覚している個体性は終わる。個体性から解放された後に安らかであるためには、たぶん地球の物質がよりよく循環している方がいいのだろう。 我々の意識だとか魂などというものがどこから来たのかは分からないが、「肉体」と連動しているのは疑いがない。 だから肉体が還る先の循環が

          非市民的人間のポエム

          【小説】カラマーゾフの姪:ガチョウたち(7)

          ○舞台:2020年の喫茶店。 ○一台のパソコンの周りに四人の若者。 ○人物 ・小芳:デジタルアーカイブに興味がある大学生。自分が幸せになれないのは知ってる。 ・彩田守裕:大学院で数学を研究する主人公(喋らないだけ)。小芳とは初対面。 ・弥生恵:彩田の従弟。大学2年生。小芳と同じサークル。 ・曲丘珠玖:ITフリーランスの女性。彩田の最近の友達。同い年。小芳と論争中。 前回はこちら (小芳)「……やる方がいいことをやればいい。それをやります」 (曲丘珠玖)「それが分かって

          【小説】カラマーゾフの姪:ガチョウたち(7)

          【小説】カラマーゾフの姪:ガチョウたち(6)

          ○舞台:2020年の喫茶店。一つのテーブルに四人の若者。 ○人物 ・小芳:弥生恵の友達。アーカイブに興味がある。曲丘珠玖にITの技量を試されていた。前回の終わりで「賢者の石」とか言い出した。 ・彩田守裕:大学院で数学を研究する院生。小芳とは初対面。 ・弥生恵:彩田の従弟。大学2年生。小芳と同じサークル。 ・曲丘珠玖:ITフリーランスの女性。彩田の最近の友達。同い年。小芳と論争中。 前回はこちら (曲丘珠玖) 「賢者の石、面白い比喩ですね。一体いつの時代の話なのか。誤解の

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          【小説】カラマーゾフの姪:ガチョウたち(6)

          今年やりたい10のこと(2024年度)

          とりあえず思いつくまま書いてみました。 「カラマーゾフの姪:ガチョウたち」の執筆 『願望と献花』でヒロイン(三咲すみれ)をそろそろ書く 「年代記」(『願望と献花』1部2章)を書く 「微生物史」(同上2部2章)を書く 『願望と献花』の5部1章を書き終える 文学フリマに出店 米田の補題を理解する ネットワーク分析を学ぶ 『源氏物語』のネットワーク分析 PythonでTEIマークアップテキストを扱う 全部やれそうで、半分も無理な予感。 頑張ります…!

          今年やりたい10のこと(2024年度)

          5/19(日)に文学フリマ東京38にて以下で連載している「カラマーゾフの姪:ガチョウたち」完全版を販売予定です。 有料部分含め加筆修正版です。 【小説】カラマーゾフの姪:ガチョウたち(1) https://note.com/kaori_asama/n/n3f5b46695b24

          5/19(日)に文学フリマ東京38にて以下で連載している「カラマーゾフの姪:ガチョウたち」完全版を販売予定です。 有料部分含め加筆修正版です。 【小説】カラマーゾフの姪:ガチョウたち(1) https://note.com/kaori_asama/n/n3f5b46695b24