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お父さんっ子な長男

夫が救急搬送されたちょうどその時、長男は卒園式間近…夫が意識の戻らない中、毎日病院を行ったり来たり。卒園式までには意識戻らないかなぁ…無理だと分かってた。
そして参加した卒園式。本来なら、お祝いの気持ちで流す涙も、『夫がいない』『もうすぐ夫がいなくなる』ことの哀しさ、寂しさの涙になった。
あのとき、笑顔で『おめでとう』って心の底から言えなかった自分…悔しかった。
卒園式がおわってからの謝恩会。本当ならさっさと出るつもりだった。けど、長男の笑顔と、4年間お世話になった園への情とかで中々抜け出せなかった。
謝恩会が終わって、実母と、名古屋から私を心配して駆けつけてくれた実兄、長男を連れてICUに面会に行った。
卒園式で歌った歌を動画に撮ってたので、スマホで流しまくった。
意識がなくても耳は聴こえるから…とのことだったので、何度も何度も流し、声をかけた。
『お父さん〜!きこえてる?起きて〜』
『戻ってきてね。待ってるよ』
何度も何度も。

結局、その3日後、天国に旅立ったんだけど…

お父さんに自転車を教えてもらったことが、一番嬉しかったよ。

長男は絵を描くことが大好き。
お父さんとの思い出は、自転車を教えてくれたこと…だそう。
居なくなってから寂しいだろうに、全然泣かないし。弱音もはかない。我慢してるのかな。いや、私がポンコツ過ぎて慰めてくれてる。
ごめんね、子どもたち。
子どもたちの前で泣くまいと思ってたけど、無理です。泣きます。
弱いお母さんを、許してね。
自転車を教えたり、ここぞというときに
ピシっと叱ってくれたり、
仕事から帰ってきたら必ず子どもたちを抱き上げてくれたり。
そんな温かい存在が居なくなった。
夫の分まで、頑張らないと!とは思うけど、私は私のできることしかできない。
辛い。
出掛けた先で、家族連れをみたり
『パパ』『お父さん』のワードが
今は、辛い。
世の中色々なシングルマザーがいる。
けど、自分は離別ではなく死別。
自分達で相談し合って決めてシングルマザーになったわけではない。辛い。
なってしまったものはしょうがないけど、まだまだ全然割り切れない。
これからまた、この負の感情が突然襲ってくるんだろうなと思うと辛い。

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