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【織々ノ記】#27 漫画とBGM

2023年3月30日

 学部時代からTwitterで繋がっている漫画家の友人が、このたび単行本を出版した(友人と言いつつ、1回しかオフで会ったことないので、友人と言っていいのか少し不安である)。

 スペリオールで読み切りが掲載されている頃から何度か拝見していたのだが、今回は初めての連載&単行本化ということで、他人事ながら大変嬉しく感じる。漫画と小説の差はあれど、同じ創作というフィールドに属する「創作人(そうさくんちゅ)」として、負けじと自分も成果を出したいと思う次第である。

 かく言う自分もまだ読み終えていないのだが、ぜひ読者諸氏もお買い求めいただければと思う。


 昔から何かしらBGMを聞きながらでないと作業できない質だ。周りの騒音をかき消す意味もあるが、図書館のような静かな空間でも、基本的にはイヤホンで音楽を流しながら作業することが多い。

 その日のコンディションによって流す曲は異なる。歌詞がある曲だと集中できないときもあれば、逆にあまりにBGM然とした曲のせいで上手くいかない日もある。

 そんな中でもサントラ集は、安定して作業向きの音楽だと思う。以前は新海誠監督作品のサントラを聞いていたのだが、最近はレイトン教授のサントラ集にハマっている。

 レイトン教授のゲーム自体は、「悪魔の箱」と「最後の時間旅行」しかやっていないのだが、サントラを聞いていると、当時の記憶が蘇ってきてしんみりとした気持ちになれる。加えて、Jazzyな曲調が作業中に聞き流すのにピッタリで、You Tube Musicのサブスクを利用してヘビロテしている。

 ところで、「アニメの円盤なんて今どき売れない」という言説を最近どこかで聞いたことがある。しかし、そもそもオタクというのは総じてコレクター気質であって、再生機器があろうがなかろうが、公式から出たものは喜んで買うものなのである。私自身、サカナクションのCDも、新海誠監督作品のBlu-rayもみんな発売日に購入済だ。

 かくて、最も愛情を注いでいるコンテンツには金を落としている一方で、その他のコンテンツはサブスクなどで済ませてしまいがちになっている。電子媒体の書籍やサブスクは便利ではあるが、一方でいつ見れなくなったり聞けなくなったりしてもおかしくないという脆弱性がある。

 なにより物理的な存在感が失われてしまうのが、一番の欠点だと思う。確かにCDや本は場所を取るが、その「手狭さ」こそが私のような紙の本至上主義者からするとたまらない快感になるのである。前半で述べた友人の漫画を紙媒体で購入したのはこういうわけである。

 だからこそ、レイトン教授のサントラも近いうちにCD媒体で購入したいと考えている(発売開始から随分時間が経っているので、今でも買えるかはわからないが)。スマホから指一つで簡単に曲を流すのではなく、たまにはCDの山から悩みながらも1枚選んでプレイヤーにかけるという、「手間のかかる」行為を楽しみたいものである。

(了)