🌱不登校期間に得られるものを考える

今から約一月前の令和6年10月31日付で
不登校等の調査結果および対応の充実について
文部科学省から通知がありました。

すでにご覧になった方もいらっしゃるかと思いますが
要約部分について触れたいと思います。

令和５年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果及びこれを踏まえた対応の充実について（通知）：文部科学省

今回の通知について、各報道で最も注目されたのは
不登校の小中学生が過去最多の34万6482人になったことでした。
前年度比16%増。

そして、その状況について様々な意見が飛び交いました。
大手新聞の報道においても
「無理に学校に行かなくていいという風潮が後押しした」
と書かれているものもありました。
私には様々な立場の人が重箱の隅をつつくように
悪いもの探しをしているように見えました。

◇◇◇

私はご存じのように保護者としての当事者です。
多くの、ある意味「自由な」意見を目にすることで
毎日のように思うところはあります。

しかしそれより
今まさにどうすればいいかわからず苦しみの渦中にいる方が
さらに苦しんでいないだろうか、それが一番気掛かりです。

発している方は正しいと思っているのでしょうし
そこまで重い意味を持つとも思っていないのかもしれません。

でもそんな言葉も当事者の目に入れば傷ついてしまう。
特に不登校の初期はそれぐらいセンシティブです。

「気にしなくてもいい」と言われても相当難しいとは思いますが
いったん外野のご意見は受け流す姿勢でOKですよ！

自分の心を自分で守ることも大切です😊

今回の通知に話を戻します。
通知の中には重要な言葉がいくつも入っていました。

不登校は、取り巻く環境によっては、どの児童生徒にも起こり得るものとして捉え、不登校というだけで問題行動であると受け取られないような配慮が必要なことや、支援に当たっては不登校児童生徒やその保護者の意思を十分に尊重しつつ行う必要があること。

抜粋　

「どの児童生徒にも起こり得る」

不登校の子供のこと、どこか特別視していませんか？
外から見ている人のみならず
不登校である本人も、それを支える親御さん自身も。

確かに過去最高の人数を叩き出していても
不登校児はクラスの中で２～３人いるかいないか。
周囲に誰もいないという方もいますよね。

でも、どの子にも起こり得るという言葉は真実だと思います。

本当は学校に行きたくないけれどギリギリで保っている子や
欠席がちではあるが年間３０日には満たない子、
一瞬学校の門をくぐっただけで「登校」扱いになっている子、
教室には行けないけれど適応教室で出席カウントされている子、
そういった子が水面下に大量にいて表に出ているのは氷山の一角。

なにがしかのきっかけで不登校になる子（不登校予備軍）は
大人の想定以上、はるか多数いると考えられます。

仮にそれをポジティブに考えるなら
学校に行かなければならないという固定観念に囚われている大人より
子供の方が柔軟性があり、多様化しようとしているということ。
「こうでなければならない」に対して異論を呈しているのではないでしょうか。

これは問題行動ではありません。

「多様性」を当たり前に捉える子であるならば
みんながみんな画一的であることに違和感を抱くかもしれません。
学校に行く以外の選択をする可能性もあるかと思います。

いつ我が子がそうなってもおかしくない、
ある意味、自然に従った行動のように思えませんか？

また、 不登校児童生徒への支援は、「学校に登校する」という結果のみを目標にするのではなく、児童生徒が自らの進路を主体的に捉えて、社会的に自立することを目指す必要があること、 児童生徒によっては、 不登校の時期が休養や自分を見つめ直す等の積極的な意味を持つことがある一方で、学業の遅れや進路選択上の不利益や社会的自立へのリスクが存在することに留意し、 学校教育の意義・役割を踏まえ、学校及びその設置者においては、既存の学校教育になじめない児童生徒について、学校としてどのように受け入れていくかを検討し、なじめない要因の解消等に努めるなど、不登校児童生徒が学校において適切な指導や支援が受けられるよう尽力すること。

抜粋

不登校児童生徒への支援で大切なことは、

「登校」のみを目標にせず主体的に、社会的に自立することを目指すこと。

しっかりと明示されています。
この言葉を文科省が伝えてくれることは重要なことだと思います。
でもこれがなかなか伝わっていない…

その理由の１つかなと思うのが直後の文章ではないでしょうか。

不登校という時期が

「自分を見つめ直す等の積極的な意味を持つことがある」

と言いつつも

「学業の遅れや進路選択上の不利益や社会的自立へのリスクが存在」

と書かれています。

後半は特に親にとって不安に感じられる言葉ですよね。

なぜか。

前半は子供自身の心の中の出来事なので親からは見えないのですが
後半はノー勉や出席日数など、親の目に見えるのですよね。
だから実感となって親の心に押し寄せてきてしまう。
しかも外野の意見も耳に入ってくるとなおさらです。

でもね、ここでじっくり改めて考えてみて欲しいのです。

お子さんの心の中のことを。
傷ついたり苦しんだりしている子供たちが回復するために
いったん辛い環境からは距離を置いているのだということを。

親は、自分の目でわかりやすく見えることではなく
子供の心を優先しましょう！

挙げられているリスクは確かにゼロとは言いません。
学校に復帰しても、別の道に進んでも
いずれにしてもそこからのリスタートになるわけです。
じわじわとでも継続的に勉強を続けてきた子供に比べると
そりゃ成績は下がります。

でも「学び」という観点で見た場合、
ゼロとは言えないと私は思います。

受験勉強的な意味合いの勉強ではなく、
いち早く人生の「学び」をしている子供たち。

今の苦しい時期から一歩進んだならば、必ず自分で道を拓けます。
必要な「学び」を自らできるようになります。

人の痛みがわかる、深みのある人間に成長でき、
きっと親、友達、そして自分自身を大切にできる人になると思います。

そのためにも、拙速に学校に戻ることだけを目指すのではなく
学校に行けない間に得られるものも大切に、
まずは心が健全になれることを最優先にして欲しいと
心から願っています。

必要な方に届きますように✨

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