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長男と次男 13

信じる、信じようとする

我が家にコロナウイルス襲来。
こんなに辛いものとは思わなかった!
もともと呼吸器系が弱い私と長男は、
相当咳を引っ張ってしまった。

秋の勉強合宿までに学校に復活できた長男は
咳は残っていたものの、出発した。
これ以上遅れを取りたくないと、彼なりに必死。
・・・しかし3日目にしてN先生からお電話。
「相当頑張っていますけど、食事も摂れないようで
ちょっと帰らせた方がよいかと」
会社を早退し、長男を迎えに車を走らせた。

ホテルのロビーで待っていると
ヨロヨロとやつれた長男が歩いてきた。
「よく頑張ったね。おつかれさま」
それしか言葉が出なかった。

本人の意思を尊重し、行かせたものの、
こんなに無理していたなら止めるべきだったか・・・
長男も本当は止めて欲しかったんじゃないのか・・・
心は渦巻いたが、参加しようと決意した長男を
讃えながら帰宅した。
その後2~3週間は、咳も止まらず
熱も出たり下がったりとなかなか体調が戻らず
長男は苦戦を強いられた。

やはり体調が思うようにならないと
人の気持ちの持ち様は下降線をたどる。
そもそも自分の学力にムラがあるにもかかわらず、
体調まで波が大きいということが、
ここにきて長男のメンタルに影響してきた。
再び休みがちになった長男。
不安はあったが、それでも私は信じていた。
信じようとしていた、が正しいのかもしれない。
「卒業する」と宣言した長男の気持ちが
前を向いてくるのをじっと待っていた。


まさかの出来事

コロナの後遺症もなく、元気を取り戻した次男。
2学期になって、1週間のうちに
適応教室、別室登校、クラブを各1回ずつ、
たまにクラブは2回出席するというサイクルで
落ち着いてきていた。
一時期は行くだけでも辛そうだった習い事も、
するっと行けるようになっていた。
このまま、穏やかな気持ちで過ごしてくれたら・・・
と思っていた矢先、事件が勃発する。

次男が倒れた。

立ちくらみがたまに起きるとは私も知っていて、
長男と次男がふたりでいた時にも壁にぶつかって
尻もちをついたと聞いていた。

ある日、主人が帰宅したので玄関の鍵を開けようと
次男が立ち上がり、歩いていった。
私もたまたまその後ろにいたのだが、
次男が急に立ち止まった。
「あれ?もしや!?」
と思って手を伸ばした時にはもう遅く、
次男が前方にバターンと倒れた。

大声で次男を呼ぶと次男はすぐに気付き、
本人もびっくりした様子で起き上がった。
這うようにリビングに戻ったが、
ソファーでしばらくじっとさせていた。
幸い、玄関に出ていた柔らかい靴に顔が乗ったので
鼻の横と唇を少し切るだけで済んだ。

一瞬の出来事。
私自身、あまりにも驚いてしまい、
夜中に何度も次男の様子を確認してしまった。
そして、できるだけ早く病院に行こうと休みを調整、
以前から目をつけていた小児科に行くことにした。
「大丈夫大丈夫」と言っていた次男だが
本当は自分が倒れてしまったという事実に対し
想像以上にダメージを受けていたのだろう。

その日以降、次男は再び学校に行けなくなった。

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