怒りの正体は悲しみなんだって

忘れたいのに 夢に出てくる
考えたくないのに 考えてしまう

腑に落ちてないから
まだたぶん許せてないから

あの人は生きているとき
わたしを怒りに染めた

止められない怒り
自分が自分でなくなるほどの怒り

どこかで読んだ本か漫画に書いてあった
「怒りの正体は悲しみなんだって」

あの人がいなくなったいま
激しい怒りはもうない たぶん

ただ、夢に出てきて
わたしに悲しい気持ちを残していく

忘れたいのに 理解したくて
考えて 考えて 考える

そういう世代なんだ
って言えばそうかもしれない

でも同世代でも
そうじゃない人はたくさんいる

ちゃんと人の話が聴けて
相手を受け入れることができる人

あの人はそうじゃなかった

自分中心に世界は周っていて
常に自分が正しい

人の意見には耳を貸さないから
まともに話をしたことがない

外面はとてもいいから
話しても理解されない

「いい人だと思うよ」
って言われてわたしが傷つくだけ

わたしがおかしい
贅沢だ 気のせいだ

そんな言葉を浴びせられて
なにも返せなくなる

理解されないことがつらかった
話しても無駄なんだと思った

あの人はどうして
ああいう人だったんだろう

もしかしたらどこかに
寂しさを抱えていたのかもしれない

いまとなってはもう
知りようがない

わたしにとってはただ
生活できるお金を稼ぐ人

戦後の混乱の中で生まれたあの人は
どんな人生を歩んだのだろう

わたしが知っているのはただ
毎日お酒を飲んでタバコを吸って

人の気持ちを考えなくて
外ではにこにこ 内では悪口の嵐

なにがきっかけか分からず
突然キレる人

家の中でも 旅先でも
いつ嵐がくるかわからない

いなくなる前
5年くらい会ってない

自分の感情を
コントロールできないのが怖くて

あの人のお金で育ったわたしは
自分の都合で関わりをやめた

晩年 数年間の入院中
一度も会いに行かなかった

最後に話したのは
取っ組み合いのけんかをしたとき

まともな会話はしてない

もっと寄り添えばよかった?
じっくり話を聴けばよかった?

当時のわたしにはできなかったことだ
いまでもできる自信はない

それでも理解したいと願う
理解されないのは とてもつらいことだから

自分の心を理解したいと思う
これからのしあわせな未来のために

自分を理解する旅
感じて 考えて 考えて

腑に落ちるまで

「楽しく元気に生きる」ために


生きづらさを抱えながらも何とか生きてきてやっと「元気に楽しく生きる!」という目標ができました。同じように生きづらさを抱えた人に届けられるよう、いただいたサポートは今後の活動に大切に使わせていただきます。