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お見舞い

一つ前に書いた「お義父さんと椅子を買いに」の記事と合わせて読んでもらえたらと〜

去年の11月にFBに書いた記事を載せます。

去年の秋にはお義母さんの方が骨折入院し…何年かぶりにお義父さんにも会えたのでした。

***


「うちのおかんが背骨を骨折したらしいから、明日お見舞いに行ってくる」
と…

一昨日の夜、あまり語らないうちの人がぽつりと言い…。

ちょうど都合が付く日だった。

「私も連れて行って」
と…

お見舞いに行けました。

会うのは実は2〜3年ぶり。

その前に、実家のお義父さんにも会いに。

お義父さん、歓迎してくれて良かった!

なんでそんなに会ってなかったかと言うと〜

今度の正月に90才になるお義父さんが、89才になるお義母さんを面倒見ていて。

数年前からお義母さんに痴呆があり…

普段お義母さんの事で精一杯なのに、さらに私やら訪ねると、お義母さんも興奮するだろうし後々疲れるらしく…

「大変なので来てくれるな」と言われていたのです。
去年は正月も無かった。

(夫のおねえさんが両親と同居しているのだけど〜
不思議な事だけれど、私はおねえさんに一度も会ったことが無い。
結婚式で遠くから見かけただけ。
時々夫が、買い物を手伝いに行く)

お義父さんが珈琲を入れてくれて、申し訳なく思いつつ。

「S(私の息子)は走るのが好きなんか?」
と言うお義父さんの質問に、

「はい、好きと言うか…好きになったと言うか…
好きになって良かったなと。
最初は進学の手段として始めたんで」
と、素直に答えると、

どうやらうちの人は、息子が中学時代、学校に行けない子だったことは話していなかったのだろう。
学習面も生活面も困難な事が色々あって大変だった事は、何も話していなさそうな。

住んでいる県に進学先がなかった事も知らなさそうな様子で。

(不登校だと、受験すら高校側から中学校宛に断られた)
そうなんだ、知らないんだー、うちの人は何も話していないんだ、うっかりしていた〜、

と内心焦りながら、

「勉強出来ない子だったんですけど、スカウトがあれば進学できると言うんで、それに掛けてみたんです。

お陰で大学まで行けて、今は文章も良く書ける様になったし、勉強の方も大学でも何とかこなしているし、就職まで決まって良かったなと」

とそのまま話しながら…
内心焦りまくり(笑)

「そうかー、もっと勉強させれば良かったかのう」
と言うお義父さんに笑ってごまかしながら…

昔のことを懐かしく思い出したりでした。

実家にに訪ねるたび、
お義母さんには
「孫こそは!」
「東大以外は大学では無い」
などといつも説教され…

(夫のいとこは京大大学院出で永田町に勤めていて、おまけに息子と同い年の優秀な子供さんがいたりで、よく比べられていた)

だけど最初の10年くらいは、子供たちが小さい頃は毎週〜それからも毎月訪ね…

代わりに自分の実家へは近所ながら盆、正月と少しばかり…
嫁の私としては、なかなか大変だったのです。

家系にもプライドがあって、庶民の私はなかなか嫁としても受け入れてもらえないところがあったり。

そんなだったけれど〜

うちの人がこれからの息子の就職先での一人暮らしの準備の心配を話すと…
お義父さんも心配してくれたり。

(どうやら、教育費にどれくらいかかったか、ほとんど何も知らない様だった。
私が「もうすぐ卒業でホッとするところです」と答える)

「その後はお前達の生活費を頑張らんといけんよ」
と、その後も心配してくれたり。

親は何才になっても親なんだなぁと思いつつ。

90才直前になって、シワは増えたものの、背筋も真っ直ぐ立ち、頭の回転の良いしっかりしたお義父さんに感心しつつ。

私はお義父さんの事は好きで…また会えて嬉しかった。

どうしても一目お見舞いに行くという私と夫を心配しつつ、
お義父さんの方も疲れないうちにお別れ。

お義母さんの入院先に行くと…

ベッドにいなかった!

困っていると、病院の方が気づいてくれ、リハビリ室から療法士さんと一緒に戻って来たお義母さんの車椅子を発見してくれました。

(骨折は2週間前の10/30だったそう。今日はコルセットを付けたらしい)

久しぶりに会うお義母さんは小さく大人しくなっていて。

でも、気丈な様子で車椅子の上でもしゃんとした姿勢で。

「おむつを変えるからロビーで待ってていてください」
という療法士さんの言葉通り、ロビーのソファーで待ちながらぽつりと私が、

「可愛いおばあちゃんになったねぇ。
怖いお義母さんだったのに」
とうちの人に話しかけると、
「うん」
とうなづきました。

呼ばれてベッドに行くと眠っていたけれど、少しすると目覚めた様なので、
夫が話しかける様子を、何とも表現できない…感動するような気持ちで眺めながら。

私も持ってきた花を見せながら、きっと私が誰か分からないだろうと
「○○の妻のかりんです。
今日はお花持ってきましたよ」
と声をかけると、
夫に妻がいたのを、初めて喜んでくれたみたいな顔をして笑顔を見せてくれたので、ホッとし、なんだか涙が出そうでした。

「持っていく花を用意してくれんか」
と言ったのは夫でした。

夫はお義母さんを好きなんだなぁ、
おかあさんは、やっぱりおかあさんなんだなぁと思いながら。

秋晴れの日のお見舞いでした。

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