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映画「ハニーランド」…生き方を考えさせられる映画

7/25

連休中は近所以外はどこも行かず、家で引きこもりを決めていたが、何気に映画をチェックすると、前から気になっていた映画をやっている事を知った。

しかも1週間限定で昨日から始まっている。

行くなら今日だ。

ここんとこ、またコロナが増え始めたのもあり、近所の行き慣れた場所以外は、人の居る場所への出かけが少し怖がりになっている。

映画もしばらく我慢しようかと思っていたけれど、今回のは見逃したく無い。

街中では音楽イベントがいくつもあり、音楽友達が多いため、映画で無くても気になるところばかりだったが…

今日は誰にも会わず静かに過ごしたい気分だったので、映画館へ直行、直帰。

映画館はソーシャルディスタンスに配慮された席だし、前を向いているだけで誰とも話す事もない。

映画は「ハニーランド」。

ギリシャの北に位置する北マケドニアに住む、自然養蜂家の女性の暮らしを3年と400時間かけて追ったドキュメンタリー映画。

私から見れば、ほとんど何も無い、ゴツゴツした自然と蜂しかいない様な環境で、85歳の母親の世話をしながら暮らす。

そこへ、子供が7人いる大家族が引っ越してきて、仲良くなるのだけれど…

ネタバレすると、隣の家族が行った養蜂の無理のあるやり方で、自分の家の蜂が居なくなってしまった。

この先、どうやって暮らしていくのだろうと、悲観してしまう様だが、ちゃんと春は来る様な希望的な終わり方をしている。

今現在の時代のドキュメンタリーなので、映画の女性の人生は現実にはまだまだ続いていくのだけれど。

こんなに何も無く、食べるものも蜂蜜とたまに買いに行くバナナくらいで、人は元気に生きられるのだと驚く様な生活なのだけど、

主人公の女性は優しさと明るさ、歌心とお洒落を忘れない。

けして現代的な美人な顔立ちの人では無いが、人としての尊厳に満ちた表情を、時に美しいと思った。

父から継いだ伝統と自然からの恵みだけで暮らしていく世界の映像は、とても美しく、見ていて自分の中にも記憶のある五感を大いに刺激された。

今年はとにかく、自然の中に出かけたくなる。

朝から晩まで働き続けた仕事のストレス発散に、毎週の様に音楽を求めて夜の街に出かけていた去年までの生活とすっかり変わってしまった。

20代の始め、カナダのロッキー山脈の中の町で暮らした私は自然の中にどっぷりとつかっていた。

テレビも無く、携帯もインターネットもまだ世の中に無く、新聞は生活費からすると高くて買えない。

情報は観光客からのお喋りと、店で流れる音楽ばかりのラジオくらい。

夜は満天の星明かりを頼りに、動物の遠吠えを聴きながら職場から住んでる部屋までの山道を30分歩いて帰る日々。

遠くから聞こえるネイティブアメリカンの歌と太鼓の音が、家の近くまで帰ってきた合図だった。

色々な判断は、自分の中に湧き起こるカンを頼るしか無い。

その頃の生活の感覚を、このコロナの時期に取り戻そうとしている。

単に自分の中の感覚なのだけど、心身共に清らかでいれば、健康で居られるのではないかという気がしているのだ。

前は少し、毒気に触れるくらいの方が現実的で暮らしやすかったのだけれど。

とにかく、この映画は、そんな五感を感じる力を取り戻すのを助けてくれる様な、地味ではあるけれど壮大な景色の映画。

自分自身のニーズとマッチし、良い映画日和になった。











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