見出し画像

「グリーンブック」簡単映画レビュー

簡単映画レビュー

プロフィール
「グリーンブック」
2018年 アメリカ 2時間9分
監督 ピーター・ファレリー
出演 ヴィゴ・モーテンセン, マハーシャラ・アリ, リンダ・カーデリーニジャンル 外国映画
アマゾンのリンク 
リンクはこちら
著作権回避 イメージ写真
記事が並んだ時、分かりにくいので上に移しました。ちょっと車種が違うみたいですが。ターコイズブルー。ちなみにヴァレロンガが、どこかでメノウみたいなお守りの石を盗むがこれも同じ色。
映画のジャンル
人種差別のややこしさを描いたロードムービー。
最後まで見たか?
見ました。ハラハラしました。
ビックリしたか? 驚いたか?
驚くという映画ではありませんでした。
もう一度見たいか?
はい。
一緒に見て困る人はいるか?
ありません。逆にアメリカ人と一緒に見て感想を聞きたい映画。
特筆すべき男優、女優はいますか?
主演、ヴィゴ・モーテンセン、どこかで見た顔だと思ったら、「ロードオブザリング」に出ていた人じゃないですか?てっきりイタリア人かと思っていたらイタリア人ではなくデンマーク人とカナダ人のハーフ。何人(なにじん)だ、何人だ、という差別は決して、根拠のあるものではないことを主演が実証しています。
助演、マハーシャラ・アリ、この映画でアカデミー賞をとっています。
この他、トリオのメンバーのウッディアレンみたいなおじさんは、口を開くたびに、重要なことを言うので注意です。
インド人らしき、執事が最初と最後を締めます。
イタリア人の家族の団らんのシーンはいつも憧れます。この映画は実在の人物がモデルですが、その息子さんも出ている。多分一番濃い顔の長い、イタリア人です。
この何人、何人と多彩に登場するところに映画のテーマを感じます。
印象に残るシーンは?
①演奏トリオのメンバー、他の二人は別の車で出かけるのですが、「あれ、そもそも何でこの人たちはドク(上述マハーシャラ・アリが演じるピアノ奏者)と一緒に行かないのか?」と素朴な疑問が生じます。何故腕っぷしの強い、口が上手く立ち回りの出来るイタリア人を雇わなくてはいけないのか?
②黒人が南部を旅する際に、1962年当時、(どうでもいいが筆者の生まれる5年前)南部でジムクロウ法と総称される、人種差別的な州法が施工され、そんな中で黒人がアメリカ南部を旅する。グリーンブックを頼りに。しかし、そこで紹介される黒人専用のホテルは、黒人達が、不満に燻っており、北部では上流階級にあるドクは馴染めるわけもない。それで、ちょっと散歩に出たりすると、南部の白人に痛い目に合うわけです。
③なんでこんな思いまでして、ここに来たのか?
どんなに高級な演奏会場でも、トイレはと聞けば、庭の掘っ建て小屋を指さされ、食事はと言えば、ホテルのレストランから、どこか外で食べてくださいなどと言われる。バンドの控室は物置だ。黒人は夜間外出禁止のところもある。(どうも州によって違う。)
北部に居ればお金持ちで名声のあるドクが何故?
件のウッディアレンがいいます。
「才能だけでは十分じゃないんだ、勇気が人々の心を変える」
④この映画を見ていると、雇い主であるドクと、雇われたイタリア人のヴァレロンガ(よく名前を間違えられる)に、すこしづつ友情と差別に対する連帯感が生まれるのを感じる。この二人にあるのは階級の壁と、人種の壁。ケンタッキー州で、ヴァレロンガがKFCに行きバスケット買いをしたフライドチキンを車の中で食べるシーンは象徴的で、面白いシーンです。したことのある者としては身につまされたが、あれじゃ高級車の内装が油まみれだ。
⑤イタリア人は肌が白いので一応白人として認められているが、実際には差別を受けている。ここが重要な点です。なんか差別の段階がある。
その差別をしている白人は、実はドイツ人やらユダヤ人やらが混じり、ウィキペディアで調べても、白い人、コーカソイド以上の限定は出来ていない様子。アングロサクソンなんて言っているのは日本人だけらしい?
一方黒人と言っても、アフリカから来た人もいれば、ドクの執事のようにインド人も黒い。実在のドクはジャマイカ系の黒人だったようです。
差別をすることの定義がわからない。この二人の友情が育まれる過程で、思い入れが生じ、どうかこの二人の友情を裂くことが起きませんようにと願ってしまう不思議な映画だ。でも、この友情の絆を強くしていくものも差別なのです。
この疑問に答えるシーンが、雨の中でドクが車の外に飛び出し、ヴァレロンガと喧嘩するシーン。これは長いので引用しませんが、差別のある社会において「俺は何なんだ?」と常に自問自答する人生。それは、別にアメリカだけの話ではない。
監督については?
今までの作品で見たことのある作品はありませんが素晴らしい作品を撮ってくれたものです。
仏教的にはどうか?
白人と呼ばれる人、イタリア人、黒人、でも結局皆信じる神はイエスキリストです。不思議だ。神は共有しているのです。レストランには入れないのに。
仏教の十善戒に両舌という言葉があり、これは一方と一方に異なることを言い、両方を仲違いさせることを禁じています。コンフリクトマネジメント。アメリカは太平洋戦争の時もそうですが、どうもこの両舌に長けている人が根本にいるような気がしてならない。そんな時、誰が得をするかと言うと、どちらにもつかない中立者です。中立者が中立の立場を貫けば問題はないが、中立を装い、両舌を駆使していたら、それこそが悪魔と言えます。
この映画の中でエドワードケネディが出てくるが、この二人の南部への旅の1年後に彼の兄のジョンFケネディは南部で暗殺されるのです。
これ以上言う事は?(ここは、思い入れがある場合に書く。長文注意)
良い映画なので、色々と興味がわき、簡単映画レビューは長文映画レビューとなってしまいました。この映画の良いところは、この二人の友情が育まれる過程と、それを壊されないように願う思いが、最後まで持続するところです。このまま何とか家族と再会し、クリスマスを迎えてくださいと思わせるところです。末筆ながら、音楽も良かった。

点数(10点満点)
9点
合掌

この映画レビューのポリシー
①ネタバレ無
②簡単に、見るべきか見ぬべきかが分かる。(人生を有意義に過ごす)
③悪口はかかない。(不満を臭わせるのは良しとする。)
④長文は書かない。
⑤好き嫌いせず色々なジャンルや国の映画を見る。
⑥映画のサイトから写真を持ってこず、自分でCANVAでイメージを作り、その映画の印象のままに、表示する。(折角、買ったので。)

「私は仏教徒ですキャンペーン」のバナーです

画像2


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?