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【試し読み】『魔法のように人をズラす ラグビー最強のステップ』「角度」を極めよう

おかげさまでご好評を頂いております『魔法のように人をズラす ラグビー最強のステップ ニュージーランド式ステップデザイン』(奈良秀明著、定価1980円税込)
本書から
第1章ステップとはなにか? 「角度」を極めよう
から一部抜粋で公開です。

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魔法のように人をズラす ラグビー最強のステップ
ニュージーランド式ステップデザイン』
ページ数 288
判型 A5
定価 1980円(税込)
ISBN:9784862555922
出版社 カンゼン
発売日 2021年3月22日

「角度」を極めよう

■ よい角度=DF がいないスペースに行ける角度

 3つの条件の最後となるのが、「角度」です。よい間合いで相手をコミットしてステップをすれば大概抜くことができますが、そこに適した角度がついてくると、より意図的かつ安定した仕掛けができ、抜けるようになります。
 では、適した角度はどのくらいなのかという疑問が出てくることでしょう。レッスンでも「どのくらいの角度だとステップで抜けますか?」という質問を受けます。「DFがいないスペースに行くことができる角度」というのが僕の回答です。これは間合いと同じように、この角度でステップをすれ
ば必ず抜けるというものではありません。DFの位置、体勢、スペースといったシチュエーションによって変わってきます。
 例えば、間合いがかなり近いときに瞬殺コミットができていたにもかかわらず、抜くことができなかったパターンの場合、これは角度が鈍角すぎて足りなかったのだと推測できます。間合いが近ければ近いほど内側のコースはなくなるので、そのぶん角度を鋭角にする必要があるのです。逆に鋭角すぎて隣のDFに向かってしまい、ドミネイトタックルを受けるなどの例もあります。
 このように、シチュエーションに適した角度が必要なのですが、目安として大きく5つの角度のパターンがあるので紹介します。数字に関しては、あくまでおおよそであることをご理解ください。
①130度
②90度
③40度
④0度
⑤160度
 ここから①〜⑤のそれぞれの角度について説明しますが、これはあくまで目安です。ちなみに5つの角度の中で理想となるのは、①の130度です。

■ ① 130 度

 130度は斜めに仕掛けてステップした後、トライラインまでの最短ルートに向かうパターンです。DFにとっては一番嫌な角度になります。なぜなら、隣のDFにとっては味方がいた位置にボールキャリアが走るので、最長ルートとなるからです。しかし、この角度でDFに触れられずに抜くには、DFがめちゃくちゃコミットされ、ボールキャリアを追い越し、かつ相手の足元を大きく崩すアンクルブレークで倒れていた場合となり、かなり精度の高い瞬殺コミットが要求されます。ゆえに瞬殺コミットが少しでも弱いとコンタクトが生まれるので、多くの選手が②の90度を選択しています。
 しかし、フィジカルが強く、一歩でも前進したい選手にとってはコンタクトで多少失速するものの、ゲインラインを突破する意味では効果的な角度となります。
 ステップして、DFが前にいなければOK、瞬殺コミットが完全にできていなくても、DFを少しズラし、相手のウィークショルダー(※タックルしてきた逆側の肩)を狙って、縦に行くことができるからです。
 15人制ですと、展開した際にDF同士が近いときなどは効果的です。
 また、130度は縦に仕掛けてステップする縦系ステップの場合にも必要な角度となります。
 縦系ステップの場合は、この130度がステップした後にちょうど身長+腕の長さの間合いを保てる角度になります(※間合いで紹介したドリルで縦にマーカーを置きましたが、DFの横には同じように身長プラス腕の長さでマーカーを置くと、この130度のステップとなります)(図1‐19)。

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 なぜ間合いを保つことができる130度がよいのでしょうか? それはこの角度でステップをしたときは相手との距離が十分にあり、この距離があることでボールキャリアにとってステップ後の選択肢を多く持つことができるからです。
 では、その選択肢とは何でしょうか?
 それは、ラン、パス、キック、ハンドオフ、強い体勢でのコンタクト、ステップがあげられます。
 これらはDFとの距離があるから準備ができ、より精度高くプレーすることができます。もちろん距離がなくても、ラン、パスなどはできますが、プレッシャーがかかって精度が落ちたり、ハンドオフできず、そのままコンタクトする選択肢しか選ぶことができなかったりとリスクが生まれます。も
し選ぶとしたら、どちらを選びますか?(図1‐20)

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つづきは『魔法のように人をズラす ラグビー最強のステップ ニュージーランド式ステップデザイン』からご覧ください。

プロフィール

奈良秀明(なら・ひであき)
1983年3月29日東京都町田市出身。忠生高校から日本体育大学へ進学。2001年よりタッチラグビー日本代表で18年間プレー。通算5回のワールドカップに出場。 2011年タッチワールドカップではメンズクラス(男子の部)世界4位・日本チームMIPを獲得。様々な国際大会に出場しトップの成績を収めている。2019年ワールドカップでは銅メダルを獲得。日本初のステッパーとして、2015年にニュー ジーランド式ステップ指導プログラムを開発、また同年に日本初のタッチラグ ビースクール「町田ゼルビアBLUES」(JリーグFC町田ゼルビアのスポーツスクー ル)を設立して、小学生を対象に指導を開始。これまで7人制ラグビー日本代表選 手をはじめ小学生から社会人と幅広く指導を実践。約5000人に指導した実績を誇る。

本書の概要

【試し読み】出版にあたって

グースステップを極める

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