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【試し読み】常総学院 編『高校野球界の監督がここまで明かす! 投球技術の極意』(7/20発売)一部公開!

7/20発売となりました、高校野球本の新刊『高校野球界の監督がここまで明かす! 投球技術の極意』(大利実 著)より、一部抜粋して内容を公開。

今回は茨城県・常総学院 島田直也監督の項目になります。


常総学院 島田直也監督

元プロ野球選手が試行錯誤でのぞむ高校生投手育成論

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ピッチングフォームの根幹は体重移動
バッターが嫌がるのは腕を振る投手

――現役を引退したあとは、独立リーグの信濃グランセローズ、徳島インディゴソックス、横浜DeNAベイスターズの指導者などを務めて、2020年から母校・常総学院の投手コーチ、夏の代替大会終了後から監督に就任されました。そして、秋の関東大会で準優勝を果たし、監督として初のセンバツで甲子園1勝。監督になってまだ1年半ですが、「投手指導」という観点で大事にされているのはどんなことですか。

島田 フォームに関して、細かいことはほとんど言っていません。特に、テイクバックを指導することはないですね。腕の使い方ばかり考えてしまい、思ったように投げられなくなったピッチャーを見てきたことがあるので。たとえば、腕が背中の後ろにまで入りすぎているとしたら、そこを直すのではなく、肩甲骨の柔軟性を求めるようにします。入りすぎたとしても、そこから投げられれば、その子の個性であり、武器になるわけですから。だから、「テイクバックを小さくして、体の後ろに隠しなさい」と言うこともありません。指導するとしたら、上半身よりも下半身で、具体的に言えば体重移動です。どんなピッチャーであっても、体重移動が重要であることは共通しているはずです。上体が突っ込むとか、開きが早いとか、いろいろな課題が存在しますが、体重移動がしっかりとできればそうしたことも直ると考えています。

――体重移動は、どのように指導されていますか。

島田 もうシンプルですね。軸足で立ったら、背骨の真っすぐの軸を意識したまま、キャッチャー方向に移動していく。前の肩を入れすぎたり、前屈みになりすぎたりせずに、軸を保ったまま移動するのがポイントです。「開きたくない」と思って、前の肩を内側に入れて体重移動するピッチャーがいますが、これはかえって逆効果で、開きやすいフォームになってしまいます。

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――なぜ体重移動が大事なのか。どのように伝えていますか。島田 軸の移動があるだけで、バッターはタイミングが取りにくくなります。

――「間(マ)」とも言われるところでしょうか。

島田 そうですね。体重移動のときに、時間を作り出すために前足の使い方を教えています。右ピッチャーであれば、左足のつまさきを三塁側に蹴りながら移動していく。これでタイミングが合うピッチャーであれば、「試してみたらどうだ?」と。人によって合う、合わないがあるので、強制するようなことはしません。

――3年生の速球派・大川慈英投手は、このやり方ですね。

島田 この移動ができていれば、前足のヒザが突っ張っていても、別に問題ないと思っています。


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『高校野球界の監督がここまで明かす! 投球技術の極意』
著者 大利実
ページ数 280
判型 46判
定価:1,870円(税込)
ISBN:9784862556073
出版社 カンゼン
発売日 2021年7月20日


【著者プロフィール】

大利実 (おおとし みのる)
1977年生まれ、横浜市港南区出身。港南台高(現・横浜栄高)-成蹊大。スポーツライターの事務所を経て、2003年に独立。中学軟式野球や高校野球を中心に取材・執筆活動を行っている。『野球太郎』『中学野球太郎』(ナックルボールスタジアム)、『ベースボール神奈川』(侍athlete)などで執筆。著書に『中学の部活から学ぶ わが子をグングン伸ばす方法』(大空ポケット新書)、『高校野球 神奈川を戦う監督たち』『高校野球 神奈川を戦う監督たち2 神奈川の覇権を奪え! 』(日刊スポーツ出版社)、『101年目の高校野球「いまどき世代」の力を引き出す監督たち』『激戦 神奈川高校野球 新時代を戦う監督たち』(インプレス)、『高校野球継投論』(竹書房)、『高校野球界の監督がここまで明かす! 野球技術の極意』『高校野球界の監督がここまで明かす! 打撃技術の極意』(小社刊)などがある。2月1日から『育成年代に関わるすべての人へ ~中学野球の未来を創造するオンラインサロン~』を開設し、動画配信やZOOM交流会などを企画している。


【目次】

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