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実際は誰でも使える!?

日本人でもあまり知られていないけれど、簪は誰でも使うことが出来る髪飾り。


簪の選び方によって、実際は性別も年齢も服装も髪色も、更には人種も問わずに使える。


どうしても簪は和装女性のヘアアクセ、と思われがちだが、現代で作られた簪の中には、華やかな装飾がない超シンプルな作品をはじめ、煙管(きせる)の形をしたもの、刀剣など武器を模した作品もある。


これらの簪だと特に、挿す人の性別は問わない。


たとえ男性であっても、簪を髪に飾って不自然でもないし、むしろ粋で格好良いヘアアレンジが出来る。


また江戸時代の頃は、若い未婚女性が挿す簪、武家の妻女が挿す簪など、年齢や身分によって使えるものが区分けされていたが、現代ではかつての決まりはなくなっているため、お洒落をするためであれば、年齢を問わずに好きな簪を髪に挿して良い。


ただしあくまでもお洒落したい時が条件。


TPOはきっちりとわきまえたうえで、髪に挿す簪を選ぶべき。


プライベートシーンであれば、高齢女性が短冊型の装飾が揺れる『ビラビラ簪』を挿しても良く、反対に若い人が渋さのある『平打ち簪』を使っても問題はない。


服装に関しても、モダンな簪は無論、昔ながらのデザインをしている『玉簪』や『平打ち簪』を洋装時に挿してもNGではないもの。


簪は和装時にしか挿せない、というのは単なる定着したイメージであり、近年ではむしろ洋装の方が合いそうな姿形をした簪もたくさんある。


例えばビジューやラインストーンが装飾に使われていたり、ハートや星、クローバー、薔薇、十字架などのチャームが取り付けられている簪などは、洋装時に挿しても全くおかしくないし、すごく似合う場合も多い。


他にもトンボ玉のシンプルな簪も、服装を問わず使えるもの。


私は夏場以外にお洒落してお出掛けする時、着物を着るけれどそれ以外では常に洋装。


でも私は常にトンボ玉などの簪で髪をアップにして過ごしている。


流石に洋装時に、つまみ細工の『花かんざし』を挿すのはそぐわないけれど、『玉簪』や金属製の『平打ち簪』であれば案外、洋装でも自然に髪を飾ることが出来たりもする。


簪を本当は使いたいけれど、着物を着ないから無理かな、と諦める必要はこれっぽっちもないのだ。


それに簪は特に現代に、ハンドメイド界隈で作られたモダンなタイプの作品だと、挿す髪色も問わない。


黒髪でなくても、グレイヘアでも染髪でも、髪色や自分自身に合っているのであれば、簪は気後れせずに使って良いもの。


『wargo』という簪ショップでは、普通に金髪など派手めな髪色に染めたスタッフが勤務しているけれど、上手く映える色の簪を挿しているため、すごくお洒落で垢抜けている。


ぜひ染髪も簪も両方楽しみたいのであれば、心置きなくヘアアレンジしたり簪コーデを組んでみてほしい。


そして簪文化って江戸時代に急速に発展していったものではあるけれど、奈良時代あたりに日本で使われていた簪の一種は、中国や韓国の影響を受けて使われていた。


中国では漢服を着ていた時代には、高貴な身分の女性は色とりどりで装飾も見事な簪の一種を髪に飾っていた歴史がある。


このことから簪は外国人が使っていたとしても不思議ではない。


アジア圏だけではなく、欧米など他の国に住む人々も、簪を使ったお洒落を楽しんで良いと、私は常日頃から考えている。


様々な意味合いで、簪はボーダーレスであり、先進したヘアアクセ兼工芸品といえるだろう。


簪が好きならば、ぜひともその気持ちを尊重して優先し、どうか簪を心置きなく使ってほしい。


何歳であれどこの国の出身であれ、また黒い髪ではなかったとしても、性別問わず簪の魅力に惹かれているなら、平等に簪を楽しむ権限があるため、安心してお洒落を楽しもう!


ただし、やっぱりTPOはわきまえるのがベストなので、個人的なお洒落の範囲内で簪を使うのが最適。


場に応じた簪の使い方をすれば何ら問題はないため、これからも簪を好きでいてほしいと強く願う。

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