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読書記録『アフリカで、バッグの会社はじめました 寄り道多め仲本千津の進んできた道』

なんだか明るい色味の本があるな? とパッと手に取ってみたら、描かれている人物も明るく、前向きで、あきらめずにがんばるってこういうことなんだなぁと思わされる内容でした。

ということで、今回の本がこちら。

アフリカで、バッグの会社はじめました 寄り道多め仲本千津の進んできた道
(2023.6/江口絵里著/さ・え・ら書房)

目の覚めるような原色に、花や動物、サークル模様がデザインされていて、持つだけで心が華やいでくる――人気のバッグ・ブランド「リッチーエブリデイ」を立ち上げた仲本千津さんは、いま注目の「社会起業家」です。

バッグづくりを通して、アフリカの貧困問題を解決し、女性を勇気づけ、輝かせたい――迷い、遠回りしながら、自分の信じる道を歩んできた仲本千津さんの姿を描く “進路決定”ドキュメンタリー。

(honto商品説明より引用)

社会起業家・仲本千津さんの、社会起業家として活躍する今に至るまでの人生をまとめたドキュメンタリー本です。ちなみに「社会起業家」というのは、本の中では以下の通り説明されています。

貧困や格差、差別や戦争、環境破壊や温暖化、心の病や家族のこと――社会にはさまざまな問題があり、苦しんでいる人がいます。もしかしたら、あなた自身もその問題に苦しめられているかもしれません。社会のあり方が原因で生まれる問題を、アイデアとビジネスで解決しようとするのが「社会起業家」です。

P.7 はじめに より引用

私も初めて知る職業でしたが、正直、資本主義が跋扈する現代では、篤志家になるより現実味と継続性があるなと感じました。善意だけで社会が回るならお金は必要ありませんが、そんなことはありえません。そしてお金を回すのはビジネスです。

社会の抱えている問題を解決するビジネスを「ソーシャルビジネス」と言い、そうしたビジネスを立ち上げた人を「社会起業家」と呼びます。

P.27 第2章「私、国連で働く!」より引用

読書記録を書き始めてから知りましたが、今回の本は子ども向けに書かれた本です。将来を夢見る子どもに、社会起業家という選択肢を増やすきっかけになりますね。

またそれ以上に、将来について不安を抱えている子にもおすすめかなと思います。最近は「タイパ」なんて言葉が定着するぐらい、時短や効率的な行動を賛美する傾向のある世の中。まっすぐ最短で目的を達することが良いと思われがちです。ですが、この本で書かれた仲本千津さんの人生は寄り道だらけ、迷いだらけ、そして叶わなかった夢も多々。「人の命を救う仕事をしたい」という気持ちだけを曲げずに、あっちこっち行った結果、アフリカでシングルマザーなど、女性を支援するバッグ作りの会社を立ち上げるに至りました。

迷ってもいいし、寄り道していいし、時には諦めて方針転換していい。でも頑張る気持ちは忘れずに。人生は全部繋がっていることを教えてくれる、希望あふれる本です

ちなみに今回の本を読んで初めて仲本千津さんのブランドのサイトにもお邪魔しましたが、素敵なアイテムがたくさん並んでいました。

女性支援のブランドと聞くと「素人の作った半端なものを買わされる」と思うかもしれませんが、リッチーエブリデイは百貨店で品切れを起こすほどのクオリティがあるブランドです。

千津さんは「人助けだと思って、いま大変な思いをしているウガンダのシングルマザーが作ったバッグを買ってください」といった、売る側の思いを中心にしたビジネスにはしないと決めていました。チャリティーのような気持ちで買ってもらっても、お客さんにとってはその一回きりのことになってしまうからです。(中略)ずっと続けていける“サスティナブル”なビジネスにするには、お客さんがみずから、「これが好きだから買う」「友人にすすめたい」「誰かにプレゼントしたい」「また買いたい」と感じられる商品を作らなくては、と千津さんは考えています。

P.83-84 第5章 おかあちゃん百貨店飛び込み営業事件 より引用

私もいつか誰かにプレゼントできたらいいなと思うブランドでした。本と併せて、サイトへも是非行ってみてくださいね。

それでは今日はこの辺で。
また次の記事でお会いしましょう。

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