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読書記録『繕う暮らし』

靴下って皆さんどこで買われてます? 私は靴下屋で三足千円の靴下を買うことが多いです。ワンポイントデザインがシンプルかつ可愛くてお気に入り。ですがいつも決まって足首後ろ側の布地が薄くなっていくのが悩みで、いっそもっと安いものに変えて使い捨てていくかと考えていたとき、こちらの本に出会いました。

繕う暮らし
(2017.6/ミスミノリコ著/主婦と生活社)

大切に着ていたのに、できてしまった虫食いの穴やシミ、ほつれ。
お気に入りの服なら、簡単には捨てられないものです。
ダーニングはそんな衣類を素敵に修繕するヨーロッパの伝統的なテクニックです。
お気に入りに手を加えて、さらに私らしさが加わるー
新品のときよりも、不思議と愛おしく思えるはずです。

(honto商品説明より引用)

ダーニングという伝統的な衣類修繕テクニックを中心に、いわゆるお繕いの方法についてまとめた本です。一概に衣類といっても、着る人が一人一人違うように、着られた服も、修繕部分も一着一着異なるもの。各ページではどんな服をどのように修繕したかを一つ一つ丁寧に紹介しています。「猫のいたずらを繕う」なんてユーモアなページも。

個人的に特に好きだったのは、『縫いものと暮らし』というコラムページのこちらの一文。

 シミや穴が意図せずできてしまうのも、前よりもっと好きになるチャンスかもしれません。金継ぎした急須のように、繕うことで偶然の出会いを楽しめばいいと思うのです。

P.18 縫いものと暮らし より引用

最近では『マツコの知らない世界』でも取り上げられた金継ぎ。日本が誇る伝統的な器の修繕技術です。ダーニングも、ヨーロッパのものですが伝統的な技法。昔から、一度使えなくなったものをどうにか使えるようにと苦心して、そして新たな魅力を持つようにまで昇華させた先人たちがいたのだなと、感謝の念に堪えません。

時間に追われ続ける現代社会で実際に繕う時間があるかはさておき。「お気に入りのものをもう一度使えるようにできる」というのは、捨てるしか選択肢がない時よりずっと精神的に楽になるのではないでしょうか。その選択肢を増やす手段として、一読してみてはいかがでしょう。

それでは今日はこの辺で。
また次の記事でお会いしましょう。

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