感染症学 抗酸菌感染症
抗酸性とは、酸性アルコールにより脱色されない性質のこと
細胞染色の様子が通常とは異なる
分類
結核菌群:M.tuberculosisなど
M.laprae(らい菌、ハンセン病原因菌)
非結核性抗酸菌群:遅発育菌(Ⅰ~Ⅲ群)→Ⅲ群にはMAC含まれる
迅速発育菌(Ⅳ群)→M.abscessusなど
結核
2類感染症
飛沫核感染で肺に入り込んだ菌が増殖→N95マスク必要
肺門リンパ節などで滲出性病変を引き起こす
病態
一次結核:感染に引き続いて発症
径気道性→肺結核
径リンパ管性→リンパ節結核
リンパ~血行性→粟粒結核
などにわかれる
二次結核:休眠していた結核菌の再燃
滲出性病変:白血球やマクロファージの滲出
繁殖性病変:マクロファージやラングハンス巨細胞などの肉芽腫病変→乾酪壊死性類上皮細胞肉芽腫
増殖性病変:類上皮細胞肉芽腫から膠原繊維などの増殖
硬化性病変:時々石灰沈着を伴う
潜在性結核感染症:結核感染で潜在的な疾患を有する状態
粟粒結核:全身に血行性に播種
症状
全身症状:発熱、倦怠感、盗汗、体重減少など
呼吸器症状:咳嗽、喀痰、胸痛、呼吸困難など
検査
チールニールセン染色、蛍光染色による菌体確認
核酸増幅法
ツベルクリン反応:BCG接種歴あると陽性になってしまう
インターフェロンγ遊離試験
薬剤感受性試験
胸部X線:二次結核では肺後上部(S1,2,6)に多い
CT:木の芽状サインが典型的
治療
化学療法メイン:リファンピシン、イソニアジド、ピラジナミドが第一選択
次点でストレプトマイシン、エタンブトール
DOTS(直接服薬確認療法)が重要
非結核性抗酸菌(NTM)
結核菌、らい菌以外の抗酸菌総称
MAC(M.aviumとM.intracellulareの総称)が日本では最多
中高年女性に多い
症状
結核と同じ
検査
チールニールセン、蛍光染色
培養検査
PCR
血清学的検査
画像検査:結節・気管支拡張型
繊維空洞型などがみられる
治療
リファンピシン、エタンブトール、クラリスロマイシンの多剤併用
必要に応じてストレプトマイシン、カナマイシン
副作用:胃腸障害、口内炎、味覚障害など
その他
M.Kansasii:喫煙男性に好発
上肺野に空洞を呈する
多剤併用療法1年でほぼ治療可能
M.Abscessus:Kansasiiに次いで多い
マクロライド系が効きにくい
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