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高齢医学 消化器疾患

口腔に起きる変化

粘膜上皮菲薄化→逆流性食道炎悪化
唾液量減少→口腔内乾燥、味覚低下
唾液分泌障害→嚥下障害

胃食道逆流症(GERD)

胃内容物逆流による胸やけ、呑酸など

びらん性(逆流性食道炎):食道内への酸逆流
非びらん性

に分かれる

検査

上部消化管内視鏡
24時間pHモニタリング

治療

生活改善:胃酸でやすい食べ物を避ける、姿勢改善、食事時間の改善など

薬物:PPI・・・酸分泌抑制
   モサプリド・・・消化管運動機能改善
   水酸化アルミニウムゲル・・・制酸薬

PPIの副作用

ビタミンB12吸収障害
骨折
腸管障害・・・クロストリジウム起因腸炎
認知症
肺炎

バレット食道

食道下端扁平上皮が円柱上皮へと置換
前がん病変である

リスク因子:GERD,加齢、男性、喫煙、肥満

胃に起きる変化

H.pylori感染により胃粘膜萎縮→胃酸分泌低下

また、pylori感染とNSAIDs服用により胃潰瘍生じやすい

胃がん

高齢者の早期胃がんは内視鏡下手術適応

便秘

高齢者では腸管機能低下に加え、運動量低下や水分摂取量低下などの要因も加わり便秘になりやすい(薬剤の副作用などもある)

治療

食事改善:食物繊維を増やす
薬物:緩下剤:酸化マグネシウム・・・高Mg血症に注意
   膨張下剤
   刺激性下剤
   上皮機能変容薬:ルビプロストン、リナクロチド
   胆汁酸トランスポーター阻害薬:エロビキシバット・・・食前投与
   末梢性オピオイド拮抗薬

基本は緩下剤をベースに適宜他の薬剤を併用する

大腸疾患

大腸癌:高齢者では右側結腸に多く、進行癌で見つかることが多い

虚血性腸炎:腸管の血流低下、内圧上昇による血流障害→虚血性変化

糖尿病、高脂血症などの基礎疾患から続発する

左結腸に好発

症状:突然の左下腹部痛、下痢、下血

治療:補液、抗生剤などによる保存治療

大腸憩室・憩室炎:腸管内圧上昇で腸壁が外側に突出(仮性憩室である)

症状:基本無症状
   憩室炎になると腹痛、発熱、出血
   高齢者はここから膿瘍合併することがある

治療:憩室炎→保存治療
   膿瘍→膿瘍ドレナージ

肝臓の変化

重量、容積、細胞減少
血流減少、機能低下→薬物代謝能低下→薬剤性障害起きやすくなる

肝疾患

C型肝炎

高齢者ではがん化しやすい
DAAによる抗HCV治療が高齢者にも著効

非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)

飲酒歴ないのにアルコール性肝疾患様の症状を示す

高齢者ではサルコペニア、フレイルなどに合併しやすい
また線維化の進行例も多く肝細胞がんとの合併に警戒を要する

分類:単純性脂肪肝・・・予後良好
   非アルコール性脂肪肝炎・・・予後不良

治療:食事・運動療法→理学療法
筋肉量と運動機能の維持を目的とする

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