救急医学　脳死

脳死

脳がその機能を不可逆的に喪失した状態
特に大脳、小脳、脳幹を含む全脳が機能停止した状態を全脳死とする

医学的脳死

脳が不可逆的に機能喪失し、人工的に呼吸や循環が維持されていても数日から数週間で心停止に至ることが明らかな状態

前提条件
①器質的脳障害により深昏睡及び無呼吸
②脳死になりうる原疾患が確実に診断されている
③②の原疾患に対し可能なすべての治療手段を行っても回復の可能性が全くないと判断される

除外条件
①生後12週未満
②急性薬物中毒
③直腸温32度未満
④代謝・内分泌障害

上記条件を踏まえた上で
①深昏睡
②瞳孔が固定し両方とも4mm以上
③脳幹反射消失
④平坦脳波

法的脳死判定

前提条件は医学的脳死と同様

除外条件
①急性薬物中毒、代謝・内分泌中毒
②意思表示が困難な障害を有する
③虐待が疑われる18歳未満
④年齢不相応の収縮期血圧
⑤低体温

判定項目
①深昏睡の確認
②瞳孔拡大
③脳幹反射消失：対光反射、角膜反射、毛様脊髄反射、眼球頭反射、前庭反射、咽頭反射、咳反射
④脳波活動消失：平坦脳波
⑤自発呼吸消失：PaCO2を評価

１回目の判定から6歳以上では24時間以上経過した時点で2回目の判定を行う