感染症学 呼吸器
病態:原因微生物が(誤嚥、吸入などで)下気道に侵入、肺実質まで到達して肺炎となる
肺炎の所見・検査:バイタルサイン、基礎疾患、ADL(日常生活動作)、脱水・腎障害の有無、インフルエンザウイルス感染
肺炎と上気道感染の鑑別
気道検体の検査
喀痰グラム染色:迅速
喀痰培養検査:感受性わかる
鼻咽頭ぬぐい液:迅速
気道以外の検査
血液培養:陽性ならなんらかの異常
尿中抗原:迅速
肺炎診断
臨床症状+画像所見から診断
しかし、特異的所見はあまりない
胸部レントゲン:バイタルサイン→37.8度以上
脈拍100回以上
呼吸数20回以上
または呼吸音低下、クラックル、喘息がない
のいずれかに該当する場合検査する
血液検査:補助診断
原因微生物:肺炎球菌が最多
肺炎クラミジア、マイコプラズマ、レジオネラ・ニューモフィラといった、βーラクタム耐性菌も多い
肺炎球菌はグラム陽性菌である
A-DROP:肺炎の重症度判定
肺炎治療
抗菌薬投与の原則
①適切なタイミングで投与
②抗菌スペクトラムを広くとる
③原因微生物が確定したら有効なものに変更
βラクタム薬が有効な場合が多い
治療効果は
①バイタルサイン
②胸部単純写真
③自覚症状
で推し量る
抗菌治療
肺化膿症:感染により肺実質が壊死
黄色ブドウ球菌などによる
肺結核
結核菌の感染症
空気感染
症状:咳、痰、微熱、体重減少
診断:菌体の証明
治療:リファンピシン、イソニアジド、エタンブトールなどによる多剤併用療法
非結核性抗酸菌症
主にMACによる
症状:咳、痰、微熱、体重減少
急性上気道炎
急性発症の呼吸器感染症
いわゆる風邪症候群に合併しやすい
ライノウイルスによるものが最多
症状:はなづまり、鼻水、くしゃみ、咳など
肺炎、百日咳、アレルギー性鼻炎などと鑑別が必要
Centerスコア:発熱、咳なし、前頚部リンパ節腫脹・圧痛、扁桃腫大
の4つのうちあてはまるものが多いほどA群レンサ球菌の可能性が高い
インフルエンザ
症状:頭痛、発熱、悪寒、倦怠感、筋肉痛・関節痛、結膜充血
診断:鼻咽頭腔ぬぐい液・・・特異度98%
しかし早期陰性は偽陰性になりやすいので、陽性でインフルエンザと診断する方が信頼性は高い
治療:抗インフルエンザ薬・・・ノイラミニダーゼ阻害剤、キャップ依存性エンドヌクレアーゼ阻害薬
商品名 内服薬 タミフル、ゾフルーザ
吸入 リレンザ、イナビル
点滴 ラピアクタ
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