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法医学 概論

法医学とは

医学的解明を必要とする法律的案件・事項について、化学的で公平な医学的判断を下すことで個人の基本的人権の擁護、社会の安全、福祉の維持に寄与することを目的とする医学

用語

個体の死

実臨床においては、

①心拍停止

②呼吸停止

③瞳孔散大と対光反射消失

の3つが不可逆的と判断されると死を宣告される

死の徴候

①仮死状態

生命活動の著しく弱った状態

心拍動、呼吸、脳中枢機能が低下

②死の不確徴

個体死の直後にみられる現象

呼吸停止、循環停止、筋弛緩、反射消失、皮膚蒼白化など

これらが永続的と判断されると個体の死が確認される

超生反応

個体の生物的死亡後、細胞の一部が生き続けて刺激に反応する現象

筋肉の電気刺激、消化管蠕動運動など

死体現象

死の確認、死後経過時間推定、生前の病態・死因の推定などに活用される

①早期死体現象

体温低下:熱産生が停止する

直腸温度37.2度を基準として死亡推定時刻を算出

年齢、体格、環境、病態で変化する

死斑:血液が重力方向に集まり、皮膚を透過して見える

当然、姿勢により位置が変わる

死後30分で発現し始める

死後4~5時間に体位を変えると低い部位に移動(完全転移)

死後8~10時間に体位を変えると元の部位と低い部位両方に現れる(両側性紫斑)

死後12~14時間に体位を変えても死斑は移動しない(死斑の固定)

色調はヘモグロビンの色調を反映する

鮮紅色→CO中毒、凍死

暗緑褐色→硫化水素、硫黄中毒

死後硬直:時間経過による筋肉の硬化 さらに時間がたつと弛緩する

関節可動時の抵抗により評価する

顎関節から始まり死後12~15時間ほどで最高に達する

そこから死後30時間ほどで弛緩し始める

筋肉質な人の方が早く強く発現する

その他:角膜混濁

②晩期死体現象

③異常死体現象

④動物などによる損壊

②~④に関しては別記事で詳しく書く予定


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