眼科　全身疾患

糖尿病からの合併（増殖網膜症、糖尿病網膜症）

主な症状：ドライアイ、角膜障害、虹彩炎、水晶体異常、網膜症

網膜症・・・網膜血管透過性亢進

　　　　　　血管閉塞

　　　　　　血管新生

糖尿病網膜症リスク因子・・・高血糖、高血圧、喫煙、妊娠など

Davis分類

糖尿病網膜症は不可逆的な進行を示し、

単純網膜症→増殖前網膜症→増殖網膜症　と進行する

病態も

網膜の浮腫→網膜の虚血→網膜・硝子体血管新生　と進行する

VEGF（血管内皮増殖因子）

低酸素状態に産生され、血管内皮細胞を増殖させる

しかし、これで作られる血管構造はぜい弱なのでかえって硝子体出血などを引き起こしやすくなり、症状を進行させる

糖尿病黄斑浮腫

VEGFなどにより生じ、視力低下、変視症などを引き起こす

どの病期でも起きうるが進行するほど頻度は高くなる

抗VEGF薬で治療

治療

光凝固療法：レーザーで網膜の一部を凝固させ、血管新生を防ぐ

硝子体手術：増殖した部分の切除

甲状腺機能亢進症からの合併（甲状腺眼症）

主な症状：眼球突出、眼瞼後退、眼裂開大、瞬目不全など

高血圧からの合併

高血圧は妊娠高血圧、Terson症候群、高安病などで引き起こされる

主な症状：眼底変化→狭細化、口径不同、出血、乳頭浮腫

　　　　　線状出血、白斑

動脈硬化性眼底変化：血柱反射亢進→銅線動脈

　　　　　　　　　　動静脈交叉現象

関連疾患

①網膜中心動脈閉塞症：高齢で好発

②網膜中心静脈閉塞症：起床時発症多い

③網膜静脈枝閉塞症：動脈硬化により静脈が圧迫、血栓生じる

膠原病からの合併

SLE,シェーグレン、リウマチ、サルコイドーシスなどから生じる

シェーグレン：中年女性好発　ドライアイと口腔乾燥

高安病：２０代女性好発　網膜・脈絡膜循環不全

血液疾患からの合併

多発性骨髄腫、白血病、貧血などから生じる

白血病ではRoth斑がみられる

先天代謝異常からの合併

ムコ多糖代謝異常→角膜混濁など生じる

アミノ酸代謝異常：白子症、ホモシスチン尿症

脂質代謝異常：ファブリー病→渦巻き角膜混濁

　　　　　　　Tay-Sacks病→Cherry-red spots 、視神経委縮

ウィルソン病→ひまわり状白内障、カイザーフライシャー輪

皮膚疾患からの合併

ベーチェット病、SJS、アトピー性皮膚炎などから生じる

アトピー性皮膚炎の眼症状
眼瞼皮膚炎
結膜炎
円錐角膜
白内障
網膜剥離
春季カタル

他に

結節性硬化症：白色の網膜腫瘍

Sturge-Weber症候群：ポートワイン血管腫

太田母斑：V1,2領域に青色母斑

von Recklinghausen症：視神経膠腫、緑内障

vonHippel-lindau病：網膜血管腫

筋、骨、結合組織疾患からの合併

重症筋無力症：複視

筋ジストロフィー

骨形成不全症

マルファン症候群：網膜剥離、水晶体偏位

弾力繊維性仮性黄色腫：網膜色素線条

腫瘍性疾患からの合併

脈絡膜腫瘍：肺癌、乳癌が多い

脳腫瘍：頭蓋内圧亢進により乳頭浮腫

癌関連網膜症

テルソン症候群：くも膜下出血に続発する眼内出血

神経疾患からの合併

多発性硬化症：外眼筋麻痺

フィッシャー症候群：小脳性運動失調＋外眼筋麻痺

アディ症候群：対光反射ー近見反射解離

ホルネル症候群：眼瞼下垂、片眼性縮瞳

感染症からの合併

ヘルペスウイルス

先天性風疹症候群

先天性梅毒

ハンセン病

結核

寄生虫

内因性真菌性眼内炎

内因性細菌性眼内炎

その他

染色体異常・・・ダウン症→斜視、白内障、屈折異常、円錐角膜
　　　　　　　　１３トリソミー、１８トリソミー

薬物中毒・・・ステロイド、ジギタリス、サリン、シンナーなど

ビタミンA欠乏・・・いわゆる夜盲症

ビタミンB1欠乏・・・ウェルニッケ脳症など誘因

未熟児網膜症