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当たり前に有るものは、そもそもは無かったもの。


組織というものは色々な事が複雑に絡み合うからこそ面白い。

小さな一つの点が増えるにつれて、線になり、面になり、立体的(組織)になっていく。

組織になると様々な問題や対応が生まれ出し、それを円滑に運営していく為に、様々な決め事や制度、システムなどが構築されていき、新しい価値観も生まれてくる。

小さな組織体のうちは、さほど大きな問題も起こらず、簡単に解決出来る様な事ばかりなのだが、大きな組織になってくると、『そんな事』ばかりとはいかなくなる。

そんな状況を嫌がってか?組織が大きくなる事を拒む者も少なくない。

まぁ、組織そもそもの目的は、『組織を大きくする事では無い』のは勿論なのだが、単純に『良い組織』になればなるほど、必然的に組織は止まる事なく大きくならざるを得ない。

『良い組織』では、人材はどんどん成長していくし、組織に新しく参加したいという若者も必然的に増えるから組織が大きくなる事は必然的なのだ。

そしてそうなると、残念ながら問題は更に増え、内容も重くなるのだが、それを解決していく中で、組織もまた更に成長して強くなっていくのである。

まるで雪だるまの様に転がりながら、大きくなっていくのだ。

しかしながら、ただただ単純に肥大化してしまった組織などは、これまた厄介なもので、結果的に収集がつかなくなり、『空中分解』する事もある。

パウダースノーのふわふわの雪だるまではダメで、少しは湿りっけののある雪で、泥臭くカチコチにしておかないと長持ちしないのだ。

で、あるから、組織としては、『ただただ肥大化する。』という状況をどうにかこうにか防がなければならないのである。


新しく加わってくれる賢い人材の殆どは、事前に『その組織がどれ程のパワーを持っているか?』という『値踏み』をして組織に参加依頼をかけてくる。

この『組織のパワー』とは、いわゆる初任給や福利厚生、休暇や勤務時間だったり、自分が成長できるキャリアパスシステムがあるか?、尊敬できる先輩が居るか?自分の好きな世界観が一緒か?などであったりする。

自分が属したいと思う組織に、どれほどのパワーがあるのか?を先ずは査定し、整っていればいるほど『強い(条件が良い)』と判断し、入社希望(参加希望)を提出してくるわけだ。

この、強い組織、条件の良い組織というところに魅力を感じてもらえる事は、組織側としてはとても嬉しい事なのであるが、しかし、ある意味では、そういう人材が持つ価値観や考え方のせいで、『組織にとって怖い人材(存在)』となる事があるのが、実は強い組織の悩みの種でもあるのだ。

大阪LIMスタッフたち(2021年12月)
カンタロウお別れ会にて。



話は少し逸れるかもしれないが、、、。

私は、『0から1を生み出すこと』が大好きだ。

今までに無いもの、今までに無いことをする。

これが快感でやめられない、一種の『病気』と言っても良いぐらいだ。

欲しいものがそこに無ければ、そこに新しく作り出す。

既に決まっている事があったとしても、気に食わない事は壊して再構築する。

LIMという組織の中だけに限らず、美容業界の中での制度も、システムも、企画やチャレンジも、全てそうしてきたつもりだ。

「こういう決まりがあるので、そんな事は出来ません。」
と言われれば、決まっていた事を壊すまで。

「そんなものはウチにないので、そんなことできません。」
と言われれば新しく作るだけ。

それが私のやり方だった。

そんな強引なやり方を受け入れてくれたのが、LIMという組織であったし、それを認めてくれたのも一部の美容業界の方々でもあったと思う。

ロレアル INOA GANG
今をときめくカリスマ美容師



私が思う『LIM』という組織は、私にとっては最高の環境であり、素晴らしい所だった。

どんな事でもチャレンジさせてくれる事。
時代に合わせて変化を柔軟に受け入れてくれる事。

これがLIMという組織が持つ、1番の良い所だ。

決して、色んな事が用意されていて、全てが揃っていて、完璧な組織だったからでは無い。(勿論、今でもそうでは無いと思うけど。笑)

私がやりたいと思った事、変えたいと思った事を、受け入れてくれる環境があったからこそ、私はLIMに残り続けたのだ。

勿論、大前提として、色んな事をやらせてもらえる様になるまでには、信用と信頼と実績を出す必要があるが、それは社会人としては当然の事だと、私自身も納得出来る範疇だったので、先ずはそれらを得るための努力から行ってきたつもりだ。


給料制度、保険制度、福利厚生、働き方、ネイル、アイラッシュなどの事業展開、東京LIM、海外LIM、大きなイベント、業界誌からのオファー、セミナー講師の依頼、憧れの先輩たち。

などなど、全てを私がやったわけでは無いが、先輩方や後輩などから脈々と組織の中で受け継がれながら、構築されてきて、この様な状況が『今現在ここにあるだけ。』なのだ。

つまり、今、当たり前に有るものの殆どは、そもそも無かったものばかりで、誰かが言い出したから、又は、誰かが作ったから、今LIMにあるわけだ。


20年以上一緒にLIMを支えてきた3人
原くん/徳田くん



さて、もう一度話を戻す。

既に用意されている状況に価値を感じで新しく参加してくる者は、それらの『今あるもの(用意されているもの)』だけに価値を感じて、新たに作ることや壊すことを忘れてしまう事がある。

「欲しいものがここにあるから、ここにいる。」

という満足感だけで、動かない。

逆に言えば、

「欲しいものがここには無かったから、別のどこかに探しに行こう。」


という不満が出た時に、他を探すだけとなるわけだ。

自分で作る、壊す、変える、という事においては消極的なのである。

私の言う『怖い存在』の思考回路はこう言うタイプの人材だ。

こう言う価値観の人材は組織を新しいステージへと導いてくれない。

0を1にする考えがそもそも無いからだ。


そこに『あるか?』『ないか?』の2択しかなく、『壊す。』『作る。』『変える。』という発想は無い。

これが組織の単純な肥大化の原因となる。

組織がその様な人材だらけになってしまうと、最初に述べた様に、最後は『空中分解』するわけだ。

(もちろん、人それぞれに得意、不得意はあるだろうから、全員がチャレンジャーである必要は無い。サポートするでも良いし、変化について来るだけでも良いのだが、、、。)

いずれにしても、慎重である事は重要であるが、変化やチャレンジを恐れて、現状に満足し続ける事は『衰退』を意味する事になる。

憧れの組織に属した時点で、他者から見れは、自分も既に『その憧れだった人間』という当事者になっているわけだから、その自覚を持たなければいけない。

誰が次の新しいLIMを作るんだ?
誰がLIMの中で新しいチャレンジをするんだ?
誰が今のLIMを変えていくんだ?

もちろん、今の私たちでしょ!!

って感じだったら嬉しいな。

(⚠︎私は既にLIMを離れているので、LIMの内部の現状は知りません。ただただ、卒業生としての願望です。)

東京の楽しい仲間たち
ノブ、磯田くん、わたろー、宮地くん


信頼、信用、実績を勝ち得ても、自分が定案する変化や新しいチャレンジを受け入れてもらえない組織なのであれば、抜ければ良い。むしろ、抜けたほうが良い。

その頃にはきっと自分にも提案できるだけの『自信』があるはずだ。

それこそ、リスクを背負って『刺し違える』ぐらいの覚悟を持って、組織にぶつければ良いわけだ。

提案する際のアドバイスとしては、『組織』『従業員』『社会(お客様)』にとって、『三方よし』である事が絶対条件だ。

やりたい事が自分本位の物にならない様に、組織の未来、従業員の未来、社会の未来の為にもなるイメージで考えてみてください!


最後に。

そもそもから言うと、先ずは創業者がいなければ、その組織の存在すら無いという事は、絶対に忘れては行けない。『歴史を学ぶ事。』それが最も重要です。

淡路島ツーリングにて玉葱チェアで。
2023/01/18


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