kintoneにモノ申したい、クラウドデータベース③~貿易商社の現役社内SEガ綴る中小企業がDXで失敗しないための記事~

元中小の貿易商社でDXを推進していたオートメーションエンジニア・つのはたです。

シリーズものなので、タイトルは変えたくない、という都合上現役SEとしてます。ちなみに今はSEというよりディベロパーに近い感じになっています。

以前の記事に引き続き、kintoneをディスりつつRagicの紹介をしていきたいと思います。


エクセルのLookupまだまだ使いたいよね

なんだかんだすべてがすぐに自動化される訳にはいかず、エクセルのLookupをしなくちゃいけない場面とかありますよね。

Ragicなら大丈夫です。kintoneでローカル環境にデータを持ってくるには、いちいち決まった絞り込みをしつつxlsxファイルなりcsvファイルなりダウンロードしないといけないですが、Ragicは事前にデータを吐き出すためのリンクが用意されていて、Excel 2016以降の標準機能であるPower Queryを使えば1分と経たずにクラウド上のRagicのデータを同期した形でエクセルに持ってこれます。Googleスプレッドシートでは、=IMPORTDATA()関数を使うだけで一発です。

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しかもこの状態は読み込み専用なので、いくらデータを触っても本体には何の影響もありません。更新ボタンを押せば、最新データがまたエクセルに読み込まれるだけ。

もちろん、VBA開発などを加えれば全体・一部などお好みの設定で更新を掛けられるようにすることも可能です。
参照が必要なだけのユーザーには、この方法で共有すればその分の新しいアカウントはRagicに必要なくなります。
決まったところしか更新しない、というユーザーにも開発を加えてあげれば同じくRagicアカウントの追加購入は必要なくなります。

ドキュメント管理のデータベースとして―Dropboxと標準連携し、Dropbox以上の権限管理を提供

Ragicはファイル管理システムを搭載しています。

こんな感じで、各ドキュメントの権限やサイズ、履歴管理などがデータベース上で管理できます。

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ドキュメント管理データベースも、一つのシートになるので、他のシートから参照をかけることも可能。

例えば学校など、中央集権的にかつ大量の文章管理をしたい組織にはもってこいかと思います。

さらに、Dropboxと連携していて、
・一つのDropboxアカウントを登録します。
・その一つのDropboxが全てのファイルの保存先になります
・ファイル共有はRagicを通じてできます。
・Ragicのユーザー数分だけ共有することができ、Dropboxアカウントの節約になります。
・Dropbox側でも通常のファイルと同じように操作できるので、より柔軟な共有をしたければDropbox側で操作をすればOK

URLからスケジュール同期/カレンダー同期

公開されたスプレッドシート、CSVなどのURLで取得できるデータとRagicのシートを同期させることができます。
例えば、
・祝日参照用のシートを作り、そのシートを内閣府の祝日データのCSVと同期させる
・成績、売り上げ、在庫量等の集計用のスプレッドシートを作り、それをRagicのシートと同期させる
などが可能です。

イベント系の会社など、特定の日付のついたイベントをデータベース管理したいユーザーには、カレンダー同期が便利だと思います。

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こんな感じで、"イベント"として登録されたレコードをGoogleカレンダーなどに反映させることも可能です。

Webhook/API

kintoneにもありますが、もちろんRagicにもついています。
非プログラマーの方はなんのこっちゃ、という感じかと思いますが、つまりカスタマイズ開発ができる(自動アクセス、自動更新など)と思ってください。オートメーションをしたいなら必須です。
例えば私が過去に開発したのは、
Ragicのデータを基に
毎晩自動で公的機関にプログラムでアクセスしてとある還付申請を行う
一部の情報をPDF出力して、同じくレコード内にある宛先に勝手にFaxを送る(プログラムでFaxが送れるAPI、というのもあります)
重要な項目の更新があった場合のみ、通知する
などなど。
Webhookが、普段の画面から簡単にアクセスして設定できるのが気に入っています。

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$19/月のプランにすればサーバーサイドのJavascriptも追加できます。

まだまだある、便利機能

正直ありすぎで私もすべてを使いこなせません。定期レポーティング機能や一斉メール/SMS送信機能、埋め込み機能やLine通知機能など、描ききれない機能がたくさんありますが、もう一回強調したいのは、これらのほとんどの機能が無料で手に入ること!
レコード数やシート数の制限以外、プラン間で機能に大きな制限があまりないので、お試しや使い捨てが簡単にできるのがすごくいい。
アメリカでは、平均80以上のSaaSを1社当たりで使っているそうです。
いずれ日本でもそれくらいになるでしょう。
いくら「どれだけの利益を生み出すか」の方が大事であっても、これだけのSaaSを使うとあってはさすがにひとつひとつのSaaSにかかるコストというのは馬鹿になりません。

特に価格とそれの持つ機能を天秤にかけた時、Ragicは他の追随を許さない最強データベースになります。

でもUIはやっぱりAirtableいいよね~

Ragicシリーズの紹介はこれにて終了します。

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