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【創作物感想】SSSSダイナゼノンの見届け長文

tvアニメシリーズ『SSSS.DYNAZENON』最終回から幾日か。
個人的にかなり沢山の部分で唸り、そして純粋に本当に面白かったもので、映像面も相当のものだったのですがここでは絞って作劇視点からの感想を綴ってみました。
(※内容に深く触れておりますのでnoteのネタバレタグを設置しております

この御話が辿った路と辿り着いた答。
グリッドマンユニバースでありながら、ダイナゼノンという”合体ロボットもの”として描き切った蓬くん達とガウマさんの日々の意味についての長文です。


此のお話が始まった当初、

恐らく前作『SSSSグリッドマン』関連を期待した人と、新規に始まった物語と世界に惹かれた人に二分されたのではないかと思います。
私は後者でした。

前作が『電光超人グリッドマン』のフォーマットに沿った新規アニメ作品であったのと対象的に、『SSSSダイナゼノン』は全てが新しい世界と物語を紡ぎ始めました。
感じられる要素といえば、ダイナゼノンという巨大ロボットが電光超人版でいうキンググリッドマンをグリッドマン抜きで単体運用しているようなものなのだろうか、という事くらいでした。

人生に 社会に 家庭に 行き詰まりながらも日々を生きゆく登場人物達。
彼らはガウマという謎の青年と出逢い、ダイナゼノンの搭乗者となり、集い ”関係”を築きました。

この事は劇中でも台詞となって表現されていました。
これはチームものというだけでない、この作品が”合体ロボットもの”である文脈の結実でもありました。
異なる路がひとつに集うこと。多様な合体パターンや気持ちの重ね合わせが運用に響くこと。
彼らは只合体マシンのバラバラのパイロットではなく、それを介し関係性と日々を積み重ねていったのです。

その先に出た先述の蓬くんの言葉。
そして最終話の「「「「バトルゴォォォォーー!!!!!!!!!!!!!!!」」」」の感情の乗り方に、カッコイイという以上にあのシーンでぼろりと泣いてしまったのを強く覚えています。
登場人物の”感情曲線”に揺さぶられるというのはこういう事なのです..。

途中で

2代目ちゃんとアンチくんが合流し、やはりグリッドマン世界であったことが明らかになりました。
世間の盛り上がりに反し、個人的にはここで少し引っ掛ってしまっておりました▼



視聴を経てもうずっと以前からダイナゼノン世界そのものに惹かれており、純粋に彼らの行く末を見届けたかったんですね。
この辺り、軸はブレずに2代目ちゃん達もまた蓬くん達に新たな異なる路を歩む人々の交差でありました。
ガウマさんに関しても電光超人版のストーリーをバックボーンにする大きな仕掛けを用意しており、そこから持ってきたのかと驚かされたものでした(姫ってアカネちゃんなのではと個人的に思っていたり、ネットでは井上ゆかではって考察もあったりしましたが、その遥か先でしたね。。
その上で彼は彼の役割と想いを遂げて
お話の終焉はやはり蓬くん達の交差と人生の前進に至りました。

夢芽さんの台詞にもあった、非日常がむしろ日常を感じる日々であったことは描写を重ねられて来ており
夢芽さんがダイナウイングでしれっと登校する辺りの表現とか本当に好きで.. そういう事ではないのでしょうけど、いや本当にああいうの大事なんですよ。
特殊兵器を手にしても異世界のバトルをしている訳じゃなくて、日々生きる中にダイナゼノンで怪獣と戦うというそれも存在している訳なので..
そうした他者との交差と動き出す日々を経て彼女は姉の過去を解きほぐし、抱えたまま、人生のパートナーとなるやも知れないひとを得て、歩んでゆきます。
ダイナゼノンで戦った日々を「何十年経っても きっと忘れないと思うから」は、心の底からの本当の言葉であったのだと思います。

このドラマを描き切った長谷川圭一さんの脚本手腕に惜しみない拍手を。。(勿論映像や演技の力も沢山相乗されていたものと思います)
南夢芽さんの言葉を借りるなら
本当に”よく出来ました” でしたよね。

"いじめ"描写のスタンスひとつ取っても驚くべき秀逸さがありました▼

作劇の力というのはこうしたところにスッと出るもので..。

ちょっと余談ですけれど

暦先輩と稲本さんの事もですね
稲本さん学生時代彼にずっとあれだけシグナルを送っていたのに、暦先輩が踏み出さないから進展しないままで
稲本さんが結婚してしまった状態で再会した際にも稲本さん側はやっぱりちょっとシグナルを出し続けているんですよね..。
台詞にはしていないんですけど学生時代含めそれらが解る作劇が本当に凄かったって感じていて..。

しかしまぁ暦先輩は嘗てのそれがありながらまだああで。
その先に旦那のあれがあって「これからは大切に」って吹っ切った思い切りがやっとあって。
そこで暦先輩はまだ..。
あげくに敵であるムジナさんとも半端に関わって。
いいからちせちゃん大事にしなさいよアンタは....とずっと思ってました(思ってました

暦先輩もやっと職を得て、ちせちゃんも自身の選んだ路にきちんと立ち戻り直して
よもゆめは安定しているにせよ、『グリッドマン×ダイナゼノン』が続編として作られるならこっちのふたりがどうなっているかが注目どころよと個人的に。

深夜1クールアニメで放送中に合体玩具を発売する試みも凄かったですね..!
無事買えたのでがっつり堪能しておりました▼

そういえばグリッドナイト×ゴルドバーンの先行抽選当たってたんでした。
個人的にナイトくんがガウマさんに腹パン平気でするのだけがダイナゼノンで凄く嫌な描写だったので(普通に無意味に暴力奮ってるだけなのをギャグみたいにしてるので..)この折角の商品もイマイチ買う気が無くなって放置していたんですが、最終話観たらやっぱり欲しいので買っておきます。。
アンチくんはあんな事したら2代目ちゃんにしっかり怒られておいてほしい。

最後に 怪獣優生思想シズム

敵である怪獣優生思想に関しては個人的にも考察していた事はあったのですが、こちらの方が書かれている記事が大体近かったものでご紹介とそこを踏まえて追記させて頂きます▼

そう
シズムくんだけは、怪獣が現れなくなった事で自暴自棄になった他の3人と違い、自ら怪獣になる事を選べたんですよね。
社会への不満に対し他人の起こす破壊(怪獣)に乗っかるのではなく
自身で壊してみせる事を選び実行した。
それの善悪は別にして、彼は自身の足で前に進んだんです。

よもゆめは破壊でなく守り歩む未来へ進んだ。
最終決戦にはその意味合いもありました。
嘗て交流もあり、同じ”進む”力を持てたこの3人があの訣別を見せたのは
歩みゆく路の先の違いでもあったのでした。

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