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名古屋と大阪への委託既刊の思い出

昨日より[名古屋同人祭][大阪同人祭]が開催されており
各4種ずつの自費出版既刊委託を現地のメロンブックス店舗様にして頂いています。
ここnoteの他Twitter等で告知は展開しておりましたが
noteならでは、各既刊の思い出などを綴ってみようかとふと思いまして。
見出しで創作と二次創作分けておりますのでご興味おありのところだけでも。
(※二次創作方面も、原作をご存知無い方にもなるべく伝わるよう、自身の漫画として刊行する側面からの文章としております)

告知記事はこちら
【告知】大阪・名古屋同人祭&コミティア134出張販売所のお知らせ|乾燥水路note @k_kahoh #note https://note.com/kansousuiro/n/n7335c94f1672

現地は2020/11/22の夜20時まで。
同人祭web通販は23:59まで。
※通常通販は継続中です。文末にリンクあり📱

名古屋同人祭に預かって頂いている創作4種

🌸『バオサイバレンタイン』
まだ当時形に出せていなかった後述の”バオサイ”という御話があり、その執筆過程の中で丁度2月に開催されるコミティア(一次創作オンリーの同人誌即売会)の新刊として浮かんだ御話でした。
バオサイの主人公ふたりが出張先でバレンタインを楽しむ短編となり
内容的にも本編を元にした自分自身で作るセルフ二次創作のような御話になって兎に角自分で楽しかった一冊でした。

これは急遽制作を決めてネームから突貫で、装丁もコピー誌となりました。
が、それならそれでの表紙の紙を複数の色で刷ってお好きな色を選んで頂いて頒布したりといった楽しみも発生。

今回委託したのは、印刷所の遊び紙フェア合わせで極少数だけ刷った印刷所製本バージョンです。
特殊加工された遊び紙で、これを使いたくて自分用に刷ってそのまま眠っていたものでした。

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素敵でしょ。

この機会にと表紙もカラーに。
バオサイバレンタインは最初のコピー誌の他、メロンブックスさんの企画で受注生産本としてB5サイズでのバージョンも存在しますが(ご注文下さった方本当に有難う御座います。。)、この少数製本版は今回が初出しです。

🌸『バオサイ』
先述のバオサイバレンタインの本編に当たる御話。
学生時代から頭の中だけで楽しんでいた創作の種というのは幾つもあり
その中の2-3の要素が混ざって生まれたような御話でした。
丁度長年の前職を辞め転職と引越しを兼ねて関東に出て来たタイミングでの執筆となり
自身の経験にも重ねるような、人の歩みと仕事の御話として着地しています。

ある時期から強く惹かれるようになった女性同士の強い感情の描写や物語、所謂”百合”と呼ばれる概念も大きく影響の出ている作品でもあります。

望まぬ僻地へ赴任してきた彩乃が出逢った女性上司との、人が前を向き歩んでゆくための物語。
是非バオサイバレンタインとご一緒にお手に取って頂ければと思います。

🌸『つばさをせおうひと』
”華の名を呼ぶ時さえ”という全100頁の既刊があり、その登場人物のスピンオフとして”ゾヌサラ!”という短編を刊行した事がありました。
描いている内に自身でも気に入ってしまった、簡単に云えば敵役のような二人の不思議なコンビの御話の新作となります。

角持つ巨人ゾヌウと、帽子の幼女サラ。
各々も別勢力の所属であり決して仲良しなどではないはずの二人ですが本当にいいコンビで本当に動かしやすく。。
今回はサラちゃんの女性上司との年の差恋愛の御話を軸に
同時にゾヌサラふたりの御話でもあるのでした。

コミティアではスケジュールの関係でネーム本として頒布したのみだったものを
作画もしっかり仕上げた上で印刷所製本としてweb即売会合わせで刊行してこれまた在庫として眠っていたものでした。
そうした意味では直接お手に取って頂けるとても貴重な機会ともなります。

🌸『あわこい』
人魚の国のお姫様と音楽家の女性との運命的な出逢いと恋の物語。
タイトルのフルサイズは「叶わぬ恋で泡になる?いいえ、泡の中であなたと恋したい」で『あわこい』だったりします。

当時色々思うところあり、実験的に4コマ縛りで作った御話でした。
雑誌的にも4コマ漫画雑誌でストーリーものをやっている作品があったりしますよね。
ああしたものを自分でもやってみようと考えての挑戦でした。

実は個人的に人魚というのは昔からこう 今風に云うと”刺さる”題材でして…ずっと何か描いてみたいというのはあったんですよ。
コミティアでサークルカットに記述した際に、それを見て来て下さって凄く声をかけて頂けまして、同様の方はやっぱりいらっしゃるものなんだな。。と思ったものでした。

これも完成版として製本頒布した参加以降の直接の機会となります。

大阪同人祭に預かって頂いている二次創作4種

🌸『あかい記憶』
”結城友奈は勇者である”、通称”ゆゆゆ”のファンジン。
この作品は香川県が舞台なのですが、その所謂”聖地”で開催された即売会に飛んだ際、スケジュール厳しく新刊は出せないつもりがやはりそんな大きな機会なのでどうにかしたいと当日無理矢理ネーム本として本の形にして頒布した御話がこれでした。

その後正式に出す機会も無いままだったのですが
ある年のコミケを前にしたある日、以前のゆゆゆ既刊を読んで下さった方から強い感想を頂けてしまい。
これが本当に嬉しくて。。新刊でなくたって、読まれたタイミングで感想を下さるだけで作家は嬉しくて仕方ないものなんですよ。。。

強く強く伝わって頂けており
私は次のコミケでゆゆゆの新刊を出したいと考え至りました。
こんなタイミングで突然そのような感想を頂けたのはそうするに十二分な燃料であった訳です。
ここで形にするのなら、あの時ネームだけで終わっていたこの御話をきちんと読んで頂ける機会にしたいと刊行したものでした。

登場人物のひとり東郷美森というキャラクターは”鷲尾須美”として2世代の”勇者”の戦いを経てきた存在でした。
彼女の今と、今に繋がる大事な記憶の御話です。

🌸『そよかぜとにぼし』
ゆゆゆというオリジナルテレビシリーズ作品自体にとても当時から惹かれており
何か描きたいというのはずっとありました。
その中で個人的な所謂”推しカプ”(好きな関係性)であった風先輩と夏凜ちゃんを主軸に、主人公達”勇者部の面々”のやりとりを描けて本当に楽しい一冊でした。

この作品は登場人物達がとても生き生きとしていて
スタッフに愛されて描写されているのが本当に伝わる作品でしたので(※劇中とても辛い展開もあるのですが、その信頼があったからこそ最後まで物語を受け止められたというものでもありました)
そうしたスタッフの熱意を受け取って、漫画描きとしての自身が作品でお返し出来るとしたらという
これは私のどの二次創作にも通じる気持ちではあるのですが
そうした想いで描いた作品でした。

…実は、これを刊行したコミケの、私の参加日と別日に
企業ブースで商品を買うと主人公役の声優さんが特典を手渡しして下さるという企画がありました。
その際にこちらからも差し入れをすることが可能で。
私、この本をお手紙と一緒にお贈りしたのです。
その夜その声優さんが、普通の差し入れではない・でも何とは言わない何かに物凄く感激しているようなTweetをなさって。。。
私が差し入れたのを知っていたジャンルの人が、「あの人こんな反応いつもはしないんですよ。あなたの本じゃないかと思うんですよね。。」と言って下さって。
勿論他のどなたかの何かかも知れませんよ。でも。
そんな素敵な思い出もある一冊なのでした。

因みに、これに関して少し呟いたところ
同人誌というのは隠れてやるもので云々といった空リプらしきものも受けたんですよね。
その人も同人作家だったのですが
その人はそうしたつもりのものを描いているのかも知れません
でも
私は受け取ったものを示す気持ち
簡単に云えば感想や感情を漫画作品として一冊にしている
そんな気持ちで二次創作をやっていて
漫画の形のファンレターとも言えるんです。

(※当然公式側でも人によって二次創作自体を嫌う人も居るでしょうしそこに無理強いでアピールするとかはしません。
ファンアートと著作権侵害の線引きだって公式の主張が絶対です。
ただ
ゆゆゆは少なくともスタッフさんが当時聖地即売会の打ち上げに顔を出されていたり(!)、その声優さんもファンアート等に歓迎側の人でありといった側面、私の描いているものの内容、そういった総合を鑑みてお渡しした形です)

そうした出来事まで含めて大きな思い出の作品でした。
装丁としても綺麗な特殊紙を使用しており、どうしてもそのコミケで出したかったのもあって入稿を無理して割増にもなり
いつも以上の大赤字で刊行した一冊でもありました。

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🌸『キャンキャンクラッシャー』
アプリゲーム”Tokyo7thシスターズ”通称”ナナシス”のファンジン。
原作は所謂アイドルジャンルで、丁度リアル1stライブが開催された直後でした。
このライブで演者スケジュールの都合で不参加だった方がおり、その代役で披露された楽曲もあったのですが
その流れが、原作の彼女達のドラマを知っているとあまりにもあまりにもな出来事で。。
その想いを元に紡いだ御話でした。

主人公達のライバルのガールズバンド”4U”にスポットをあて
その中でも複雑な感情を魅せる”アイドルを憎む”メインボーカル・九条ウメと、彼女との関係性が絶妙な”毒舌”鰐淵エモコを主軸に構成。
ナナシスのライブは演者が演者として名乗らず”登場キャラクターとして”ライブを進行する形式でもあったこともあり
あの舞台裏で4Uのどんなドラマがあったかを私なりの形としたものになりました。

また、これまた丁度第一回目であったナナシスオンリーの同人誌即売会に参加した際の新刊で
そうした思い出の一冊でもありました。

🌸『ハルノオムスビ』
ナナシスオンリーの2回目があり
今度はゲームプレイ当初から感じていた関係性を自身の漫画に落とし込んだ一冊を刊行となりました。

今回のメインは始まりの二人”春日部ハル”と”天堂寺ムスビ”。
原作はアイドル不在時代にアイドル再起を願ってイチから始まるスタジオ”ナナスタ”が舞台で
今はマネージャー業に就く伝説のアイドル七咲ニコルと、プレイヤーでもあるナナスタ支配人が見付けた
新しい伝説の最初の二人がハルとムスビでした。

彼女達の特別感は個人的にすごいものがあり
とはいえ所謂”メジャーカップリング”ではないとも感じていたんですね(この頃ナナシスはファンも増えこうした方面でも盛り上がって来ていたものの、私以外で言っている人を聞いたことなかったので…)。
でもある日ふと本当はどうなんだろうと検索してみたところ
何か全然そんな世界はあって
ですよねですよね…?!と安心して本にしてみた次第でした。

このオンリーでは前回の4U本を買って下さった女性の方が私の出展スペースまで「すごく素敵でした…!!!」と感想を言いに来て下さって…!!
ハルムス本も買って行って下さり、また次回もそうした本をお届けしたいと強く感じたものでした。
こうしたとても嬉しい経験を頂けるのも即売会ならではですよね。。

のですが
次から開催タイミングに上手く休みが取れなくなったり等でオンリー参加も疎遠となってしまい…。
本だけでもお届け出来たらよいのですけれど。
昨今はそもそもリアル即売会自体も難しい社会情勢になっており
今回のような代行展示即売や通販がその機会になってゆくとよいなと本当に感じています。

直接参加にしかないものも存在しますが
逆に書店さんを通じて自分が行けない場所で頒布して頂けたり
webでなら全国へお届けも出来るのですから。
こうした案内などももっと効果的にしてゆきたいですね。
(思い立って書き始めたものの同人祭の開催は20時まででなのでもしこれを読んでご興味頂けても現地の方でも間に合うかどうかですよね。webのエア会場は23:59までありますので宜しかったら。。

追記:同人祭エア会場も終了しましたので下記リンクを通常の通販頁に繋ぎ直しております(バオサイバレンタインのみ電子書籍版準備中です)。紙の本は現地で残っていた場合、後日在庫移管後に通販側も更新されると思います。

https://www.melonbooks.co.jp/circle/index.php?circle_id=40439

先立つものはとても大切です。。 また、1文字2円で御感想を頂けるofuseサービスも登録中です https://ofuse.me/kansousuiro/u