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「時をかける愛」VS「いつかの君に」

去年、台湾ドラマ「時をかける愛」(原題「想見你」)を観た。
そして、今秋、リメイク版の韓国ドラマ「いつかの君に」を観た。

以下、台ドラ、韓ドラと略称。

あくまで個人的な好みだが、どう転んでも、台ドラに軍配が上がる。

韓ドラはリメイクだから骨子は同じなわけだが、所々プロットを変えている部分がある。

例えば、LGBT の要素を加えた部分は、台湾だからということもあってか、
物語の中に自然に溶け込んでいる。
一方、韓ドラは、この部分が取って付けたようで、浮いてしまっている。

また、ドラマの長さが違うので致し方ないところもあるが、台ドラで盛られているドッキリ仕掛けのプロポーズとか、実は家族思いだった弟の話とか、なかなか味のあるエピソードの幾つかが、韓ドラではカットされている。

最後のシーンは、両者でガラリと趣向が違っているが、どちらも良かった。

台ドラでは、すべてがもとの時間軸に戻った後、李子維が、6才の黄雨萱を乗せて夕陽の海岸線をバイクで走る。暫くバイクが画面から消えると、27才の黄雨萱にすり替わっている。このラストシーンが、心憎いほどの粋な演出で印象的だった。

韓ドラでは、初雪の日、ハン・ジュニとナム・シホンがバスの中で出会う。そして、お互いが誰だかわからないまま、じっと見つめ合う。運命の邂逅を予感させるところで幕となり、切なくも甘美なラストシーンになっている。

ラストシーンについては、好みの分かれるところだろう。

俳優の演技に関しては、台ドラの方が圧倒的に良かった。

主演女優には、内気な女子高生、溌剌としたキャリアウーマン、そして後者を真似る前者、という三つの顔の演じ分けが課されている。

韓ドラのチョン・ヨビンも、さすがトップ女優の一人とあって、とてもいい演技で役柄をこなしていた。
それでも、台湾の実力派女優、柯佳嬿(アリス・クー)の絶妙な演技と比較すると、どうしても見劣りがしてしまう。柯佳嬿は、このドラマで金鐘奨(台湾エミー賞)の主演女優賞を受賞している。

主演・助演男優についても、贔屓目無しに見比べれば、台ドラの方が上手いのは歴然としている。

許光漢(グレッグ・ハン)、施柏宇(パトリック・シー)の好演、熱演が光って、アン・ヒョソプ、カン・フンが霞んでしまっている。

総じて、韓ドラもそれなりに良く出来ていて、決して悪くはなかった。
ネット上でも、アン・ヒョソプ人気も手伝って、韓ドラファンには好評だ。

しかし、台ドラの方があまりに素晴らしすぎるので、韓ドラを見終わって、改めて台ドラの完成度の高さを再認識した、というのが正直な感想だ。

日本でもリメイクの噂があるが、この台ドラを越えるのは至難の業だろう。


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