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【人生訓としての論語】「君子は和して同ぜず、小人は同じて和せず 」~付和雷同は調和に非ず

子曰く、
「君子は和して同ぜず、小人は同じて和せず」

【原文】

子曰、君子和而不同、小人同而不和。――「子路」篇

子(し)曰(いわ)く、「君子(くんし)は和(わ)して同(どう)ぜず、小人(しょうじん)は同(どう)じて和(わ)せず。 」
――「子路(しろ)」篇

【語注】

君子  りっぱな人間。人格者。
小人  つまらない人間。卑しい者。
  調和する。仲良く協調する。
  付和雷同する。軽々しく同調する。

【和訳】

先生がおっしゃった、
「りっぱな人間は、人と調和するけれども付和雷同はしない。
つまらない人間は、付和雷同するだけで人と調和することがない。」

個性と個性のハーモニー

 今回も前回と同じく、「君子」と「小人」の比較です。
*前回「君子は義に喩り、小人は利に喩る」(投稿済)をご参照ください。

「君子」は、周囲の人々と調和して、なごやかに付き合いますが、しっかりとした主体性を持っているので、軽々しく人と同調したりはしません。
 一方、「小人」は、主体性がないので、周囲の者と調子を合わせるだけで、いざとなると、人々と調和することができません。
 世の中には、様々な個性を持った人間がいます。一人一人が個性を発揮しながら、お互いに尊重し合い、一つの集団として、ハーモニーが保たれている。そうしたコミュニティが、人間社会の理想的なあり方です。


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