【人生訓としての論語】「君子は義に喩り、小人は利に喩る」~損得よりも大切なもの
子曰く、
「君子は義に喩り、小人は利に喩る」
【原文】
子曰、君子喩於義、小人喩於利。――里仁篇
子(し)曰(いわ)く、「君子(くんし)は義(ぎ)に喩(さと)り、
小人(しょうじん)は利(り)に喩(さと)る。」――里仁(りじん)篇
【語注】
君子 りっぱな人間。人格者。
喩 よく理解する。
義 道義。人としての正しい生き方。
小人 つまらない人間。卑しい者。
利 利益。自分の得になること。
【和訳】
先生がおっしゃった、
「りっぱな人間は、道義に明るい。
つまらない人間は、利益に明るい。」
道義を取るか、利益を取るか
孔子は、しばしば「君子」と「小人」を並べて語っています。
「君子」(りっぱな人間)は、自分の行いが道義にかなっているかどうかを第一に考えます。損得は度外視して、正しいことは進んで行い、正しくないことは、決して行わない、という筋の通った生き方をします。
一方、「小人」(つまらない人間)は、自分に利益があるかどうかを第一に考えます。損得によって行動が異なり、自分が損することはやりたがらず、得することなら何でもやる、という無節操な生き方をします。
人生で自分にとって何が大切か、という価値観の問題です。
「君子」と「小人」は、価値観が違うので、行動の基準が異なり、生き方もそれぞれ違ってくるのです。
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