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「役員」としての自律的研修とキャリア構築

はじめに

最近の公認会計士試験は大学在学中にダブルスクールして合格する方も増えてきましたが、今の女性役員市場にいる年代の女性公認会計士と言えば、大学卒業後に合格する人も多かった時代です。
「あとがない」環境下で、試験が年1回の時代もありました。7科目1発勝負、合格率は年度によって増減しますが5~10%未満という国家試験をパスし、合格後も毎年変わる会計基準や監査基準をキャッチアップし監査法人や一般事業会社などでハードワークをクリアしてきている。

今回は、そんな方々がいろいろあって監査法人は退職、一般事業会社に兼務中あるいは退職後、昨今の女性活躍推進の流れでなんとかさんもなんとかさんも上場会社の役員に就任されている。私もやってみたいな、と思っていたら本当に打診が来た!というところからのお話です。
(一部フィクションあり)

打診をいただいてから就任まで

今既に就任されている方は、女性活躍の流れが来て早い段階での就任なので何かのスキルで突出されているか、そうでなければ、ものすごい勉強熱心でものすごい努力家の方が多いです。
時々、かなりの負けず嫌いの方もお見受けしますし、国内外MBAホルダーもいらっしゃいます。(いつ勉強してるのか・・・)

みなさん会計・監査には精通されているので、有価証券報告書を読むのはおてのもの。決算説明会の資料やCSRの報告書など公表資料は読める範囲で読み込みます。
初めての就任などで役員としての監督や監査の経験がない場合は、やっぱり勉強熱心なので、本を読むなどかなり勉強されます。
(個人的に読んだ本はこちらの記事にて。)

監査役の場合で監査法人での監査キャリアが長いケースは上記くらいであとは実践となります。

それだけでもかなりの勉強量になりますが、会計士の場合、キャリアが監査法人と会計事務所経営で事業会社経験がないこともあるので、経営面の知見を得るためにさらに学びたい、という熱心な方々もいらっしゃいます。

監査法人時代は経営の方向性を把握したうえで監査計画を立案するということをやってきています。経営者ミーティングといって経営者と話す機会もありますが、そんなレベルでは「スキルマトリクス」で事業経営に〇はつきません。もちろん役割分担なのでそれ自体はよいのですが、特に社外取締役の場合、同じ目線で経営の話をするために何で補強するのか、という点で会計士側に課題があります。

時々、
「わたし〇〇会社の社外役員に就任が決まりました!これから勉強のためにグ〇ービスの経営講座に通うことにします!」
なんてご自身のSNSで書いてしまう方もおりまして、個人的にあぶなっかしいものを感じたりするのですが、どうなんでしょう、あんまり気にしなくていいですかね・・・

私自身はMBAで学ぶこと自体は賛成で、フルタイムではなくても、女性役員向けに大学で短期間の経営の講座をされているのを受けてみたいなと思ってキャッチアップしています。
早稲田大学のファイナンスの講座や、内田和成先生の講座などはよいのでしょうが、それで経営について学んだ、なんていったら株主や他の役員の方に笑われそうなので、やっぱり受講するとしたらこっそり受ける感じです。
日本取締役協会などの研修受講もあると思いますが、やっぱりどこまでいっても「勉強」なのと、またコーポレートガバナンスの話か、ってなるのと、自己負担にしては高額なのが悩みです。

とはいえ、コーポレートガバナンス、学ぶことたくさんありますが・・・

可能ならやっぱり一回はどこか事業会社で執行側を経験するのが良いと思います。あるいは、レベル感はかなり下がってしまいますが、もし兼業が可能など環境が許すのであれば、自分で起業してみる、というのもありかもしれないなと個人的には思っています。

日々の実践

就任してみると、非常勤でも、社内に入らないとアクセスできない会社の基本文書(諸規則など)であるとか月々の資料の読み込みなどの業務理解にかなりのリソースが割かれますが、それとは別に。

監査役協会や取締役協会の研修、就任先が行う役員トレーニングの受講、会計士協会の単位履修(年間40単位)など、受講すべき研修があります。
取締役協会は入ってないので存じ上げないのですが、監査役の場合、協会が提供している研修の数はかなりの数があるので、学習の機会には事欠きません。

さらに自分で勉強するとなると、所属する業界についての学びがあるほか、

会計士の場合は試験勉強も得意だったりするので締め切り効果を設けるために資格試験を受験しながら勉強していくケースもあるようです。

隣接資格として内部統制関係では
公認内部監査人、公認不正検査士などなどたくさんあります。

参考

個人的に重要と思っているのは、上記座学に加えて実践の下記2つです。
1つめは、横のつながり。できるだけ「ざっくばらんに」意見交換できる機会を見つけ、他社がどうやって問題解決しているのか、ノウハウや考え方をシェアすることが重要と考えています。
2つめは、社外非常勤役員は1社ではなく兼務することで学習効果があがると思っております。兼務のしすぎも問題視されますが、2‐3社は他社比較もできますし、こちらで学んだことをあちらで発揮するという相乗効果もあるので有用と考えています。

このあたりも継続的に意見交換していきたいなと思っており、その際に女性のほうがざっくばらんなコミュニケーションが得意(一般論です)だったりするのでとてもありがたく思っています。

次のステップ

他の記事の「出口戦略」でも触れましたが、結局自分がどういうキャリアを積んでいきたいのかによって、社外役員として何を学んでいくのかも変わってくると思っています。
課題山積の会社様に就任した場合はそれどころではないですし、月々の議案について考えて意見していくだけでも十分大変であり、ひとつづつ取り組むことで知見が積みあがっていくものとの認識をしておりますが、自律的なキャリア構築についても考えつつ、業務を遂行していきたいと考えています。

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