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社外役員として自己の実効性評価をしたとしたら~その2~

前回の記事の続きです。


結構燃えましたね

昨日今日あたりでプチ炎上していた、社外女性取締役育成講座by日経。

週刊ダイヤモンドの社外取締役連載が女子アナの回だったということもあり、思いのほか燃えた印象です。結局、女性を社外取締役に!というニーズの本質は何なのかを改めて考える良い機会になったのでは思いました。

役員としてのファッションやヘアメイク、信頼される話し方等、見せ方に「も」興味がある女性はいらっしゃるでしょうが、そちらはあくまでサイド(選択制)でしょう。「メイン」のコンテンツを日経のプライドをかけた本気のビジネス仕様にするなどすれば、さすが日本を代表する経済新聞社だ。レベルが違う、となった可能性もあったのに、と思わないでもありません。
・・・まあ、あのプログラム履修者を社外取締役候補者としてマッチングします、と、世に出してしまっている時点で、そんな気はさらさらなかったんでしょうね・・・

さて。人のことはおいておいて。

前回の記事で、取締役会で経営の監督を行うとした際に、「企業価値の向上」について明示できていなかったと思い返し、自分の考えをまとめるためにもう一度やり直してみることにしました。

取締役会機能への期待ギャップ

考えるに、そもそも、社外役員(取締役)が取締役会に入ることに対する期待ギャップが激しいんだろうなと思いました。

社外取締役が制度化されたことで、経営や会計に関する知見のないゆるふわ女子が取締役に入ることも当然間違っていますが、島耕作のような剛腕経営者が社外取締役として入り、社長に経営アドバイスをした結果、企業価値がたちまち激増する、というのも非現実的な期待ではないでしょうか。
私も好きで読んでますが、あれはマンガですよね。

いろんな方が既に言及されていますが、社外取締役の一番の機能は、経営メンバーの指名と報酬の決定である、というのが、そもそもの制度設計です。ライトパーソンを経営ボードに据えること、そうでない人が座っていたら社長であっても「クビ」にすること。
理屈はわかっても、どう考えてもこの人ではダメだ、という判断を下すのは実際問題なかなか困難であったりもします。
指名委員会、報酬委員会が存在しないあるいは「任意」設置であったり、制度化されていても現社長が委員長になっているなど明らかに実効性が乏しいケース、形だけあっても実態は形骸化しているケースもあるようです。
それでも、明らかな不祥事があったり、よほど長い期間経営成績が低迷し放置されているなど、限られたケースではさすがに声が上がるはずではあります。最近はアクティビストの方々が外圧をかけてこられるようになってきたこともあり、今後少しずつ変わっていくであろうと考えています。ボードメンバーが変わったとたん、企業価値が激増すれば、確かに社外取締役の働きで企業価値をあげたというケースになるでしょう。

企業価値への貢献目線で自己評価すると

本日の本題、指名報酬以外で、社外役員就任前に、自分の就任によって企業価値をいかに上げられるのか、は大いに悩み、今も試行錯誤中ではあります。

島耕作的価値観であれば、ビジネス上のアライアンスをトップ営業で成立させるなどもあるのでしょうが、その案件を持ってくるのは社外役員である必要はないですよね。利益相反の可能性もありますし、限られた関係性からごり押しするより、アライアンスの紹介会社から紹介いただくほうが客観的にgo or notを判断できますし、企業価値の向上につながりやすいのではないでしょうかね。

自分でできそうなこととして、例えば、取締役会に議題として上がってきていない事項で、ボードで議論すべきと考える事項について、アジェンダとして挙げる必要はないかと問いかける、といったことは今後もできそうに思いました。
実際いろいろ意見を出してみて、確かにそうですね、と採用されたものもあれば、検討しますとそのまま流れた意見もありますが、意見を聞いていただけた点はありがたかったですし、こちらとしても少しは貢献できたような気がしました。

その前提として、まずは、「この人はボードメンバーの一人として意見を聞くに足る人かどうか」、という観点で、信頼関係らしきものを築けるかどうかが第一歩であり、その点では100点から0点でスコアリングすると各社各様だなと振り返っております。合格点が60点としてギリギリ60点となったときに、80点にあげるには何をすればよいのかを考えるべきですね。
(もちろん自己評価なので実際はもっと低いかもしれず、懇親会などで反応を見るなどしていく必要がありそうです)

実はこれって既視感があります。監査法人時代に主担当者として、クライアントの社長や監査役、経理責任者とどのようにリレーションを築いてきたのかというのと同じような話だなと思ったりしています。異なるのは役員の場合は監査法人の後ろ盾がない点であり、個人のキャラクターや発言内容によりフォーカスされる点です。その意味では島耕作的な人間的魅力があれば強いのかもしれませんね。もう一回、社外取締役島耕作シリーズでも読み返しますかね。最近は社長の奥さんが愛人の子に復讐する話になってきて、ちょっと違うかな、って感じではありますが。

最後は島耕作か

以上、最後はやっぱり島耕作か。ってことで、4巻でますますすごいことになってきていますが、まだの方、よかったら読んでみてください。おもしろいです。




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