見出し画像

トラブルメーカーと初めての衝突

****この記事は、無料ですべて読めますが、面白かった!と言う方は、購入をお願いします。100円です。*****************

マンション一番のトラブルメーカーである吉田さんは、わたしたちが入居した当初、総会の後に声をかけてくれたり、とても温厚で好意的な老夫婦に見えた。

うちと同様、インターホンが故障して困っていたということもあり、管理会社を替える運動にも協力的で、リプレイスを決議した臨時総会のときには、「わたしたちができなかったことをやっていただいて感謝します」などと言っていた。

他の住人から聞いた話だけでなく、総会のときの言動などで変な夫婦だとは認識していたが、わたしたち自身はまだ、彼らの攻撃は受けていなかった。むしろ、彼らはことあるごとにわたしたちを「味方」に引き入れようとしていたように思う。

それが、植栽の植え付けの後に起きた事件で一変した。

植え付けの途中で、吉田さんが自宅から植物を持って来てこれを植える、と主張する場面があり、夫がこれを退け、吉田さんも引き、その日は平和的に終わったと思われた。

が、その1週間後。みんなで植え付けをした場所に、見覚えのない植物が植えてあるのを発見した。

え?これって…あの日、吉田さんが自宅から持って来て植えようとしていた植物じゃないか!!勝手に植えたらあかんって言ったのに!

すぐに理事長と夫に報告すると、理事長が「わたしが行ってお話をします」と言ったので、夫が「わたしも行きます」となった。わたしはこのときイヤァな予感がしたのだが、止める理由がなかった。

そして…わたしの予感通り、帰ってきた夫が開口一番、
「吉田さんとトラブルになった」
と言った。

わたしはその場にいなかったので詳細はわからないのだが、どうやら、最初に大声をあげたのは夫らしい。それに対して吉田さんが、「わたしは一番の年長者なのだから、尊重すべきだ!」とわけのわからない応酬をしたとか。

その後、理事長宅で他の件で打ち合わせをしていると、吉田夫婦が訪れ、そこでまた言い合いになったらしい。おそらく吉田夫婦は夫が理事長宅にいるとは知らずに、おとなしい理事長に文句を言いに来たと思われる。

ともかく、勝手に植えたものは引っこ抜いてもらわなければならない。

わたしは全組合員に対して、「誰かが勝手に植えたものをいついつまでに除去してくれ」というお知らせを投函しようと提案した。

理事長は、「吉田さんは体面を重んじる人です。そんなことをしたら、さらに逆上します。吉田さんにもう一度、交渉しましょう」と言った。確かにそうだ。このときの理事長の判断は懸命だったと今でも思っている。そうすることで、吉田さんがうちともめたことをみんなに公表できなくなるからだ。

でも、また対面するとトラブルになりそうなので、吉田さんだけに下記のような文書を投函することにした。

「共用部に私物を置いたり、勝手に植えたりしないよう、再三お願いして参りました。先日、みなさんで植え付けた後に吉田さんが個人的に植えた植物をすべて、〇〇日までに除去してください。期日までに除去していただけない場合は理事会で除去いたします」

そして次の日、吉田さんが植えた植物は「すべて」除去されたいた。数年前に吉田さんが植えたと主張していた、ピンクの花が咲く雑草も、すべて。

理事長がとったアンケートで「残す」と答えた人が多かった植物であり、他の箇所にもこれを移植させようと、みんなで時間をかけて植えた植物である。

これには本当に腹が立った。あー、こういう人なのか、そりゃあみんなから敵視されるはずだ、と初めて実感した。

それ以降、今のところ顔をあわせたことはないが、今後あの夫婦が役員の順になったら、総会前に根回しをして不信任にしてやろうと思っている。うちが動くまでもないかもしれないが。

次の話は、念書の書き方

管理会社を替えるまでのお話は、下記からどうぞ。

ここから先は

0字

¥ 100

期間限定 PayPay支払いすると抽選でお得に!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?