見出し画像

7年暮らした街を離れました。

こんにちは、多機能女優の松井花音です。
ここ一年、個人的に大きな動きが続いています。
会社員卒業。独立。新しい仕事。出会い……。

そして、引っ越し。
この夏、7年暮らした街を、離れました。



街との出会い

2015年。大学4年の初夏。
「どうせ働くなら全力で楽しめそうなところで」と考えて受けた出版社から内定をいただき、勤務地までの距離と、好きな街への行きやすさからとある街に出会いました。

恥ずかしながら、それまでその名と位置を知らなかったその街は、ほどよく静かで、自然を身近に感じられる住みよい場所。内見のため、はじめて足を踏み入れた時、はじめて訪れたはずなのに、まるで以前に住んでいたかのような、不思議な感覚を覚えました。

新参者を快く受け入れてくれたその街に一目惚れをし、人生初の一人暮らしの場所として決定。

まだ卒業論文に追われ、お化け屋敷に通っていたあの夏、私はその街に住みはじめました。

7年分のページ

学生時代。新卒時代。転職。20代の激動の7年。
あの街で過ごした期間の記憶は、人生の最期に振り返った時にも強く思い出せるものになるでしょう。

初めての一人暮らし。
好きなものを好きなように配置した雑多な部屋。
駐輪場からバイクを出そうとして、倒してクラッチを折った回数。2回。
一人暮らしなのに買ってしまって埃をかぶせるだけになった人生ゲーム。
シアタールームにして隠れ家のように使っていたロフト。
(そのロフトは真夏にはサウナ状態となる)


近くに住む会社の仲間と朝日が登り始める頃からウォーキングをした日々。
校了明けに仕事仲間と深夜まで飲んだあの頃。
疲れた心に滲み入る夕暮れの河原に吹く風。
買ったばかりのカメラを片手に散歩したあの公園。

少し書き出してみるだけで、ぼろぼろと思い出が溢れ出る。

別れは突然

入居から7年。
家賃の更新時期に合わせるにしては少し中途半端な期間。
オートロック、宅配ボックスあり、最上階。
バイクは半屋内の駐輪場における。
暮らしには不自由がないどころか、大満足。
立ち退き依頼があったわけでもない。
結婚や同棲などライフステージが変わるわけでもない。

離れない理由はいくらでも出てくる。
7年の間、引っ越しを考えた時期もあったものの、実際の行動に移そうとしたことはありませんでした。

それでも今回は違いました。
「離れがたい。この街は好き。
でも、今な気がする」

打ち合わせや撮影のための移動時間が勿体ない。
気持ちを入れ替えたい。
密かに抱いていた小さな引っ越し願望がある日突然振り切れました。

こうなると早いもので、考える間もなく、不動産に内見依頼をし、部屋を決めていました。
期日さえ決めてしまえば、未練なんてそっちのけで事は進むもので、気づいた時には見慣れぬ家で眠りにつくようになっていました。

直感で決めた今回の引っ越しは、あまりに無計画だったので、最後の最後まで「私は引っ越しをする」という自覚を持てませんでした。そして、きっと今でも。


先日、約2ヶ月ぶりにあの街に踏み入れました。
久しぶりだというのに、もう住んでいないというのに、驚くほど違和感がありませんでした。

当然のようにそこにいて、当然のように街の空気を吸っていました。
この気持ちの正体は分かりません。でも多分、スピリチュアルな事は全くわかりませんが、魂がそこに居続けているのかもしれません。
(だとしたら、私の住んでいた部屋に次に住んでいる人、ごめん。)


「人生を変えたいなら、
家と仕事と会う人を変える」
そんな話を聞いたことがあります。
この一年、仕事も家も、
それに伴って交友関係も変わりました。
うん。これからの自分が楽しみでしょうがない。

大事なタイミングだと思ったので、noteに想いを。

Photo: Yuhei Murata

▼最新情報・朗読配信・雑多なつぶやきはこちら
Twitter

▼あるある動画・朗読配信アーカイブ(たまに)はこちら

■被写体活動/Instagram
■ゆるい動画/TikTok
WEBサイト

この記事が参加している募集

夏の思い出

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?