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役者はマーケターに向いている?【WSの記録】

ご無沙汰しております、松井花音です。
前回投稿時には会社員役者でしたが、気づけば独立してから半年。
現在はフリーランスとして役者業をしながら、マーケティングやPR、編集、各種制作のお仕事などをしております。役者活動を最優先に、すべてに全力で、愛を持って活動しています。

最近は一人芝居動画を毎日のように投稿したり、YouTubeをはじめてみたり、と自主的なチャレンジも活発化させています。よければ覗いてみてください。

さて、半年分の近況報告はこのくらいにして、今日はほやほやのあたたかいうちに書き留めたいことがあるのです。


萱野監督のワークショップに参加してきました。

3月29日〜30日の2日間、久しぶりに演技のワークショップに参加しました。得られたものが多かったため、まだアツアツのうちに残しておこう、とnoteを久しぶりに開いて、今キーボードをカタカタしております。
私なりの視点で、2記事にわたって書き残していきます。

なんで、それ買ったの?

普段マーケティングのお仕事もしているので、「なぜワークショップ参加(購入)を決めたのか?」、行動決定までの私のジャーニーを書き残してみます。

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「最近YouTubeをはじめたものの、初動は芳しくない」
「そもそも自分のプロモートでどう活用すべきか…」
そんな不安や悩みを常に頭の片隅に置きながら過ごしていたところ、映画やドラマのプロデューサーである小柳さんのツイートに出会う。

プロフィール大事だよなあ。見つめ直したい。
そして、
『この話を聞いたら一生つくることに、悩まなくなると思う。』
なにこのワードずるい。興味ないわけがない。
こんな魅力的な引きつけ方をする小柳さんから学んでみたい。とりあえず気になるから詳細問い合わせよう。

問い合わせると、どうやら映画監督・萱野孝幸さんの演技ワークショップの中でプロフィールについての話もされるとのこと。
しばらく演技のレッスンやワークショップからも足が遠のいてしまっていたため、一層気になって詳細ページにアクセス。

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チームを組んで1つのシーンの脚本読解、演技実践をディスカッションしながら取り組むことで、演技プランや役へのアプローチ方法を習得してくというもの。それも2日間、各5時間・計10時間、じっくり時間をかけて。

「ああ、最近インプットの時間取れていない…」
「一人芝居ばかりで掛け合い芝居できてないな」
「納得感のある演技ができないことが多いんだよなあ」
漠然と、でも確かにある自分の現状課題が「呼んだ?」と、顔を出してくるのを感じました。

今の私にとって、
・演技プランの立て方やアプローチ方法をディスカッションできること
掛け合いのシーン作りに取り組めること
・役者だけでなく"監督"の視点も聞くことができること
・短期大量生産ではなく、じっくり準備に向き合えること
は魅力的で、2日のうち片方の予定が未定な中でしたが、欠席の可否を確認した上で即時に申し込みしました。
ちなみに今回の参加費用は10,000円。
時間、内容を考えるとここで迷うことはありませんでした。

役者ってマーケターに向いているのでは?

ここまで、「なぜ私が参加(購入)を決めたのか」を記録しました。
これは上に記載した通り、マーケティングの仕事をする上で、自身の購買行動に至るまでの態度変容とそのきっかけに向き合うことが大切なため、こうして思い返して記録する事は大切、という意図があります。

と、同時に、役者もこの視点で人を観察することが大切だ、と今回のワークショップを通して改めて気づいたのです。

人が行動を起こす理由を考えるためには、その行動の直前だけでなく、[普段の習慣]や[一週間前の行動]、[生活環境の変化]、[人からの影響]、[その後に起こりうる事]など、時系列を遡ってみたり、情報を整理していく必要があります。

どのように生活者の態度が変容していくと、させたい行動(=購買行動)につながるのか。そこで仮定した理想的な態度変容を起こさせるためには、どのようなきっかけ作りが必要なのか。
私が携わるマーケティングのお仕事では、こんなことを考えています。

対して、
台本に書かれたこの台詞、この行動を起こすまでにはどんなプロセスがあったのか。書かれている嘘(架空の出来事)を本当にするために組み立てるのが役者のお仕事です。

萱野さんのワークショップでは、ウォーミングアップとしてクイズを出題されるそうなのですが、題材がとても興味深いものでした。

とある状況下で、登場人物Aさんが普段買わないあるものを購入したという。その理由を、出題者(監督)にYES/NOで答えられる質問をすることによって、情報を整理して答える

この問題、問題文と出題者への質問で得た情報をただ並べただけでは、答えによっては答えから遠のいてしまう可能性があります。実際、私はものすごい回り道をしてしまいました。

実は、問題文と出題者の回答以外にも考慮すべきヒントがあるのです。

まず、その場面で実際にその行動を取ろうとするとどんな事が起きるか。情景を想像して追体験することで(可能ならば実際にやってみることで)、見落としがちな行動や心境の変化に気づくことができます。

また、その人物は問題の瞬間だけを生きているわけではありません。その行動の原理はその瞬間を見ただけでは導き出せない事がほとんど。
"一週間前は?"、"一ヶ月後はどうなってる?"など、その人の習慣や生活を想定する事で核心をつく質問がうまれ、寄り道をせずに答えに近づく事ができることも。

そして、それこそが行動のリアリティにつながる。リアリティを追求する上で必要な視点が抜けがちだ、と反省しました。

マーケティングを考える上でも「買う瞬間だけ」を考えてもうまくいかないですし、役者も「台本の瞬間だけ」を考えるのではリアリティに欠けた不自然な芝居になってしまいます。

いずれの活動もしている私にとっては、双方向に作用し合う、生かしあえる共通項に出会えて密かに高揚感を覚えていました。

と、いうことで、役者の役づくり・脚本読解スキルはマーケティングにも活かすことができるし、その逆もまた然り、なのかもしれません。

お芝居やりたいマーケター、マーケティングの仕事をしたい役者がマッチングできるとまた面白いものが生まれるかもしれませんね。


ワークショップの記録は後編に続きます。


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