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「ゼロの秘宝」の北東北ネタを分かる範囲で拾ってみた

 先日4月13日、ポケモンシリーズ最新タイトルであるポケモンSVのDLC「ゼロの秘宝」の前編「碧の仮面」が配信が開始した。

 遂に公式作品にて発売された、日本の東北地方が舞台のモチーフとなったポケモン作品である

 今の所まともに公開している記事が3つだけ、しかも青森ネタ3連続という有様ではあるが、北東北ブロガーをやろうとしている身の上としてはそこらのコタツ記事よりは多少はマシなものを書ける気がする。あと乗っかれるもんは乗っかりたい。
 というわけで、ストーリーをクリアした上で「これが元ネタかな?」と思うものを書き連ねていくことにした。飽くまで自分のわかる範囲の話であり、ちゃんとした別の元ネタがある可能性は十分注意してほしい。

 今日からの三連休。祭りが行われる地域も多い。北東北を訪れることがあれば、是非参考にしてほしい。

地名

キタカミの里

元ネタ:岩手県北上市

北上市の郊外にある施設「鬼の館」

 青森県の上北(かみきた)地方もかけているのかもしれないが、ベースとなっているのは岩手県にある北上市だろう。
 鬼剣舞が有名な場所であり、街の至る所に鬼をモチーフにしたイラストの看板などが見受けられ、鬼がマスコットのような存在になっている。人口は9万人ほど。岩手県内では5番めに大きい町だ。
 新幹線の停車駅もあり関東からも比較的アクセスしやすい。百貨店も現役であり、特に北上駅周辺は地方としてはそこそこ開けている。正直キタカミの里のような風景を期待して駅を降りるとがっかりするかもしれない。なおいわて沼宮内とか二戸とかあたりは、新幹線の駅周辺もかなり素朴な風景が広がっている

 ご存知の方も多いとは思うが、ポケモンとコラボしたマンホールの蓋「ポケふた」が全国に続々と設置されている。毎度思うのだが、市町村ごとのポケモン選びと絵のセンスが凄い。

 中でも岩手県はイシツブテとコラボしているだけあって相当の数があるのだが、街の規模を考えると不自然なことに、北上市にはまだ設置されていない。
 DLCの舞台のモデルなので、後半配信あたりのタイミングで新ポケモンと共に設置するのだろうか。

※追記
 後に北上駅前に設置されたが、まさかのキリキザンとゴローニャだった。
 背景を見るに夏油温泉周辺の光景がモチーフなのだろうが、キタカミの里でもキリキザンは野生出現するが、まさかの掠りもしないポケモンで驚いた。
 確かにオーガポンは異国から来たポケモンで、元々キタカミの里にいたポケモンではない。いたずら好きのオーガポンと仏の化身と捉えられる北上市の鬼は別物なのでそういう配慮かもしれない……

鬼が山・地獄谷

元ネタ:岩手山 (岩手県八幡平市、滝沢市、雫石町)

盛岡市から見た写真

 岩手山は岩手県北西部にある、日本百名山の一つにも選ばれている成層火山だ。実際に見るとよくわかるのだが、特に盛岡市のあたりからは非常に大きく見える。因みに八幡平市にある岩手県火山情報センターは、宮沢賢治の童話「グスコーブドリの伝記」の作中に登場する組織から名前を取って「イーハトーブ火山局」という名称だ。
 登山においては山頂の火口部分を回る「お鉢巡り」が有名で、火山活動のため火口周辺の地面は湯気が立ち常に温かいらしい。鬼ヶ山の頂上にマグマッグがいるのはこれが元ネタかもしれない。
 途中には大地獄谷という急斜面があり、ここからは常に蒸気と火山ガスが噴き出している。

 なお登山難易度はそれなりに高く、登山者向けサイトでも上級とされていることが多い。決して気軽に登れる山ではないことに注意だ。
 ゼイユが主人公と鬼が山を登ろうとした際にスグリに秘密にしたのは、現実の岩手山と同様に危険な山であったかもしれないと思うと印象が変わる気がする。

楽土の荒地

元ネタ:浄土ヶ浜 ? (岩手県宮古市)

もう自信がないのが出てきた。
 ゲーム中でも詳しい説明が見受けられず、名前の響き以外に確信できる要素がないが、岩の形状も含めて岩手県宮古市にある浄土ヶ浜が近いと思われる。
 恐らく意識しているのだろうが、楽土の荒野や鬼角渓流のあたりの風景は火山灰が降り積もってできた凝灰岩でできているように見える。鬼が山の火山活動によって形成されたのだろうか。

鬼角岩

元ネタ:仏ヶ浦? (青森県佐井村) or 鬼の手形岩? (岩手県盛岡市)

見た目はここが1番似ていると思うのだが……

 見た目が1番近いのは仏ヶ浦だと思うので仏ヶ浦の名前を上げたが、これも本当に自信がない。
 その特異な光景から、大町桂月が「神のわざ 鬼の手作り仏宇陀 人の世ならぬところなりけり」と詠んだ場所だ。本州の先端部にあり、北上市から遠く離れているどころか青森県でもかなりの僻地に位置しており、過去に記事で書いたがここは本当にアクセスが悪い。

 また、見た目こそ違うが岩手県盛岡市の三ツ石神社には鬼の手形岩というものがあり、元を辿っていくとこれが岩手県の名前の由来にもなっている。

鬼の手形岩。
表面の風化で肝心の手形が分かりにくいことでも有名。

 盛岡市はかつて 「不来方 (こずかた)」 という名前だった。
この呼称について 「かつてこの辺りを鬼が荒らしまわっていたのだが、『三ツ石さま』 と呼ばれ信仰されていた岩がこの鬼を倒し『二度とこの地を荒らさない』 と約束させた」という伝説がある。
 この約束の手形が鬼の手形岩で、さんさ踊りは鬼がいなくなった感謝を神に伝えるために始まったのだという。
(実際のところ不来方の由来はアイヌ語の 「コッカタ(小さな谷の上にある場所)」 と言われており、この伝承は後付けとされているのだが)

ありがたい輪

元ネタ:環状列石

八幡平市にあるもののレプリカの説明文。
最近は整備されていないらしく、本体は草に埋もれていた。

 環状列石はストーンサークルや環状石籬(かんじょうせきり)とも呼ばれ、石が輪のように並んだ遺跡や遺構をさすものだ。イシヘンジンのモデルとなったストーンヘンジも含まれる。
 日本では、縄文時代に作られたと思わしきものが北海道から東北地方で広くみられる。
「北海道・北東北の縄文遺跡群」は2021年に世界遺産登録がされたこともあり、関連したものが作中に登場したと思われる、
 北上市内では樺山遺跡にあるものものが環状列石の1つとされているが、これの形状はゲーム中のものとは大きく異なる。見た目が近いものは秋田県鹿角市にある「大湯環状列石」だろうか。

フジの池

元ネタ : 不老泉? (岩手県久慈市)

 北東北には「飲めば長寿になる」とうたっている水場はごまんとある。その割には岩手県の平均寿命は全国42位、秋田県の平均寿命は44位、そして青森県の平均寿命は堂々の最下位47位であり、長寿とは無縁の世界なのだが。
 中でもこの不老泉を上げたのは名前が近く、かつ以前は横に保健所の指導で「沸かしてから飲用して下さい」 と表記があったのがここ不老泉……という話からだ。一方でその場で飲めるようにコップが設置されていたという話もある。
 やたらと曖昧な表記なのは、確認に行った時点で不老泉に設置されていた東屋や看板がなくなっており、肝心の表記が確認できなかった為だ。老朽化で壊れたように見えるが、調べたところ去年の春時点で少なくとも東屋は無くなっていたようだ。
 市の方にも問い合わせたが担当者不在とのことで回答は得られなかった。

 こちらの方も正直自信がないので、環境省の公開している飲用の可否も書かれているページのリンクを貼る。
 また、うまくリンクが貼れなかったが「いわての名水マップ」で検索すると県庁で公開している分かりやすいマップが出てくる。

一応行ったという証拠。
改めて周辺の写真を見ると凄いところにある。

恐れ穴

元ネタ:恐山? (青森県むつ市)

 名前の由来は恐山だと思うのだが、残念ながらここに洞窟はない。ただ恐山には鬼が住んでいたという民話がいくつかある。恐山の鬼は人間や動物を食べることがあるが踊りを見るのが好きで、踊りが上手な狸を見逃した、日照りで困っていた麓の人間が鬼に踊りを見せるとお礼に水が湧き出る茶碗をくれた等の伝承がある。
 なお一般的に恐山は「死者の魂が向かう場所」と古くから山岳信仰の地となっており、現在も霊山として有名な場所だ。
 とはいえゲーム内の恐れ穴はただの「寂しい洞窟」である。強いていうならば、白い砂利が広がっている光景などはきたかみセンターあたりの風景に似ているといえば似ているだろうか。

わからなかった地名

・落合河原
・キタカミ原生地域
・とこしえの森
・てらす池

分かりませんでした!
いかがでしたか?


 申し訳ないがこの辺りは「ここかな?」という地名も挙げられなかった。宮城の方に元ネタがあるのかもしれないがあの辺になっていくと本当に分からない。

 落合河原は川の合流地点にある河原とのことだが、複数の河川が合流する場所の河原はどこも大体あんな感じではないかというのが正直なところで特徴らしきものがわからなかった。

盛岡駅のすぐ横でも北上川と雫石川が合流しており
一応北上川公園として整備されている場所もあるが
ここだ!と言えるかはかなり微妙な場所だ

 キタカミ原生地域も同様に草原や川のあたりは特徴らしい特徴が分からなかった。いにしえの森も原生林らしいことはわかるのだが、生えている木がブナや白樺の森では無さそうな上に、原生林自体は割と結構な色々な場所にあるので特定できそうな情報を見つけられなかった。
 一応北東北の原生林では有名なのは秋田県と青森県にまたがり日本で最初に選ばれた世界遺産の1つである「白神山地」が有名であり、北上市周辺では夏油温泉周辺にも広がっている「栗駒国定公園」当たりだろうか。いずれもブナが特徴である。

 てらす池もカルデラ湖であることはわかるのだが、こちらも北東北に沢山ある。有名なものでは青森県岩手県秋田県にまたがる「十和田湖」や秋田県にある日本で1番深い湖であり、かつて絶滅したとされていたクニマスの生存が後程別の場所で確認された「田沢湖」あたりだろうか。
 他の候補地として上げられそうなのはドラゴンアイこと秋田県の「鏡沼」や、恐山にあり、看板近くの意味深な橋に似た橋が湖から流れ出す川にかかっている青森県の「宇曽利山湖」あたりだろうか。
 個人的には「池を覗き込むと死んだ人に会える」という設定から、「絶滅したと思われていた生物が後から別のところで生きていることがわかった場所」という意味で「田沢湖」と、古くから「死んだ人に会える場所」と言われている恐山にある「宇曽利山湖」を推したいが、テラスタルの結晶らしきものが沈んでいる姿はドラゴンアイが開眼している時期の「鏡沼」にも見えるのではっきりと分からない。意図的に混ぜている可能性もあるが……

鏡沼は元々地元の人だけが知っているスポットだったのが
ここ数年で外国人観光客により一気に知名度が上がった
宇曽利山湖から流れ出す「三途の川」にかかる橋。
現在は渡れないようになっている

ポケモン

オーガポン

元ネタ:鬼剣舞 (おにけんばい)
 岩手県の各地には「剣舞」と呼ばれる念仏踊りが伝わっており、中でも北上市周辺に伝わっているのが鬼を模した仮面を被って踊る「鬼剣舞」だ。
 勇ましい顔と動きをしているが、その正体は悪魔を追い払う仏 (明王) なので画面に角はつけないルールだという。改めて見るとオーガポンの仮面も、通常時はどれもツノが生えていないデザインになっている。 (テラスタルするとツノが生える)

鬼剣舞で使われるお面

 北上市には郊外に鬼の館という施設があり、ここでは鬼剣舞関連の展示が充実しているほか、月に1度程度のペースで実際に鬼剣舞の公演をしている。
 だが展示コーナーに一部お化け屋敷的な演出があるので、お子様連れは注意していただきたい。

展示コーナーの入り口にある地獄を模した場所。
正直大人でも不気味なのだが
出口側から入ってここを通らずに出てもいいとのことだ。
展示コーナーに3箇所ある稼働する面の1つ。
近づくとセンサーが稼働する。
作動すると変形し、不気味な声を上げる。
作動前に音がするので大人は分かるが
子供はかなり怖がりそう。

 ゴーストタイプポケモンの悪戯か、オーガポンの可愛さでごまかしたいところだが、鬼剣舞の動画などは展示コーナーの外にあるのでどうしても無理そうならそこで見るのも手だ。

※追記
「異国から来た」という設定や、先日公式サイトに公開された「いたずら好きでものを盗むなどしていた」という設定を見ると男鹿半島のなまはげ、特にその由来とされる説の1つである「なまはげ異邦人説」も要素に入っている気もした。

なまはげ館に展示されていた
なまはげ伝説の由来の説を紹介するパネル

 なまはげの正体は船が難破して秋田に流れ着いたスペイン人やロシア人などコーカソイドの船員であり、船上で真っ赤に日焼けした肌などの日本人離れした容姿がなまはげの姿の元になっているという説だ。

 男鹿にある赤神神社には、次の伝承が伝わっている。

「2000年前、漢の武帝が使い魔のコウモリと共に男鹿にやってきた。武帝は正月になるとコウモリ達に休みを与え、その度にコウモリは鬼に変身して里にやってきては家畜を盗んだり人を攫ったりなどの悪行を繰り返してきた。
 里の人々は鬼に対し、村人は『一晩で千の石段を作ることができたら、1年に1人ずつ娘を差し出すができなかったら2度と里に降りてきてはいけない』という賭けをさせた。しかし鬼達はみるみるうちに石段を積み上げ、ついに完成しそうになってしまった。
 そこで村人達は鶏の鳴き真似をして朝が来たと勘違いさせ、鬼達を諦めさせた。
 このため鬼は里に降りてこなくなったが、代わりに人々はなまはげ行事をするようになった」

 そしてこの伝承で作られたとされる石段だが、また別の伝承の中には「外国人が持ち込んだ滑車とロープで作った」というものもあるという。
 こうした伝承から、外国から流れ着いた船員が冬になると物乞いや盗みをしたり、あるいは里の人々の手伝いをしたりしていたことが後になまはげ伝承の元になったのではないかというのがなまはげ異邦人説だ。
 言われてみればオーガポンの姿はコウモリにも似ており、パルデア地方のモチーフであるスペインにも関係してくる話ではあるが……

イシツブテ

関連するもの:岩手県

 岩手県といえばイシツブテだ。
 公式に決まっている。
 イメージソングもある。

 岩に手が生えたポケモンということで、イシツブテがイメージポケモンなのだという。今回もちゃんと、キタカミの里に入ってすぐの洞窟でゲットできたので安心した。
 先述したポケふたでも、岩手県に設置されているものには全てイシツブテがデザインされている。
 因みに岩手県のイシツブテのような都道府県に対応しているポケモンは、北海道はロコン、宮城県はラプラス、福島県はラッキー、三重県はミジュマル、鳥取県はサンド、香川県はヤドン、宮崎県はナッシーらしい。

ダーテング・ルンパッパ

関連しそうなもの:遠野物語

遠野土産の定番 (?) の「カッパ捕獲許可証」
ゲーム内のマスキッパの入手については
許可は不要なので安心してほしい

 現在の遠野市で聞き取られた民話を集めた「遠野物語」では、河童や天狗、座敷童などの伝承が語られており、遠野市は現在も「伝承の里」として観光地になっている。因みに遠野の河童は赤いと言われており、ハスボーの色違いが赤いのはここから来ているのかもしれない。
 また、遠野物語でも触れられている「おしら様」は、近隣地域では前日譚として人間と馬の異類婚姻譚が語られている。近隣で生まれ育った人は一度は絵本などで目にしたことがあるはずだ。オーガポンとかつて彼女を連れていた人間の関係性も「おしら様」がベースにあるのかもしれない。

カミッチュ

元ネタ:りんご飴

 青森県藤崎町にある「ふじさき食彩テラス」は
かなりりんご飴を推している。味もおいしかった。

 日本におけるりんごの生産量の6割は青森が占めており、おまけに弘前駅前や五所川原の一部では街路樹としてリンゴが植えられているという徹底っぷりである。しかし青森県に限らず岩手県のりんご生産量は第3位、秋田県は第5位と北東北は全体的にりんごの生産が盛んだ。
 とはいえりんご飴となると実は意外とない、というかなかった。
 最近はりんご飴ブームが広がり、東北地方でも県庁所在地を中心にりんご飴をメインにしたカフェが増えてきたが、実は以前まで祭りでもあまりりんご飴を見かける機会はあまりなかった。
 全くないというレベルではないが、かなり大きな祭りで1店舗あるかないか、くらいのレベルで少なくとも定番とは程遠いイメージだった。
 現在弘前市を中心に活動している「りんご飴マン」という人物がいるのだが、この人物が青森で活動を始めたきっかけがそもそも「青森に来たのにりんご飴がなかったから」というものだったりする。
 とはいえ最近のりんご飴ブームの火付け役になったポムダムールトーキョーは当初から青森県産のりんごを使用することに拘っているので、そういう意味で縁があるといえばあるのかもしれない。

※追記
 カミッチュの進化系であるカミツオロチだが、蛇神・龍神がモチーフとして入っているなら秋田県内には三湖伝説など龍神にまつわる伝承などが多数残されているので北東北と全く関係ないわけではないかもしれない。
 かなりこじつけに近い形になるが、八郎太郎という龍神の出身地には諸説あるがその中には岩手の雫石というパターンもある。

アイテム関連

ハナビラアイス

元ネタ:ババヘラアイス

 秋田県で有名だが、青森県や岩手県でも冬以外の祭りで見かけないことはまずない定番中の定番である。
 どれくらい定番かと言うと「ババヘラアイスの写真くらい絶対撮ってるだろう」とたかを括っていたのに記事を書いている今、写真がないことに気付いたレベルの定番っぷりである。
 基本的には農閑期である夏に農家の女性が売っているもの、とされており「おばあさんがヘラで掬って盛り付けるアイス」ということで俗にババヘラアイスと言われる。祭りは勿論、夏休みの時期などは道の駅や産直の道路脇で見かける風物詩である。
 元々はチューリップ状に盛り付けるのが定番であったが、ここ10年ほどでゲーム内と同様に薔薇のように盛り付けるパターンが増えた。
 なお他地域の人にガッカリして欲しくないので言っておくが、ババヘラアイスはシャリシャリとした食感が特徴のどちらかと言うとシャーベットに近い素朴なアイスだ。ものにもよるが、あまりミルキーさは期待しない方がいい。

元ネタ? : 仙台藩の餅食文化

道の駅厳美系にあるモニュメント

 北上市は北部が元南部藩、南部が元仙台藩であることは上述したが、仙台藩では農民は毎月1日と15日に餅をついて備えるように命じられていたり、武家の宴会で「もち本膳」が食べられていたりと伝わっており現在も餅食文化が盛んだ。
 仙台といえばずんだ餅が有名だが他にも宮城県内には様々なもち食文化があり、岩手県内でも元仙台藩の地域の一関市などが特にもち食文化が多彩で観光にも役立っている。
 最近は海外でも日本食としてのMochiの知名度は高く、そういった事情とこのような背景から重要なアイテムとして選定されたのかもしれない。
(海外でいうMochiは雪見だいふくのような「ぎゅうひでアイスクリームを包んだもの」を指すらしいが……)

オマケ

スグリの方言

 はっきり言ってかなり違和感がある。
 特に接続詞の「さ」の使い方があまり聞かない使い方をしている。彼が接続詞として「さ」を使う場面では、一般的に接続詞は「ば」を使うことが多い。

 また、全体的なベースは南部弁のようだが、感嘆詞として使う「わや」や「けっぱる」は南部ではなく津軽の方言だ。
 方言がキツいことで有名な青森だが、「青森弁」なるものは存在しない。青森県南西部の津軽地方は津軽弁、南東部の南部地方の南部弁、そして北部の上北地方の上北弁があり「年寄り同士では言葉が通じない」と言われる程度には方言が大きく違う。因みに青森市は津軽に分類されており、テレビでよく聞くような「青森の方言」と言うと津軽弁を指すことが多い。
 なお大抵の地域で似たような話はあるだろうが、隣国の常として歴史的な衝突を繰り返してきた経緯から「津軽の人間と南部の人間は仲が悪い」と言われる。もちろん昔の話で、老人ならまだしも最近の若者は特別意識することはないのだろうが……
 なお南部弁が使われる南部地方の元になった南部藩は岩手県の北部も含まれている……というより岩手が本拠地だ。因みに北上市は北部が南部藩、北部が仙台藩であった。

 ゲームフリークがこの辺りを調べずにやっているとは思えないので、「キタカミの里」が東北全体をモチーフにしていると言う意味だろうか?或いは彼らが通っているブルーベリー学園は津軽地方にあたるエリアにあり、向こうの方言が混じったのだろうか。
※追記
 ブルーベリー学園があるのはイッシュだった。やはり謎である。

 まあそもそも余りに忠実にしすぎると

ダバナステズサマハブラグノモンサホントノコトバヘネノ !? ホニホニキモヤケルジャ!
(訳 : ではどうしてお爺様は集落の人々に本当のことをおっしゃらないのでしょうか?本当に怒りを覚えます )

 みたいなことになるので、意図的に地域をぼかしている可能性もある。

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