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哲学的キャリア論のススメ9~「仕事が変わらないこと」の1つのリスク~
「働く、生きるを、HAPPYに」をビジョンに掲げる株式会社ミライフで、キャリアデザイナー兼事業企画として働いている菅野(かんの)による「哲学的キャリア論」第9回です。
「自分の状況にあったエージェントの選び方」について深掘りした第8回はこちらをご覧ください!
※内容はどこから読んでも大丈夫ですのでご安心ください。
なお、このnoteでは「哲学的」という言葉をとても広い意味で使っています。
もう少しちゃんとした哲学の話が知りたいよ!という方は、Voicyで配信しているこちらの番組をお聞きいただけると嬉しいです。
それでは、さっそく始めていきましょう!
「安定」の大きなメリットと1つのリスク
現代の日本におけるビジネス環境において、同じ会社に安定的に勤められることは、とても素晴らしい選択肢です。
実際、同じ職場に長期間居続けることで得られるメリットは大きいと感じます。
例えば、会社の文化や業務プロセスを深く理解し、信頼関係を築くことで、職場内での影響力を高めることができます。
また、長期間勤めることで得られる福利厚生や昇進のチャンスも見逃せません。
私の父は昇進こそしませんでしたが、大手企業に18歳から定年まで45年ほど勤めたことで老後の備えもある程度事前にできていたようで、今ではゆったりとした引退生活を過ごしています。
すでに4回転職し、1つの会社に最長でも4年しか居たことのない私からすると、その「安定」を尊敬しながら、羨ましく思う気持ちもあります。
しかし、当然、同じ仕事を続けることにはリスクが潜んでいます。
色々なことは考えられると思いますが、今回はその中でも大きく「1つのリスク」について詳しく探り、変化を作り出すことの重要性について考えてみたいと思います。
同じ仕事をし続けることのリスク
先ほどもお伝えした通り、同じ会社で働き続けることは、安定感や信頼関係の構築、社会的信用の形成などの面で大きなメリットがあります。
しかし、その中で同じ仕事を長期間続けることには大きなリスクが伴う、と言わざるを得ません。
それは「マインドの固定化」です。
もちろんスキル面のリスクもあり、同じ業務を長期間続けることで、新しいスキルや知識を習得する機会が減少する可能性があります。
技術や市場の動向は日々進化しており、それに追いつかないことは、将来的なキャリアの選択肢を狭める原因となります。
しかし、この点については努力で解決できますし、常に最新のスキルを身につけるより、社内の生き字引になり、その組織内で重宝される存在になることも重要なキャリア戦略だと思います。
こうしたスキル面のリスクより重大なのが、先ほど挙げたマインド面でのリスクなのです。
マインドの固定化の罠
マインドの固定化とは、おおまかにいえば同じ業務を長期間続けることによって
・変化に対応できない
・変化を起こそうと思えない
というスタンスが身についてしまうことです。
そしてこれが怖いのが、自分ではそのリスクの影響の大きさに気づけない、ということなのです。
マインドが固定化し、変化を恐れる心が強くなると、新しいアイデアや方法を取り入れることに対して否定的な態度を取るようになるかもしれません。
これが自分だけで起きている分にはまだ良いのですが、そうした環境においては、周囲の方も含めて「マインドの固定化」が起きている可能性があります。
そうすると、本当や世の中や外部環境は変化しているにも関わらず、自分の周囲は「変わらない」ので、結果的に「現状維持」のバイアスがどんどん強くなってしまうのです。
こうなってしまうと、もし何らかの問題が起きキャリアを最適化しようと思ったとしても、そもそも変化を起こすことができず、仮に一歩踏み出せたとしても、変化に適応できるかどうかが厳しく問われた際にそれを証明できない、という状況になってしまう可能性があります。
これが、「マインドの固定化の罠」です。
「安定」の難易度を踏まえた、変化への適応
加えて、一つの環境で長く生き続けることは、それ自体が実はかなり高い難易度の選択です。
企業の戦略変更や市場環境の変化、組織再編など、様々な外部要因によって安定が揺らぐことは少なくありません。
どれほど組織に対する愛着や忠誠心があったとしても、外的要因によって突然の変化を余儀なくされる場合もあるでしょう。
こうした現実にある程度目を向けつつ、リスクを軽減し長い目で見てキャリアを最適化するために、一体何ができるのか。
それはつまるところ、「マインドの固定化の罠」を防ぐ、ということに他なりません。
どこまで実現できるか?はその人の状況や環境に左右される部分も大きいのですが、以下のようなアクションはチャンスがあればぜひ取り組んでみていただきたいです。
新しい施策やプロジェクトへの参加
まず考えたいことは、今の仕事をしながらでも携われる、新たな施策やプロジェクトに積極的に参加することです。
異なる業務やプロジェクトに関わることで、新しいスキルや知識を習得する機会が増えますし、新しい挑戦は、自分のキャリアにおける幅を広げるだけでなく、自信をつける機会ともなります。
より具体的に言うと、履歴書に「組織内の改善プロジェクトを推進」と書いてあるだけでも、話せるエピソードが増えますし、印象もだいぶ変わります。
主体的な異動と担当領域の変更
次に、主体的に異動を申し出て担当領域を変えることも有効です。
同じ会社内で異なる部署や役割に移ることでも「マインドの固定化の罠」からだいぶ抜け出しやすくなるはずです。
同じ会社で働き続ける場合でも、異動によって新しいネットワークを築き、他部署との協力体制を強化することも、キャリアにとってプラスとなります。
社外の人とのコミュニケーション
とはいえ、「自分の会社はそんなプロジェクトも立ち上がらないし、自分の希望で異動なんてできない」という方も多いのではないでしょうか。
その場合、「社外の方と積極的にコミュニケーションを取る」ことだけでも、ぜひ試してみていただきたいです。
これは社内プロジェクト等とは違い「履歴書に書ける」とまではいきませんが、少なくとも関わる人の幅を広げることで、「周りに自分と同じ人しかいない」という状況を変えることができます。
そこから副業やプロボノといった手段を通じて社外の人とも仕事ができるようになれば、より変化対応力が身についていると言えるでしょう。
結局は、自分の人生を生きるため
こうしたことは、出来ることなら目を背けていたいことかもしれません。
しかし、長い人生において「自分の人生を望む方向に整えたい」と思う場面が無いとも限りません。
こうした日に備えて、日頃から「できる範囲で仕事を変える」に取り組むことは、スキルの陳腐化以上にマインドの固定化を防ぐためにも、ぜひオススメしたいアクションです。
まずは身近なところからでも、変化に対応する力を養い、多様な経験を積むことは、自分のキャリアの幅を広げ、将来の不確実性にも柔軟に対処できることにもつながります。
一方で、どこまでいっても人間は、変化を嫌う生き物だと思います。
これはもう、生物学的に仕方ないです。
だからこそ、変化が嫌いな生き物として、日々小さな変化に身を置いて慣らしておくことは、普通に生きる人にとっても大事な生存戦略ではないでしょうか。
おわりに
いかがでしたでしょうか。
若干の余談なのですが、今回多用した「リスク」という言葉。
これは「危険性」ではなく「不確実性」と理解した方がよい、という話を聞いたことがあります。
「不確実である」ということは「予測できない」ということですが、逆にいえば「必要な情報や条件が揃えばある程度予測の精度は高められる」とも言えます。
つまり、「情報や条件さえ揃えば、リスクは減らせる」ということです。
その意味では、エージェントはキャリアのリスクを減らすことができる仕事であり、そこに介在価値があるとも考えています。
「マインドが固定化する前に、自分のキャリアのリスクを洗い出し、出来ることなら減らしたい」という方がいましたら、ぜひ気軽にこちらのフォームからご連絡いただけたら嬉しいです。
それでは次回も、どうぞよろしくお願いいたします!
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