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大臺 序乃壱

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此のお話は日本が嫌いな日本人へ…。  日本を愚かと思う日本人へ…。  日本が貧しい国であったと思う日本人へ…。  日本人として誇りを持てぬ日本人へ届ける物語。  此れは我等が…
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2023年7月の記事一覧

大壹神楽闇夜 2章 卑 3賈具矢羅乃姫(かぐやらのひ) 20

大壹神楽闇夜 2章 卑 3賈具矢羅乃姫(かぐやらのひ) 20

 一月が経ち…。三人は何とかア国に帰って来た。ア国に戻った三人を見やり国中の人々は騒ついた。
 国中の人々が騒つくの当然である。出立の時は王后、将軍含め百五十二人いた人が三人しか帰って来ていないのだ。これが戦ならまだしま、王后は娘に会いに行っただけである。しかも其処には王后も将軍もおらず、居るのはただの兵士と侍女である。如何に旅が困難であっても此れは無い。だから、此れはただ事でない事は容易に想像出

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大壹神楽闇夜 2章 卑 3賈具矢羅乃姫(かぐやらのひ) 19

大壹神楽闇夜 2章 卑 3賈具矢羅乃姫(かぐやらのひ) 19

ソソクサと国を出た王后一行は山に入る前に日が沈んだので平地で一夜を過ごした。王后は日の出より少し前に目を覚まし五瀨の国の方角を見やっていた。五瀨が使いを送って来るだろうと思っていたからだ。だが、其の当ては外れた。
「王后…。もぅ起きておられたので。」
 宇豆毘古(うずびこ)が言った。先に言っておくのだが宇豆毘古(うずびこ)は変えの服を持って来ていたので既に其れを着ている。
「ええ…。」
 と、答え

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大壹神楽闇夜 2章 卑 3賈具矢羅乃姫(かぐやらのひ) 18

大壹神楽闇夜 2章 卑 3賈具矢羅乃姫(かぐやらのひ) 18

 王后達が住居でナンジャラホイな最中、番兵達は矢張り自分達の事を必死に考えていた。中で何が起こっているのか ? 番兵達は勿論知らない。だから、異様な雰囲気を漂わせ戻って来る王后達を見やっても何も感じとる事は出来なかった。
 侍女達が先に柵の外に出て其の内数人の侍女が百人の兵を呼びに行った。王后は其の後に宇豆毘古(うずびこ)は布に包まれた正妻を担ぎ最後に柵から出ると番兵達を睨め付けた。ビクッと体を震

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大壹神楽闇夜 2章 卑 3賈具矢羅乃姫(かぐやらのひ) 17

大壹神楽闇夜 2章 卑 3賈具矢羅乃姫(かぐやらのひ) 17

王后が国を出立して十日が過ぎようとした頃。正妻は見事な肉の塊となっていた。眞奈瑛と樹莉奈は毎日ルンルンでやっていたのでツイツイやりすぎてしまったのだ。本来ならもう少し時間を掛けて肉の塊にするのだが、既に正妻の首から下の皮は全て剥がされ、四股は綺麗に無くなっていた。二人が首から上の皮を剥がさなかったのは其れが誰かを分からせる為である。
 だから、其れからの毎日は死なない様に薬草を塗りたくるだけの日々

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