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第1刻目:KANMAKI 代表取締役 C.E.O 久保 武久 #これからの1000年を紡ぐ企業の一刻を

記念すべき第1刻目は、代表取締役 C.E.O 久保武久(くぼたけひさ)。

1950年、3人姉弟の末っ子として京都・大原で誕生。
幼少期から大原で生まれ育つ。
京都産業大学卒業後、関西巻取箔工業株式会社に入社
製品開発や新事業領域の開拓を担当し、20代後半には事業パートナーへの
技術協力の一環で、東南アジアへの海外赴任を経験する。
1996年、社長に就任。

日本で初となる転写箔を開発

はじめに、KANMAKIの創業者でもあり父でもある、先代の社長・ 久保竹夫(くぼたけお)氏のお話しから伺いました。

「先代は当時の尋常小学校を卒業後、10歳から大阪の金粉加工会社に丁稚奉公をして、金属粉の販売に関わる仕事をしていました。大正時代のお話ですから、丁稚奉公というのは当時はまぁ珍しくはなかったんです。
第二次世界大戦の終戦後に地元の大原に還ってくると、金粉加工会社での経験を生かして、ここ大原の地で新たに金属粉や真鍮粉を使って製品を作ることを考えました。

昭和初期には顔料(インク)は粉末が主流で、対象に糊を塗って振りかけて接着させるという手法だったため、京都では主流であった金箔の製造方法を応用して、紙に顔料を塗工して熱転写して加飾印刷するという、環境にも人間にも優しい箔を開発したのです。熱転写の機械も海外のモノはすでにあったのですが、国内ではまだ機械化はされていなかったため、先代が開発しました。」

時代の変化に対応するモノづくりの精神

先代の跡を継いだのは25年前。
日本の高度成長期を経て、仕事の内容にも時代の流れが反映され始めます。

「第1次オイルショックの時には、技術者として当時協力会社があったタイに2年程いました。当時のタイは民主国家としては不安定な時代。いろいろとしんどい経験をしましたが、20代の間に異国の地で向上心の高い人たちと仕事ができたことは大きかったですね。
日本に帰国した時にちょうど第2次オイルショックが始まって、このオイルショックの影響でレコード盤をもう一度溶かして再生するという仕事の依頼を受けました。
レコードの真ん中には紙のラベルが貼ってあるのですが、プラスチックと紙は混ざらない性質のため、紙が貼ってあるタイプのレコード盤だとリサイクル工程が難しくなるんですね。
そこで、レコード盤に直接箔押しができるKANMAKIの転写箔が採用されました
レコード工場への納品に、当時は1週間に1度は奈良に通っていましたね。
今でこそ「リサイクル」は一般化しているけれど、オイルショックを機に世の中が資源の「再生」を意識するようになり、その最中でこのレコード盤のリサイクルを担う仕事に関われたことは技術的にも社会的にも貢献できたと、とても記憶に残っている仕事のひとつですね。

食品関係の印字も同様です。
JIS規格の導入により、食品包装への製造年月日等の表示が義務付けられた時代に、顔料箔ならすぐに印字ができ、摩擦や熱にも強いという点に着目いただき、ここでもKANMAKIの転写箔が採用されることとなりました。
食品を手に取るお客様に対して、安心安全を提供する責任感のある役目を、我々の転写箔の技術で支えていると誇りに感じています。」

反省はしても後悔はしない行動を

時代を意識して半世紀に渡り、箔と向き合ってきた経験の上で、これからのKANMAKIに期待していることを伺いました。

「50年間自分が勤めてきた中で感じているのは、やはり時代は絶えず変わり続けるということです。
今まで先代や自分が築いてきたものを引き継いで大切にしてくれることはとても有難いけれど、今のメンバーには時代に応じた新しいカタチの歴史を作っていって欲しいと考えています。
考え方や行動を今までとは違った色々な方法や角度から模索して、そこから生まれたアイデアをカタチにしていって欲しいですね。
100年先から振り返った時に今がひとつの時代となっているように、その積み重ねで1000年後はどんなカタチになっているのか…すぐには想像できませんが楽しみではないですか。」

オマケ:仕事に欠かせないアイテムは自己流でカスタマイズ

実は文房具が大好き!
仕事をする上で欠かせないアイテムを教えていただきました。

「このFilofaxの手帳は35年来愛用しています。
スケジュールの管理も、ワープロが出た時はワープロにしてみたり、時代的には手帳よりもPC上で管理する方が主流なのだと思いますが…なかなかPCには慣れず、結局手帳に戻ってしまいますね。
手帳と一緒に持ち歩いているのは、タイからのトランジットで香港に立ち寄った際、先代に買って貰った万年筆です。
でも本当は万年筆よりもボールペンが好きで、妻からバースデープレゼントに貰ったボールペンを…邪道かもしれないけれど、ボールペンの芯を自分の好みに合わせてカスタマイズして使用しています。」

時代の流れを汲みながら社会的にも意義のある仕事に関わり、次の世代に対しても柔軟な思考の価値創出を期待されている社長の想いが、皆さんに少しでも伝わったなら幸いです。
オススメの文房具情報もお待ちしています!

第2刻目の更新もお楽しみに。

KANMAKIでは専門分野に長けた“複業人材”“経験豊富なシニアの方々”と共にご自身の得意分野を活かし、「KANMAKI MASTERS LEAGUE(カンマキマスターズリーグ)」というアドバイザリーボードにご参加いただける人材を募集しています。

  • 印刷や塗装業界・フィルム加工等の技術に精通した方

  • インクや顔料、樹脂分野での製造開発のご経験がある方

  • 海外の特定エリアに強みを持つ営業・マネジメントに長けた方     

  • 「小さなチームでも世界と戦える」を内側からやってみたい方

  • etc...

Photo by:清水泰人

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