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要約筆記講座の折り返し地点で思うこと

2年にわたる 要約筆記講座の前半が終わり、明日から後半がスタートする。いい区切りなので、学んだことや考えたことを記しておこうと思う。

・聞こえは十人十色

単純に音が聞こえない人もいれば、聞こえるけど判別できない人もいるし、耳鳴りに苦しんでいる人もいる。補聴器を使えば問題なくコミュニケーションをとれる人もいれば、手術で人工内耳を体内に埋めこんでいる人もいる。ひとくちに「難聴」といっても、音の聞こえ方は様々だということを学んだ。

目に見えない障害だからこその困り感が印象的で、特別支援教育で学んだ発達障害に通じるものがあるなと思う。


・声を上げることの意義

聴覚障害者が、侵害されている権利を取り戻すために声を上げつづけてきた歴史を学んだ。不便・不都合な現実に「そんなもんだよね」と甘んじるのではなく、本来あるべき姿に戻すために声を上げて行政に働きかけていくことの意義が胸に刺さった。

行政関連の発表や議事録にちらほら目を通すようになったし、子どもたちの未来のために必要があれば声をあげようと思えるようになったのはよかったかな。


・福祉や法律の知識が深まった

憲法や法律、条約の話がたくさん出てきて、基本的な用語の復習になった。「施行」とか「発効」とか、理解が曖昧な語句はそのたびに調べて、しっかり腑に落としたい。

特に興味深かったのは、住んでいる市の共生に関する条例について話を聞いたこと。所沢市は単独の手話条例がない代わりに、共に生きるまちづくり条例の中に項目として明記されているのが印象的だった。国政と地方自治についても、もう少し理解を深めたい。


・プロフェッショナル、かっこいい

実習をやってみて、情報を的確に文字に変換していく技術は奥深いなという印象だった。講師の方々の文字の美しさ、表現の無駄のなさ、要約した文章の読みやすさ……すべてが惚れ惚れするような技術で、とてもかっこよかった。

書籍の編集では自分のペースで文章と向き合えばよかったけど、要約筆記では音声情報にあわせて文章を処理していく瞬発力が必要。

今のぐだぐだな自分がああなれるイメージは持てないけど、少しでも近づけるように日々練習せねばと思う。重要な内容の理解に認知リソースを割けるように、息をするように要約筆記の形式で書けるレベルまで文字表記技術を磨いていきたい。「自分の字が好きではない」から卒業して、読みやすい文字を意識して練習していきたい。


・コロナ禍での講義

いつも使っている場所がワクチン接種の会場になり、当初の予定からの変更がたくさんあった。水道局やMUSEなど、普段あまり行かない場所の会議室に行けたのが新鮮で楽しかった。

運営の方々も感染対策をしっかりしてくださって、イレギュラーが多い中でよりよく講義が受けられるように尽力してくださって感謝。今後は、ネットを駆使してより学びが豊かになる環境になっていくと嬉しいな。


・認知特性を考えると向いてないかも

私は情報処理が圧倒的に視覚優位で、それを生かした情報処理を意識して生きてきた。普通に生活していく上ではそれがベストな戦略なのだけど、要約筆記を仕事にするには致命的な選択だと気づく。

ちょうど競技かるたも再開したことだし、聴覚からのインプット力を高める工夫を生活に取り入れていこうと思う。



▼ 次の1年で……


目 標

  • テキストを読みこんで試験に合格する

  • 練習を習慣化する

  • 1回1回の実習で学びを少しでも多くする

  • 聴覚からの情報処理も使う生活に変えていく

  • 当事者の声をたくさん聞く


学びたいこと

  • そもそも人権とは

  • 国政と地方自治の在り方


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