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3月3日は「耳の日」なので、加齢難聴と補聴器についての講座を聴くことにした

NHK文化センター特別講座「超高齢社会における難聴と補聴器の正しい選び方・使い方」を聴講した。講師はオトクリニック東京院長、慶應義塾大学名誉教授・小川かおる氏。

講座の中で新しく知ったこと、特に覚えておきたいことをメモ。


■ 3月3日は “耳の日”

日本では、1955年に日本聴覚医学会が制定。
世界の耳の日は、WHOが2007年に制定。同じく3月3日を耳の日に定めたのは、「3」が耳の形に似ているからとも、電話を発明したグラハム・ベルの誕生日だからとも言われている。


■ 耳硬化症(じこうかしょう)

あぶみ骨が動かなくなる病気。外科的な手術が可能で、鼓膜を持ち上げ、あぶみ骨を人工骨に取り替える。耳の穴から内視鏡で操作が可能。実際に術中の動画を拝見できて興味深かった。


■ 有毛細胞

内有毛細胞は、電気信号を脳神経へ伝える。
外有毛細胞は、内有毛細胞の感度を調節。
有毛細胞の再生は、現段階では不可能なので、壊れる前に治療することが大事。


■ 加齢性難聴

加齢に伴って、高い周波数=子音から聞き取りが難しくなっていく。進行度合いの個人差は大きく、いかに耳を酷使したか(騒音環境下での仕事、音楽の聴取歴など)や血管年齢も影響(内耳周辺の血管が細いため)。


■ 補聴器をつけただけでは聴き取れない

補聴器をつけただけで、すぐによく聞こえるようになるわけではない。聞こえをよくするためには、補聴器をとおして入ってきた音を言葉として認識する脳のトレーニング(聴覚リハビリテーション)が3ヶ月以上必要。

例えば、毎日補聴器をつけて音読する。補聴器をとおして声を脳に届けるトレーニングになる。


■ 日本では、購入時に耳鼻科を受診しない人が多い

補聴器購入に際して耳鼻科を受診する割合。欧米の他国は80%前後なのに対して、日本は42%。専門店以外での購入が多いため、使用満足度も36~38%と低く、必要な人の補聴器装用率も14.4%と低い。購入が自己負担なのも影響が大きいのかも?


人生100年時代。寿命がどんどん伸びている分、耳を使う期間も伸びている。難聴に対する早めの介入で、脳機能をトレーニングすることが重要。補聴器だけでなく、コミュニケーションをいかにとっていくかがキーワード。コロナ禍でひきこもると認知症が進む恐れも。家族や仲間と交流して、必要があれば補聴器を取り入れ、人生100年時代を楽しんでほしい、とのことでした!

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