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最大公約数

僕らには「好み」というものがある。当然だがこの指標は各個人に委ねられている。ポケモンが好きな人が大勢いても、ポケモンが嫌いな人だっている。
たまに世間では人気を博していたり、一定の評価を受けているのに自分はハマることが出来ない というような経験をする。しかも厄介なのが"どうしてなのか分からない"ことが多い。似たようなものなのに、そっちにはハマってしまうことなんてザラにある。

これってなんだか共通因数みたいだ とふと思った。

世の中のあらゆるものは素因数で出来ている。2だったり7だったり11だったり………もちろん僕も例外ではない。しかし、必ずしも全ての素数を有しているわけじゃないだろうとも思う。去年世間で爆発的にヒットした""香水""。これはきっと3や5くらいの素数を持っているはずだが、僕はこの3やら5やらで成立していなかった。同じくYOASOBI。これも小さな素数を持っていたことだろう。そしてYOASOBIが好きな僕もきっとその素数で自己の一部を成している。なんなら、2も7も17も31もお互いに持っていて、凄まじい共鳴を起こしている可能性だってある。また、自分だけしか知らなかったり良さに気付いてない、いわゆるアングラめいたものは自分が持つ最大の素因数に近い値で、ひっそりと導き合うのかもしれない。これによってこんな素因数を持っているのだと気付く、自分に対して発見するようなことがあるのかもしれない。

最大公約数が対象の値に近ければ近いほど、それを理解できるのだろう。そして最大公約数が自己の値に近ければ近いほど、自分だけが成し遂げうるものになるんだろう。自分が持つ素因数は何で、数字を何通り生成することができて、その中で映し鏡になり得るのはどれなのか探究していくというのが、生き方のひとつなのかもしれない。

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