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レコード収集へのそれぞれの拘り…


オーディオに熱心であった父のお陰もあり、
私はこの世に生を受けた瞬間から時代に反して、レコードを聴く生活が
当たり前の環境であった。
初めて自分でレコードを買ったのは小四の時、
ロリン・マゼールの運命をリサイクル・ショップで
駄菓子を買うことを我慢してなけなしの100円で買ったことがきっかけとなり、
そこから都内の大手レコード専門店で働いたり、
今日まであらゆるジャンルのレコードを何万枚と膨れ上がるまでに
集め聴き漁ることになるとは当時は思いもしなかった…。

アナログの再熱が騒がれている昨今、興味はあるけれどこの世界に
まだ飛び込めていない方も少なくないと思います。
何から買えば、どんな世界なのかだろうか…。わからないことが多いと思います。
そんな私の人生に常にべったりで魅力たっぷりなレコード収集にも
いろんな拘りの集め方がある事を少しお話させて頂き、少しでも参考になればと思います。

◆時代を懐かしむ・銘盤収集タイプ◆

子供の頃を思い出すとシーンごとに頭に流れる音楽や
時代を語る上で必ず紹介される盤を名盤紹介本などを手にひたすら買う。

初心者の方では最も多いスタンダードな集め方かと思われます。
私も当初は”この曲知ってる!”から収集して愉しみを覚えていきました。

◆国内帯つき・付属品コンプリート盤のみを収集するタイプ◆

輸入盤には帯という文化はありません。
そして、海外のコレクターが日本に来てレコードを手に取り
とてもビックリする理由の一つにこの帯文化があります。
海外のレコード文化は割とガッシリ手で掴んで放置したり
米国などは内袋もざらざらの紙袋の為、そもそも新品時からスレ傷が絶えないのです。
その上、オートチェンジャーと呼ばれる複数枚のレコードを重ねる形で順に自動再生できるプレイヤーが普及したりと割と大胆な文化でもあります。
それに対し、日本は収録面は手では触れぬように丁寧に持ち、内袋は柔らかいビニールで傷がつかない素材となっており、ジャケットや帯も痛まぬようビニールで保管しとても大切にしております。
その文化の違いの中で海外のコレクターは日本に来て、
まず帯という破れやすいものが新品販売から数十年経った現在も
中古店の売り場一杯に残っていることに大変驚きます。

とはいえ、何十年も経っている為
多くのレコードは帯が紛失してしまっております。
そのようなこともあり、帯・付属品が全てが揃っているもののみを集める収集家も少なくありません。
実際に帯が無ければ半値以下というものも少なくない程
この帯に多くの収集家が惹かれております。

◆ オリジナル(初盤) 収集タイプ ◆

本にはページ末に第〇刷等の記載のページがあり
その初版刷のもののみを収集するという世界があります。

レコードにも初出や初盤と呼ばれるオリジナル思考があります。
この魅力は一言では語れないものがありますが、
レコードというのは同じ盤でも世界各国で製造されたり、
同国製造盤どうしであっても、初出→2版→3版と音色が薄くなったり
熱量を感じない落ち着いた音質になるものも少なくありません。
そして何より、好きなアーティストが最高の音楽が完成した!と
世に放った真の録音を聴きたいと思う方も非常に多いのです。
また、音だけではなくジャケットの雰囲気や質感がまるで異なる事も少なくありません。
総合的に見て高い金額を払ってでも初盤しか集めないという方も非常に多いです。


◆ シュリンク入りジャケの収集タイプ◆

輸入盤、国内盤に限らず新品時には”シュリンク”と呼ばれる
ジャケットに密着したビニールに収められて販売されていたものも多いです。
こちらは大半の方が新品で購入した際に開封時に、
破り捨ててしまう”ただのビニール”です。
故に帯よりも残っていることが少ない貴重な品と考える方もおります。

かく言う私も最近は、個人収集はシュリンク入りに集中したものとなっております。


その他にも、オーディオ高音質盤収集、イカすジャケ収集、
ご当地民謡や企業音楽など、マニアック音源収集家などなど…あらゆる拘りが集まる非常に奥が深い世界です。

音源のみならば、サブスクやCDで十二分に楽しめてしまう時代です。
折角レコードを始めるのであれば、何かひとつ拘りを持って集めてみるのも楽しみの一つに変わると思います。
コレクション棚に規則性や統一感が出てくると眺める愉しみも倍増しますよ。

最後までご覧下さり有難う御座いました。

レコードやCD、カセット、オーディオ製品など…
ご自宅に眠るご不用品が御座いましたら、是非閑古鳥にご相談下さいませ。
どうぞ、よろしくお願い致します。

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