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信じてるって他人にはわからない

 何かを信仰するって、馴染みのない人には理解できない感覚だし、信じる人にとってその信仰はいのいのちに関わるものだって、なかなかわからないものなんじゃないかな。


 高校の時、親しい友人にはプロテスタントのクリスチャンだってカミングアウトしてた。
 でもあんま信仰が何かとか、宗教がその人にとってどう言うものか、あんま馴染みはない様子だった。

 高一の時アメリカのある州にクラス全員でホームステイに行った。そこで、ホストファミリーに自分の宗教が何か聞かれて困った、というありがちなネタが話題になった。私はもちろんクリスチャンだって言った。友人にその話もした。
 でも彼女たちは「宗教持っていません。」を英語でなんて言っていいかわからず「『I don't believe in God.』」って言った笑」、「なんかかっこいい笑」と笑っていた。これ、私の目の前で言われて結構傷ついたんだよね。何よりホストファミリー(信仰持っているかは聞かなかったけど)にそれ言って大丈夫なのか、とか色々心配になった。

 信じるものがあることを、それが自分の人生の根底を成していて、いのちと言っても過言ではない感覚って、理解がないとわからないものなんだと思う。それを実感した経験だった。


 それに比べてって言ったらなんだけど、大学の友人には、きちんと何が不快なのか、どういう思いで私は信仰と向き合っているのかを理解しようとしてくる人がちゃんといる。あまり気を使わせるのは申し訳ないけど、とても嬉しい。

 「ニューズでよく宗教にのめり込むとか、宗教が攻撃的に扱われていることをどう思う。」とか、色々聞いてくれて、こっちもモヤモヤを晴らせてありがたかった。

 一方で、大学の人にカミングアウトした時に、「自分は無神論じゃだ。」と唐突に言われて、無心論者たる理由をつらつらと一方的に論われたこともあった。それが最近では一番傷ついた出来事だった。
 中学の時は「よかったら教会来てみない?」と伝道しようとしてた友人から、タバコ・薬物の勧誘を断る講演会が体育館であった日の放課後に「私は君の勧誘断れたよ笑」と半笑いで言われた時もめっちゃショックだった。


 あくまで私個人レベルの話だけど、私は聖書と神様が揺るぎない真理で、より頼んで生きていたいと思っている。だからそれを否定されたり、ネタにされたり、軽んじられたりすると自分の生そのものを否定されているような気がしてとても辛い。

 でもやっぱり、「信じないことがアイデンティティ」だと感じている人もいるのではないかとも思う。現代の社会状況から考えても「宗教」と名のつくものそのものを危険視する人の気持ちもわかる。
 だから自分が一方的に傷ついている、とここで被害者面するのも間違っているのかもしれない。


 ただ、私の信仰は結構内省的な方だと思う。それが悪いとか良いとか、どう私が信仰と向き合っているのか書き始めたらまじでキリがないから深掘りはしないけど・・・。
 宗教という名を借りて、相手を攻撃したり、コントロールしようとしたりするのは私たちが信じている「宗教」ではないよ。私たちが信じて、見ているのは「私と神様」の関係性のことだから。


 だから、誰かと自分の信じていることを話して、齟齬があったら違うよって教えることを許してくれる機会があるのは、本当に嬉しい。


 最近見たヨーロッパのテレビドラマで、ムスリムの女の子とそうじゃない友人の男の子が話すシーンが印象的だった。

 ムスリムの女の子は男の子に「ヒジャブを被っているだけで、周りの人からどんな馬鹿げたことそ質問をされるかわかる?! 私は自分で選んでつけているのに、周りは強制されていてかわいそうだと思っているのよ!」と訴えた。

 それで男の子は「その馬鹿な質問はあなたにとってとても重要だよ。それに答えなければ彼らは勝手に偽りの答えを作り出す。だから答えなきゃ。」と伝えた。

 確かに、(宗派によって違うのかもしれないけど)服装などの見た目に影響する宗教だから自分と同一視できるわけではない。けど、この会話がいたく心を打った。自分に言われているみたいだった。

 無神経なことを言う人がいる、でもちゃんと聞いてくれる人もいる、そう言うのに全部私は真摯に向き合いたい。だから私も人と話す時気をつけなければいけない。人が何を信じているのか、そして信じていないのか、特に日本では他人にはわからない。

 わかっていない人のことを責められないし、私も無神経なことを言っているかもしれない。だからこそ、何か違和感を覚えた時は綿密にやり取りしたいと思った。


 人に価値観を押し付ける方法ではなくて、私が何を感じているか、相手が何を感じているか、確認して理解する方法で。聞かれたことには全力で答えて、そう言うことを聞いてくれる友人を全力で大切にしたい。



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