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虐待が疑われる小児患者への新たな制度

制度というよりは、病院でそのような対策チームで活動をすれば診療報酬の加算ができるというものです。

今年、令和4年度の診療報酬改定で、新たに加わりました。

●目的
不適切な養育等が疑われる児童の早期発見や、福祉・保健・警察・司法・教育等の関係機関の適切な連携を推進する観点から、多職種で構成される専任のチームを設置して連携体制を整備している場合について、新たな評価を行う。

●施設基準(医療機関の)

虐待等不適切な養育等が疑われる小児患者への支援を行う養育支援チームの設置。
養育支援チームは以下の業務を行う。
 ア プロトコールの整備・見直し
 イ 院内からの相談に対応する
 ウ 主治医および多職種と十分な連携をとって養育支援を行う
 エ 症例を把握・分析し、必要な対策を推進
 オ 職員研修を企画・実施
 ②のイ・ウの実施医師は、小児患者の診療を担当する医師と重複が無いように配置を工夫。

上記により、小児患者一人につき入院初日に加算がつけられるようになりました「養育支援体制加算(小児入院医療管理料):300点」。

この事を当院の小児科医師が私に協力を要請しつつ教えてくれたのですが、うまく機能するのかやや疑問です…

以前、私は乳児の虐待を疑う骨折を診たことがあり児童相談所に連絡をしたのですが、結局「このままこの親子の様子を観察する(=特に介入しない)」という結論になりました。

児童相談所がどのくらいの調査をしたのか詳細はわからないのですが、私は「児童相談所のマンパワーが足りていない」印象を受けました。(実際がどうなのかわからないですが…)

ですので、いくら病院の中でチームを作って、児童相談所への連絡が増えたとしても、児童相談所が対応しきれなくなっていくことを憂慮してしまいます。

児童相談所に関する政策も並行して進める必要があると感じますが、どうでしょうか?

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