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祝! 吉川トリコさんPEPジャーナリズム大賞オピニオン部門賞受賞!(No. 924)

考える人 メールマガジン
2021年8月5日号(No. 924)

祝・PEPジャーナリズム大賞オピニオン部門賞受賞!
吉川トリコさん「流産あるあるすごく言いたい」

今年創設された「PEPジャーナリズム大賞」の「オピニオン部門賞」に、「考える人」に掲載された吉川トリコさんのエッセイ「流産あるあるすごく言いたい」が選ばれました!

*「PEPジャーナリズム大賞」は、質の高いジャーナリズムを、特に次世代を担うインターネット・メディアにおいて根付かせることを目的とし、報道記事を表彰するものです。

吉川さん、おめでとうございます!

話題作2冊試し読み!
萩尾望都『私の少女マンガ講義』
+10人の僧侶による『不要不急 苦境と向き合う仏教の智慧』

話題作を「考える人」で2冊試し読みできるようになりました。

◎萩尾望都 聞き手・構成 矢内裕子 『私の少女マンガ講義

デビューから50年余、今なお現役であり続ける作家が、日本独自の文化である少女マンガの「原点」と「未来」を語る『私の少女マンガ講義』(新潮文庫)。本書は、イタリアでの講演やロングインタビューをもとに構成され、マンガ家自身が語る少女マンガ史から、自作の解説や創作作法までを語る貴重な一書です。その文庫化を記念して、「どんなふうにマンガを描いているのでしょうか?」という質問から導かれた、「少女マンガの神様」自らが語る創作の舞台裏を公開いたします。

◎横田南嶺ほか『不要不急 苦境と向き合う仏教の智慧』試し読み

それでも、大切なものは何か――。10人の僧侶が未曾有の難題に挑む!

「不要不急の外出」「不要不急のイベント」など、コロナ禍で盛んに喧伝されるようになった「不要不急」の四文字。はたして、何が“要”で、何が“急”なのか? その意味が曖昧なまま言葉は独り歩きし、もはや我々の行動のみならず存在にまで深く突き刺さる状況になっています。はたして、人生において真に大切なものは何か――。この難題に10人の僧侶が挑んだ『不要不急 苦境と向き合う仏教の智慧』(新潮新書)。その中から、臨済宗円覚寺派管長・横田南嶺師の論考「人生に夜があるように」を公開いたします。

ブレイディみかこ×ヤマザキマリ「パンク母ちゃん」


ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』の文庫版も好調のブレイディみかこさんと、ヤマザキマリさんとの対談「パンク母ちゃん」、noteで好評配信中!

「考える人」で冒頭の立ち読みができます。

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「考える人」と私(24) 金寿煥


 私が取材で永平寺を訪れた直後の2003年春に、禅僧の南直哉さんは19年にわたった永平寺での修行生活にピリオドを打ち、上京されました。東京で新たな修行道場を立ち上げ、そこの主幹を務め、後進の指導にあたられるとのこと。当時私は「考える人」編集部と書籍の編集者を兼任していて(現在もそうなのですが)、ご縁ができた南さんの本を作りたいと考えていたので、これ幸いと連絡を取り、あらためて都内でお会いすることになりました。
 過日の取材の御礼を伝え、「一緒に本を作りませんか?」とお願いしたところ、こちらの申し出を予想していたのか南さんはニヤリと笑いながら、「お経のようなものを書きたいんです」とひとこと答えられました。「はて? お経とは?」と脳内をフル回転させましたが、具体的なイメージがまるで湧きません。真意を測りかねていたのですが、表にはそれを出さず、「いいですね! それでいきましょう!」と答えた記憶があります。
 南さんからすると、「『お経を書きたい』と言えば、困惑してこの若い編集者はあきらめるのではないか」と考えたのかもしれません。しかし、私が意想外に乗ってきた。今思うと、困ったのは南さんだったのかもしれません。ともかく、その「お経のような本」を書かざるを得なくなったのですから。
 こうして不定期に少しずつ原稿をいただくことになり、その原稿は2006年10月に『老師と少年』として刊行されました。以下は、その新潮文庫版の内容紹介です。

ぼくはいつか死ぬ。たったひとりで。なのに、大人は平気で生きろと言う。理由なき世界に生み落された少年は、「ただ死んでいく」のではなく、自ら「生きていく」ことを選びたいと願った。そして、月に照らされた森を抜け、老師の庵へとたどりついた――九夜にわたる問答を通して語られる、命の苦しみ、尊さ。気鋭の禅僧の精錬された文章とその行間が、魂へ深く深く突き刺さる現代人必読の物語。

 単行本でわずか112ページと短いものですが、「生きるとは何か」をめぐる老師と少年のやりとりは濃密で、一字もゆるがせにしていない。書籍が出来上がる段になって、ようやく私は「お経を書きたい」と言った南さんの真意を理解することができました。それは、問答形式であること(お経もその方式のものが多い)、そして、言葉の密度。
 永平寺で初めてお会いしてから3年半、その時の出会いが『老師と少年』という本に結実したわけですが、ちょうど同時期に南さんの身辺にも再度大きな変化が生じました。「ちょっと遠いところに行くことになりまして」という連絡をいただき、その場所を聞いた時の驚きたるや。
 しかし、そのことに触れる前に、また「本線」に戻らなければいけません。次回は、2003年以降の季刊誌「考える人」を見ていきたいと思います。


※来週8月12日(木)のメールマガジンはお休みいたします。次回配信日は8月19日(木)です。

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