心臓の解剖学まとめノート①(心臓の構造と血管の流れ)
心臓の解剖学についてまとめていきます。
まだ解剖学を習っていない医学生や心臓に興味のある方を対象にしています。
では、よろしくお願いします。
心臓の構造
このように心臓は4つの部屋から成り立っています。それは、右心房、右心室、左心房、左心室です。
左手がある方が左心系になります。
次に、大事なのは血管の流れで、
となります。実際に、絵で確認してみてください。
では、右心系と左心系のどちらの心臓の壁が厚いでしょうか?
答えは左心系です。
右心系では肺に血液を送りますが、左心系では全身に血液を送るためより大きな力が必要になります。実際に心臓壁の厚さを見てみると2倍~3倍くらいの差があるように感じます。
血液の流れ
先ほど、大まかな血管の流れについて説明しました。
これですね。
では、初めの静脈は具体的に何という静脈でしょうか?
答えは、上大静脈と下大静脈です。この二つから右心房に注いでいます。心臓より上は上大静脈に、下は下大静脈へとつながっていきます。
その後、肺動脈を通り肺へと行きます。そして、肺静脈で左心房へと帰ってくるのでしたね。(肺動脈は肺の手前なので酸素飽和度は低いです)
では、解剖学試験でもよく聞かれるのですが、
肺門部付近では肺動脈と肺静脈のどちらが上になるでしょうか?(肺門部とは肺と動脈や静脈、気管がつながっている部分のことです)
答えは、肺動脈です。動脈が上から流れて、重力に従い肺の下までいき、肺の下で回収するのが最も合理的でしょう。(上の図を見て答えた人もいるかもしれませんね)
最後に、どんな心臓から何という動脈につながるかを見ていきます。
とつながっていきます。
図を見れば、なぜ上行大動脈、大動脈弓、下行大動脈というかは一目瞭然です。
では、バルサルバ洞は何ぞやということですが、バルサルバ洞とは、上行大動脈の手前にあり、動脈が一定時間溜まる場所のことです。(ゴムでできた袋をイメージしてください)
主な役割は2つあります。(あくまでも説ですが)
1つ目は、動脈を一次的に溜めることで、血圧を平均化することです。収縮したときには、あまりにも強い圧力がかかるため、バルサルバ洞で血液を溜めて血圧が下がってきたら全身に送り出します。
これはバルサルバ洞特異的ではなく大動脈全体で行われるもので、これをウインドケッセルモデルと言います。(大動脈は弾性線維なので拡張して血液を溜める)
2つ目は、心臓に血液を流す役割です。バルサルバ洞は心臓の血管である冠状動脈へとつながっています。ここから心臓の血管へと血液を流すのですね。
次回へ
ここで一つの疑問が生じます。
「上大静脈と下大静脈の間の酸素はどうしているのか?」です。その間にも血管がないと酸素や栄養を渡せないですよね。
次回は、心臓 解剖学 講座②を書こうと思っていたのですが、さっそく脱線してこの疑問について書こうと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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